AI Case Library
世界のAI活用事例集
世界と日本の最先端では、営業・マーケティング・顧客対応のAI化がここまで進んでいます。 各社が公表した到達点を、1社ずつ出典と発表日つきで特集します。
海外の事例
日本より数歩先を行く各社の到達点。ここに数年後の当たり前が見えます
AIエージェントがブラジルの顧客対応60%超を担当、満足度は人と同等以上|Nubankの事例
世界最先端の金融AI活用はここまで進んでいます。ブラジル発のデジタルバンクNubank(Nu Holdings)は、ブラジルの顧客サポート会話の60%超をAIエージェントが担当し、顧客評価は人による対応と同等以上に達したと2026年8月のQ2決算説明会でCEOが発言。独自の金融基盤モデル「NuFormer」はブラジルの主力クレジット事業からメキシコへ横展開され、最新世代は本番運用コストを抑えながらコンテキスト長・学習速度・推論速度を4倍にしたといいます。すべて出典と発表日つきで整理します。
AIエージェントが対応したブラジルの顧客サポート会話の割合(応対評価は人による対応と同等以上)|2026年8月13日のQ2決算説明会でCEOが発言決算・年次報告社内AIチャット利用率80%超、導入2ヶ月で社内GPT750個|モデルナ(Moderna)の事例
社内業務のAI活用はここまで進んでいます。米国の製薬大手モデルナは2023年初に立ち上げた社内AIチャット「mChat」を社員の80%超に広げ、その後導入したChatGPT Enterpriseでは2ヶ月で社内のGPTが750個、1人あたり週平均120回の会話に達したとOpenAIが公表。法務チームは利用率100%、CEOは「昔ながらのやり方なら10万人必要だったかもしれない仕事を数千人でやれる」と述べています。すべて出典と時点つきで整理します。
社内AIチャットmChatを利用した社員の割合(2023年初に立ち上げ/測定時点の記載なし・OpenAI公式カスタマーストーリー)ベンダー事例AIの利益貢献が年換算で約1億ユーロ。主要16用途の約60%が稼働|ジェネラリ(Generali)の事例
保険の最先端はここまで進んでいます。ジェネラリは2025年度の決算説明資料に、AI・生成AIによる利益への影響を「約1億ユーロ」(年換算ベース)と金額で記載し、2027年には3.5億ユーロ超を目標に掲げました。グループ共通基盤では75件超のAIアプリが稼働し、呼び出しは月2,000万回超。金額を出せている理由は、用途を16個に絞って全社に展開したからです。保険金請求・引受・問い合わせ対応・営業担当の支援まで、どこに使っているかも公開されています。すべて出典と発表日つきで整理します。
AI・生成AIで実現した利益への影響(年換算ベース・2025年度決算資料)決算・年次報告日常的にAIを使う社員が53%に。半年で9ポイント増|ドイツテレコム(Deutsche Telekom)の事例
欧州最大手の通信会社はここまで進んでいます。ドイツテレコムは年次報告で、社員の53%が日常的に業務でAIを使っていると公表しました。半年前の調査から9ポイント増。2024年に3万人へプロンプト研修を実施し、AIをテーマにした社内セッションへの参加は年5万2,000件。目標は2026年に利用率90%、2028年にスキル習得100%(いずれもT-Mobile US除く)。すべて出典と発表日つきで整理します。
日常的に業務でAIを使っていると答えた社員の割合(2025年11月・社内調査)決算・年次報告画像制作を6〜8週間から3〜4日に、コストは90%削減|Zalandoの事例
マーケティングの制作現場はここまで進んでいます。ドイツのファッションEC・Zalandoは生成AIで商品画像の制作期間を6〜8週間から約3〜4日に、コストを90%削減したと公表。2024年第4四半期にはエディトリアル・キャンペーン画像の約70%がAI生成でした。担当VPはAIの画像が人の制作物より優れているからではなく、どれだけ新しく顧客に関連しているかが理由だと述べています。すべて出典と発表日つきで整理します。
画像制作コストの削減率(コンテンツ担当VPの発言・2025年5月)報道テルストラ|社内で380件のAIが稼働。消費者接点の86%がセルフサービスで完結し、開発効率は20%超改善
通信会社の最先端はここまで進んでいます。オーストラリア最大手のテルストラは決算説明会で、社内380件のAIユースケース、開発効率20%超の改善、消費者接点の86%がデジタルセルフサービスで完結、AIツールを使える社員の75%超が週1回以上使用、と説明しました。同時に人員も削減しており、記者から「失われた雇用のうちAIによるものはどれくらいか」と問われたCEOの回答も公開されています。どうやってここまで来たのかを、すべて出典と発表日つきで整理します。
社内で稼働しているAIのユースケース数(2026年2月19日の決算説明会での説明・「今日の時点で」)決算・年次報告セールスフォース(Salesforce)|問い合わせの76%をAIが人を介さず解決。サポート人員は9,000人から5,000人へ
顧客サポートの最先端はここまで進んでいます。セールスフォースは自社のヘルプサイトにAIエージェントを置き、問い合わせの76%を人を介さずに解決したと公表。累計200万件超の会話を処理し、日本語対応も5万件超で解決率77%。CEOはサポート人員を9,000人から約5,000人に減らしたと述べました。どうやってここまで来たのかを、すべて出典と発表日つきで整理します。
ヘルプサイトで人を介さず解決した問い合わせの割合(同社発表)自社発表コカ・コーラ(Coca-Cola)|200超の市場のブランド運用をAIが自動適用。ガイドラインを機械可読にした「Project Fizzion」
ブランド運用の最先端はここまで進んでいます。コカ・コーラは200超の市場を対象にブランド運用をAI化する「Project Fizzion」をAdobeと共同で発表。長大な静的文書だったブランドガイドラインを機械可読な「StyleID」に変換し、デザイナーの作業中にAIがブランド標準をリアルタイムで自動適用します。会社は「これはコスト削減策ではない」と明言。年次報告書上の広告費も51億ドル(2024年)から54億ドル(2025年)へ増えています。すべて出典と発表日つきで整理します。
ブランド運用のAI化「Project Fizzion」が対象とする市場の数(報道より)決算・年次報告ユニリーバ(Unilever)|商品撮影をやめて「資産」から生成へ。節約は最大55%、クリック率は2倍
ユニリーバでは、商品パッケージのデジタルツイン(3Dの複製)から広告・ECのコンテンツを生成する体制がすでに動いています。美容・ウェルビーイング部門の公表値は節約が最大55%、制作が65%高速化、そしてクリック率が2倍・注視時間が3倍。核心は1回の撮影を「何度でも使える資産」に変えた構造です。すべて出典と発表日つきで整理します。
コンテンツ制作の節約幅(美容・ウェルビーイング部門・原文は「up to 55% savings」)自社発表ルーメン(Lumen)|営業の商談準備が4時間から15分に。年間5,000万ドル規模の効果と試算
ルーメン・テクノロジーズでは、営業担当が顧客へのアプローチ前にかけていた4時間の調査が15分になったと最高収益責任者(CRO)が説明しています。同社の試算では営業担当1人あたり週平均4時間の節約で、年間5,000万ドルに相当。開発側でもGitHub Copilotがサイクルタイムを20〜30%短縮しています。確認できた出典はいずれもCopilotの提供元(マイクロソフト)のページで、すべて出典と発表日つきで整理します。
営業担当1人あたり週の削減時間(同社の試算・提供元の資料より)ベンダー事例コモンウェルス銀行|不正検知ルールの4分の3をAIが作る体制へ。社内チームが3か月で立ち上げた
オーストラリア最大手のコモンウェルス銀行では、新しい不正・詐欺のパターンを見つけて「それを止めるための検知ルール自体を作る」AIエージェントが、すでにカード不正検知ルールの4分の3の作成・更新に関与しています。開発したのは社内のチームで、期間は3か月。1日8,000万件超のシグナルを監視し、不正被害は前年同期比20%超の減少に寄与したと説明しています。すべて出典と発表日つきで整理します。
カード不正検知ルールのうち、AIエージェントが作成・更新に関与した割合自社発表JPモルガン・チェース|8か月でゼロから20万人。全社が使うLLM基盤「LLM Suite」を自社開発
規制がいちばん厳しい業界のAI活用はここまで進んでいます。JPモルガン・チェースは2024年夏、自社開発のLLM基盤「LLM Suite」を全社の対象社員に展開し、8か月でゼロから20万人が使う状態になったと公表。社内向けAIエージェント「Employee Assistant」も配り、今後は社内データと接続して業務フローに組み込む方針です。American Bankerの2025年 Innovation of the Year も受賞。削減時間などの効果が公表されていない点も含めて、すべて出典と発表日つきで整理します。
全社の対象社員が使うLLM基盤「LLM Suite」を内製決算・年次報告Klarna|AIが1か月で230万件・全チャットの3分の2を処理。フルタイム700人分の仕事に相当
カスタマーサポートの最先端はここまで進んでいます。Klarnaは2024年、AIアシスタントが1か月で230万件・全チャットの3分の2を処理し、フルタイム700人分の仕事に相当すると公表。解決までの時間は11分から2分未満に短縮し、再問い合わせは25%減。さらに2025年以降は複雑な問い合わせのためにCEOが人間のオペレーターを再配置しており、AIと人の線引きまで公開されています。すべて出典と発表日つきで整理します。
AIが担った問い合わせ対応の規模(同社公表)自社発表
日本の事例
同じ商習慣のなかで、ここまで進めた先行企業の記録です
全行員3万5,000人がChatGPTを日常業務で使う銀行へ|三菱UFJ銀行の事例
日本の最先端では、銀行の仕事はここまでAIに置き換わっています。三菱UFJ銀行はOpenAIと戦略的コラボレーション契約を結び、2026年1月以降、全行員約35,000人がChatGPT Enterpriseを日常業務で使えるよう順次展開すると発表しました。法人営業では提案ナレッジを組織知に変える「提案書データレイク」が動き、決算説明会資料にはAI業務実装件数や期待効果が累計で開示されています。リテールではChatGPTの中から口座残高を確認できるサービスも始まりました。すべて出典と発表日つきで整理します。
ChatGPT Enterpriseを日常業務で利用できるよう順次展開する三菱UFJ銀行の全行員数(2026年1月以降)|2025年11月12日発表の自社プレスリリース決算・年次報告社内AIの正答率を44%→80%→90%へ。約1か月で壁を突破した|DeNAの事例
日本の最先端はここまで進んでいます。DeNAは社内問い合わせに答えるAI「Findout」の正答率を44%から80%、さらに90%まで引き上げました。80%で停滞したとき、残る誤答の原因の70%が社内ドキュメントの不足だと分析し、RAGのチューニングでは解けないと判断。ナレッジ管理側を作り直して約1か月で90%に到達しています。あわせて公開された社内AI活用事例100件も、全101ページを読んで数え直しました。すべて出典と発表日つきで整理します。
社内AIヘルプデスクの回答正答率(2026年4月時点・導入初期は44%)自社発表日清食品グループ|CEOの一言から22日で社内AIを全社公開し、営業部門の利用率を68%まで引き上げた
社内AI立ち上げの最先端はここまで進んでいます。日清食品グループは2023年4月3日の入社式でCEOがChatGPTを使ったのをきっかけに、22日後の4月25日に社内AIを国内事業会社(一部を除く)の社員約3,600人へ公開。営業部門の月別の利用率は5月28%から11月68%へ、年間作業工数は32,591時間の削減見込みまで到達しました。部門ごとにプロンプトのテンプレートを作らせる型を確立し、CIOがIRの場でその過程と数字を公開しています。どうやってここまで来たのかを、すべて出典と発表日つきで整理します。
CEOが入社式でAIに触れてから、社内AIを全社公開するまでの日数(2023年4月3日→4月25日)決算・年次報告電通デジタル|LPの改善案づくりが数日から10分に。制作・納品のリードタイムも約40%削減
電通デジタルでは、ランディングページの分析から改善案づくりまでをAIが担い、数日かかっていた工程が10分になっています。その後の制作・納品までのリードタイムも約40%削減。制作そのものではなく前工程の分析にAIを当てたことで、後工程まで短くなった構造の事例です。すべて出典と発表日つきで整理します。
LPの分析から改善案の作成までにかかる時間(従来は数日・同社発表)自社発表住友商事|生成AIの効果『年12億円』、金額より先に決めていたのは算定式
住友商事はここまで進んでいます。2024年4月にMicrosoft 365 Copilotを海外グループ会社を含む約9,000人へ一斉導入し、2024年度のコスト削減効果を年間約12億円(2024年12月時点の見込み値)と公表。ポイントは金額の大きさではなく、「1アクションあたりの削減時間×アクション回数×人件費」という算定式を先に決めていたことです。月間アクティブユーザーは約90%、業務時間の削減は月約1万時間。同じ算定の型は9,000人規模でなくても使えます。すべて出典と発表日つきで整理します。
Microsoft 365 Copilotのコスト削減効果(2024年度の見込み値・約9,000人・同社算出)自社発表取引企業の8割にAI導入、総合的な生産性は約11倍|サイバーエージェントの事例
サイバーエージェントはここまで進んでいます。広告クリエイティブ制作AI「極予測AI」を取引企業の8割に導入し、総合的な生産性は約11倍。研究員約100名のAI研究開発組織「AI Lab」を土台に、AI成熟度を5段階で定義して全社70チームを評価しています。インターネット広告事業のFY2025営業利益は前期比14.0%減で、同社はその理由の1つに「AIを活用した新規事業への投資等」を挙げ、投資と利益の関係まで開示しています。すべて出典と発表日つきで整理します。
「極予測AI」を導入した広告事業の取引企業の割合(同社発表・2024年12月時点)決算・年次報告メルカリ|全社員の95%がAIを活用、それでも『まだAI-Nativeとは言えない』と言い切った理由
メルカリはここまで進んでいます。社員の95%がAIツールを活用しているにもかかわらず、同社は公表資料で「現在の状態をAI-Nativeだとは捉えていない」と明言しています。全社を33ドメインに分けた総勢約100名規模のAI Task Forceが業務プロセスのAI化を進め、コード生成の約70%をAIが担うまで来てなお「利用率は入口に過ぎない」と言い切る姿勢が、95%という数字の意味を変えています。すべて出典と発表日つきで整理します。
AIツールを活用している社員の割合(同社公表)自社発表全従業員11,000人に生成AI活用を義務化、議事録は全部AIへ|LINEヤフーの事例
LINEヤフーはここまで進んでいます。全従業員約11,000人に、業務での生成AI活用を「義務化」する前提で働き方を変更。着手したのは業務の3割を占める調査・資料作成・会議の3領域で、「まずはAIに聞く」「ゼロベースの資料作成は行わない」「議事録作成は全てAIで行う」という行動レベルのルールまで公表されています。規模に関係なく明日から真似できる形です。すべて出典と発表日つきで整理します。
生成AI活用を義務化した対象人数(2025年7月)自社発表「AIに聞く」から「AIに頼む」へ。年44.8万時間を削減、総労働時間の3.4%に到達|パナソニック コネクトの事例
パナソニック コネクトはここまで進んでいます。社内AIとのやり取りが、当初の「聞く」(質問して答えを得る)から「頼む」(作業そのものを代行させる)へと変わったことが、労働時間削減の伸びに直結しました。2023年2月に社内AIアシスタント「ConnectAI」を全社導入し、1年目に18.6万時間、2年目に44.8万時間の労働時間削減を公表。2026年には総労働時間の3.4%削減に到達し、2030年に10%削減を目標に掲げ、図面・設計仕様の照合には独自開発のAIエージェントを投入しています。すべて出典と発表日つきで整理します。
年間の労働時間削減(2024年実績)自社発表
この事例集の編集方針
AI活用の数字は、出どころによって信頼度がまったく違います。米セントルイス連銀の分析(2026年7月)では、決算説明会でAIの生産性に触れた文のうち約95%が「将来の見込み」で、実測値を出している企業は少数派でした。だからこそ、測って公表している会社を集める価値があると考えています。
- 数字には必ず出典URLと発表日を付ける。時点のない数字は載せない
- 出典を4種別(決算・年次報告/自社発表/報道/ベンダー資料)で明示する
- うまくいった点だけでなく、後退・撤退・見直しも同じ記事に書く
- 推測は「推測」と明記し、事実と分けて書く
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