AI Case Library
世界のAI活用事例集
世界と日本の最先端では、営業・マーケティング・顧客対応のAI化がここまで進んでいます。 各社が公表した到達点を、1社ずつ出典と発表日つきで特集します。
海外の事例
日本より数歩先を行く各社の到達点。ここに数年後の当たり前が見えます
AIアシスタントとの対話が年約7億回、電話応対も1件1分近く短縮|バンク・オブ・アメリカの事例
銀行の顧客対応の最先端は、ここまで進んでいます。米バンク・オブ・アメリカのAIアシスタント「Erica」は、2025年の1年間に2,060万人の利用者と約7億回対話し、2018年の提供開始からの累計は32億回を超えました。利用者の98%超が必要な情報にたどり着き、コールセンターの問い合わせ量を大きく減らしたと同行は説明しています。さらに1.8万人超の顧客応対担当者が通話中にAIの支援を受け、1件あたりの通話時間を1分近く短縮。社員の90%超が使う社内版では、ITサービスデスクへの電話が半減しました。顧客・社員・電話応対の3方向に同じAIを広げた経緯を、出典と発表日つきで整理します。
2025年の1年間に、2,060万人の利用者がAIアシスタント「Erica」と対話した回数(自社発表2026年3月10日)自社発表最長600ページの引受ガイドを「数秒」で検索、削減は135営業日分|アリアンツ(Allianz)の事例
保険の引受業務の最先端は、ここまで進んでいます。アリアンツ(Allianz)の英国法人は、最長で600ページに達する企業保険の引受ガイドライン文書を検索する時間を減らすため、生成AIツール「BRIAN」を開発。2025年1月のロールアウト以降、13,000件超の質問に対応し、推定65,000分・135営業日分の時間を削減したと公表しました。担当者は「週2時間かかっていた検索が数秒になった」とコメント。アップロードした文書だけを根拠に回答し、参照元へのリンクも表示する設計まで、出典と発表日つきで整理します。
引受ガイダンス検索にかかっていた時間をAIツール「BRIAN」で削減した累計規模(2025年1月ロールアウト後・自社発表2025年9月11日)自社発表広告投資の20%、Googleでは58%がAIキャンペーンに|ロレアル(L'Oréal)の事例
世界のマーケティングの最先端では、AI化がここまで進んでいます。世界4位の広告主であるロレアルは、2025年のデジタルプラットフォームへの広告投資の20%をAIキャンペーンが占め、2025年12月にはGoogle上のキャンペーンの58%(前年同月比+14ポイント)に達したと年次報告書で開示しました。社内の生成AIコンテンツ工房CreAItechが素材をつくり、自社ツールBETiqが9カ国で投資配分を最適化し、社内AI「LOREAL GPT」は7万1,000人が使う。さらに検索対策をAI回答対策(GEO)へ広げ、AI活用の進み具合そのものが役員報酬の評価項目になっています。出典と発表日つきで整理します。
2025年12月にGoogle上で実施したキャンペーンのうち「AIキャンペーン」が占めた割合(前年同月比+14ポイント/L'Oréal 2025年次報告書・2026年3月18日にAMFへ提出)決算・年次報告AIモデル800個超・350用途から2,000個超・430用途へ拡大、経済価値は約10億シンガポールドルに到達|DBS銀行の事例
世界の金融最先端では、AI活用の規模がここまで来ています。シンガポール最大手のDBS銀行は、2024年9月時点で「800個超のAIモデルを350の用途で運用し、2025年には経済価値が10億シンガポールドルを超える見込み」とCEOが公表。その見込みは2026年公表の年次報告書で「2,000個超のモデル・430超の用途・約10億シンガポールドルの経済価値」という実績として記載されました。見込みの「10億シンガポールドル超」に対し実績は「約10億シンガポールドル」で、ほぼ見込み線に着地しています。見込みから実績まで、出典と発表日つきで整理します。
AI・データ分析による経済価値(FY2025実績・DBS Annual Report 2025)。2024年9月時点でCEOが「2025年に10億シンガポールドル超」と見込みを公表していた決算・年次報告AIエージェントがブラジルの顧客対応60%超を担当、満足度は人と同等以上|Nubankの事例
世界最先端の金融AI活用はここまで進んでいます。ブラジル発のデジタルバンクNubank(Nu Holdings)は、ブラジルの顧客サポート会話の60%超をAIエージェントが担当し、顧客評価は人による対応と同等以上に達したと2026年8月のQ2決算説明会でCEOが発言。独自の金融基盤モデル「NuFormer」はブラジルの主力クレジット事業からメキシコへ横展開され、最新世代は本番運用コストを抑えながらコンテキスト長・学習速度・推論速度を4倍にしたといいます。すべて出典と発表日つきで整理します。
AIエージェントが対応したブラジルの顧客サポート会話の割合(応対評価は人による対応と同等以上)|2026年8月13日のQ2決算説明会でCEOが発言決算・年次報告社内AIチャット利用率80%超、導入2ヶ月で社内GPT750個|モデルナ(Moderna)の事例
社内業務のAI活用はここまで進んでいます。米国の製薬大手モデルナは2023年初に立ち上げた社内AIチャット「mChat」を社員の80%超に広げ、その後導入したChatGPT Enterpriseでは2ヶ月で社内のGPTが750個、1人あたり週平均120回の会話に達したとOpenAIが公表。法務チームは利用率100%、CEOは「昔ながらのやり方なら10万人必要だったかもしれない仕事を数千人でやれる」と述べています。すべて出典と時点つきで整理します。
社内AIチャットmChatを利用した社員の割合(2023年初に立ち上げ/測定時点の記載なし・OpenAI公式カスタマーストーリー)ベンダー事例AIの利益貢献が年換算で約1億ユーロ。主要16用途の約60%が稼働|ジェネラリ(Generali)の事例
保険の最先端はここまで進んでいます。ジェネラリは2025年度の決算説明資料に、AI・生成AIによる利益への影響を「約1億ユーロ」(年換算ベース)と金額で記載し、2027年には3.5億ユーロ超を目標に掲げました。グループ共通基盤では75件超のAIアプリが稼働し、呼び出しは月2,000万回超。金額を出せている理由は、用途を16個に絞って全社に展開したからです。保険金請求・引受・問い合わせ対応・営業担当の支援まで、どこに使っているかも公開されています。すべて出典と発表日つきで整理します。
AI・生成AIで実現した利益への影響(年換算ベース・2025年度決算資料)決算・年次報告日常的にAIを使う社員が53%に。半年で9ポイント増|ドイツテレコム(Deutsche Telekom)の事例
欧州最大手の通信会社はここまで進んでいます。ドイツテレコムは年次報告で、社員の53%が日常的に業務でAIを使っていると公表しました。半年前の調査から9ポイント増。2024年に3万人へプロンプト研修を実施し、AIをテーマにした社内セッションへの参加は年5万2,000件。目標は2026年に利用率90%、2028年にスキル習得100%(いずれもT-Mobile US除く)。すべて出典と発表日つきで整理します。
日常的に業務でAIを使っていると答えた社員の割合(2025年11月・社内調査)決算・年次報告画像制作を6〜8週間から3〜4日に、コストは90%削減|Zalandoの事例
マーケティングの制作現場はここまで進んでいます。ドイツのファッションEC・Zalandoは生成AIで商品画像の制作期間を6〜8週間から約3〜4日に、コストを90%削減したと公表。2024年第4四半期にはエディトリアル・キャンペーン画像の約70%がAI生成でした。担当VPはAIの画像が人の制作物より優れているからではなく、どれだけ新しく顧客に関連しているかが理由だと述べています。すべて出典と発表日つきで整理します。
画像制作コストの削減率(コンテンツ担当VPの発言・2025年5月)報道テルストラ|社内で380件のAIが稼働。消費者接点の86%がセルフサービスで完結し、開発効率は20%超改善
通信会社の最先端はここまで進んでいます。オーストラリア最大手のテルストラは決算説明会で、社内380件のAIユースケース、開発効率20%超の改善、消費者接点の86%がデジタルセルフサービスで完結、AIツールを使える社員の75%超が週1回以上使用、と説明しました。同時に人員も削減しており、記者から「失われた雇用のうちAIによるものはどれくらいか」と問われたCEOの回答も公開されています。どうやってここまで来たのかを、すべて出典と発表日つきで整理します。
社内で稼働しているAIのユースケース数(2026年2月19日の決算説明会での説明・「今日の時点で」)決算・年次報告セールスフォース(Salesforce)|問い合わせの76%をAIが人を介さず解決。サポート人員は9,000人から5,000人へ
顧客サポートの最先端はここまで進んでいます。セールスフォースは自社のヘルプサイトにAIエージェントを置き、問い合わせの76%を人を介さずに解決したと公表。累計200万件超の会話を処理し、日本語対応も5万件超で解決率77%。CEOはサポート人員を9,000人から約5,000人に減らしたと述べました。どうやってここまで来たのかを、すべて出典と発表日つきで整理します。
ヘルプサイトで人を介さず解決した問い合わせの割合(同社発表)自社発表コカ・コーラ(Coca-Cola)|200超の市場のブランド運用をAIが自動適用。ガイドラインを機械可読にした「Project Fizzion」
ブランド運用の最先端はここまで進んでいます。コカ・コーラは200超の市場を対象にブランド運用をAI化する「Project Fizzion」をAdobeと共同で発表。長大な静的文書だったブランドガイドラインを機械可読な「StyleID」に変換し、デザイナーの作業中にAIがブランド標準をリアルタイムで自動適用します。会社は「これはコスト削減策ではない」と明言。年次報告書上の広告費も51億ドル(2024年)から54億ドル(2025年)へ増えています。すべて出典と発表日つきで整理します。
ブランド運用のAI化「Project Fizzion」が対象とする市場の数(報道より)決算・年次報告ユニリーバ(Unilever)|商品撮影をやめて「資産」から生成へ。節約は最大55%、クリック率は2倍
ユニリーバでは、商品パッケージのデジタルツイン(3Dの複製)から広告・ECのコンテンツを生成する体制がすでに動いています。美容・ウェルビーイング部門の公表値は節約が最大55%、制作が65%高速化、そしてクリック率が2倍・注視時間が3倍。核心は1回の撮影を「何度でも使える資産」に変えた構造です。すべて出典と発表日つきで整理します。
コンテンツ制作の節約幅(美容・ウェルビーイング部門・原文は「up to 55% savings」)自社発表ルーメン(Lumen)|営業の商談準備が4時間から15分に。年間5,000万ドル規模の効果と試算
ルーメン・テクノロジーズでは、営業担当が顧客へのアプローチ前にかけていた4時間の調査が15分になったと最高収益責任者(CRO)が説明しています。同社の試算では営業担当1人あたり週平均4時間の節約で、年間5,000万ドルに相当。開発側でもGitHub Copilotがサイクルタイムを20〜30%短縮しています。確認できた出典はいずれもCopilotの提供元(マイクロソフト)のページで、すべて出典と発表日つきで整理します。
営業担当1人あたり週の削減時間(同社の試算・提供元の資料より)ベンダー事例コモンウェルス銀行|不正検知ルールの4分の3をAIが作る体制へ。社内チームが3か月で立ち上げた
オーストラリア最大手のコモンウェルス銀行では、新しい不正・詐欺のパターンを見つけて「それを止めるための検知ルール自体を作る」AIエージェントが、すでにカード不正検知ルールの4分の3の作成・更新に関与しています。開発したのは社内のチームで、期間は3か月。1日8,000万件超のシグナルを監視し、不正被害は前年同期比20%超の減少に寄与したと説明しています。すべて出典と発表日つきで整理します。
カード不正検知ルールのうち、AIエージェントが作成・更新に関与した割合自社発表JPモルガン・チェース|8か月でゼロから20万人。全社が使うLLM基盤「LLM Suite」を自社開発
規制がいちばん厳しい業界のAI活用はここまで進んでいます。JPモルガン・チェースは2024年夏、自社開発のLLM基盤「LLM Suite」を全社の対象社員に展開し、8か月でゼロから20万人が使う状態になったと公表。社内向けAIエージェント「Employee Assistant」も配り、今後は社内データと接続して業務フローに組み込む方針です。American Bankerの2025年 Innovation of the Year も受賞。削減時間などの効果が公表されていない点も含めて、すべて出典と発表日つきで整理します。
全社の対象社員が使うLLM基盤「LLM Suite」を内製決算・年次報告Klarna|AIが1か月で230万件を処理、1年半後には853人分の仕事量へ拡大
カスタマーサポートの最先端はここまで進んでいます。Klarnaは2024年2月、AIアシスタントが1か月で230万件・全チャットの3分の2を処理し、フルタイム700人分の仕事に相当すると公表。解決までの時間は11分から2分未満に短縮しました。2025年に入ると複雑な問い合わせのためCEOが人間のオペレーターを再配置しつつも、2025年11月の決算説明会では処理規模が853人分まで拡大し、年間換算6,000万ドルの節約になっていると発言。取引あたりのコストは2023年比で40%下がったまま推移しています。「切りすぎて戻す」で終わらず、そのあとも規模を伸ばし続けている点まで、出典と発表日つきで整理します。
AIが担う問い合わせ対応の規模(2025年11月・同社決算説明会でのCEO発言。2024年2月時点は700人分)決算・年次報告
日本の事例
同じ商習慣のなかで、ここまで進めた先行企業の記録です
対象を「回答できる照会の6割」に絞って検証したら4割減った|損保ジャパンの事例
全国展開の判断根拠に「全体で何割減るか」ではなく「絞った対象でどれだけ減るか」を使う。損保ジャパンの生成AI「おしそんLLM」はここまで進んでいます。代理店・営業店・本社間の照会対応(年間67万件)に生成AIの回答案を組み込み、2024年度の一部拠点トライアルで、システムが回答可能な照会(全体の約6割相当)に対して約4割の業務時間削減効果を確認。2025年6月、全国の営業店・本社へ展開を開始しました。開発は2023年から、内製エンジニアチームが人が確認するヒューマンインザループ設計で進めたプロセスまで、出典と発表日つきで整理します。
「おしそんLLM」が回答可能な照会(全体の約6割相当)に対する業務時間削減効果(2024年度トライアル結果・2025年7月1日発表)自社発表全社員参加のコンテストに425件、月295人日分の削減試算|フジパンの事例
「使う人を増やす」の最先端は、ツールの配布ではなく参加のしかけでした。フジパンは2025年3月、全社員が参加できる生成AIチャレンジコンテストを実施。応募は425件にのぼり、自己申告ベースで集計すると月あたり約295人日分の業務時間削減に相当する試算が出ました。個人部門の最優秀賞は、営業資料作成を自動化する「商談準備プロンプト」。その5か月後の2025年8月には、約2万3千人・年間約42万件(推定)の社内問い合わせのうち15%(約6.3万件)を自動応答するAIチャットボットの導入が発表されています。同じ年に「現場の参加」と「全社インフラ」が2段構えで進んだ流れを、出典と発表日つきで整理します。
全社員参加の生成AIチャレンジコンテスト応募作品を自己申告ベースで集計した業務時間削減の試算(エクサウィザーズ発表・2025年9月17日)自社発表削減見込み年9万時間を「1件あたり5分×70万件」と算式ごと公開|東京海上日動の事例
日本の大企業のAI導入発表には珍しく、東京海上日動は削減時間の「計算式」をそのまま公開しました。コンタクトセンター1社(年間約200万件超の入電)で、お客様向けは最大約30%・年間約5万8,000時間(約5分/件×約70万件)、代理店向けは最大約10%・年間約3万2,000時間(約1.5分/件×約130万件)。ただし同社はこれを「想定しております(24年度入電件数に基づき算出)」と明記しており、実績値ではありません。応対前・応対中・応対後・ナレッジ管理の4工程にAIを当てた構成、グループのDeputy CITOが自社メディアで書いた「試験導入は容易だが本格稼働は難しい」という慎重論まで、出典と発表日つきで整理します。
コンタクトセンター1社でAIが削減すると想定した年間の応対時間(お客様向け 約5万8,000時間+代理店向け 約3万2,000時間を本記事で合算。実績値ではなく2024年度の入電件数にもとづく想定値/東京海上日動 2026年3月4日発表)決算・年次報告全社員が1人100個のAIエージェントをつくり、2カ月半で250万個を超える|ソフトバンクの事例
日本の大企業の最先端では、AIの社内活用がここまで進んでいます。ソフトバンクは2025年6月、全社員に「1人100個のAIエージェントを作る」というミッションを課し、約2カ月半後の8月末に作成数は250万個を超えました。法人営業では50個のプロンプトを積んだ提案支援ツールが数千人に広がり、約半年後も定着率7割。人事側では生成AIで既存業務を効率化しながら、社員数をほぼ横ばいに保ったまま約1,000名を新領域へ動かしています。出典と発表日つきで整理します。
全社員が作成したAIエージェントの数(2025年6月開始〜8月末の約2カ月半・ソフトバンク自社発表)決算・年次報告社内文書約130万件を横断検索、社内AIの利用は1日6,000件から7〜8万回へ|三井住友銀行(SMBCグループ)の事例
日本の金融最先端では、社内AIの定着がここまで進んでいます。SMBCグループは自社開発の社内AIアシスタント「SMBC-GAI」を2023年7月にリリース。1日あたりの利用はリリース当初の約6,000件から、2026年3月の報道では1日7〜8万回まで伸びました。2025年10月には社内規程・通達・業務マニュアルなど約130万件のファイルを検索対象にしたRAG機能を追加し、国内企業のRAG活用事例として学習ファイル量・利用者数ともに最大級の規模になったと発表しています。Teamsへの組み込み、4ヶ月のうち3ヶ月半を割いたルールづくり、顧客対応AIの音声化まで、出典と発表日つきで整理します。
社内AIアシスタント「SMBC-GAI」がRAGで横断検索できるようにした社内規程・通達・業務マニュアル等のファイル数(2025年10月6日 自社発表)自社発表全行員3万5,000人がChatGPTを日常業務で使う銀行へ|三菱UFJ銀行の事例
日本の最先端では、銀行の仕事はここまでAIに置き換わっています。三菱UFJ銀行はOpenAIと戦略的コラボレーション契約を結び、2026年1月以降、全行員約35,000人がChatGPT Enterpriseを日常業務で使えるよう順次展開すると発表しました。法人営業では提案ナレッジを組織知に変える「提案書データレイク」が動き、決算説明会資料にはAI業務実装件数や期待効果が累計で開示されています。リテールではChatGPTの中から口座残高を確認できるサービスも始まりました。すべて出典と発表日つきで整理します。
ChatGPT Enterpriseを日常業務で利用できるよう順次展開する三菱UFJ銀行の全行員数(2026年1月以降)|2025年11月12日発表の自社プレスリリース決算・年次報告社内AIの正答率を44%→80%→90%へ。約1か月で壁を突破した|DeNAの事例
日本の最先端はここまで進んでいます。DeNAは社内問い合わせに答えるAI「Findout」の正答率を44%から80%、さらに90%まで引き上げました。80%で停滞したとき、残る誤答の原因の70%が社内ドキュメントの不足だと分析し、RAGのチューニングでは解けないと判断。ナレッジ管理側を作り直して約1か月で90%に到達しています。あわせて公開された社内AI活用事例100件も、全101ページを読んで数え直しました。すべて出典と発表日つきで整理します。
社内AIヘルプデスクの回答正答率(2026年4月時点・導入初期は44%)自社発表日清食品グループ|CEOの一言から22日で社内AIを全社公開し、営業部門の利用率を68%まで引き上げた
社内AI立ち上げの最先端はここまで進んでいます。日清食品グループは2023年4月3日の入社式でCEOがChatGPTを使ったのをきっかけに、22日後の4月25日に社内AIを国内事業会社(一部を除く)の社員約3,600人へ公開。営業部門の月別の利用率は5月28%から11月68%へ、年間作業工数は32,591時間の削減見込みまで到達しました。部門ごとにプロンプトのテンプレートを作らせる型を確立し、CIOがIRの場でその過程と数字を公開しています。どうやってここまで来たのかを、すべて出典と発表日つきで整理します。
CEOが入社式でAIに触れてから、社内AIを全社公開するまでの日数(2023年4月3日→4月25日)決算・年次報告電通デジタル|LPの改善案づくりが数日から10分に。制作・納品のリードタイムも約40%削減
電通デジタルでは、ランディングページの分析から改善案づくりまでをAIが担い、数日かかっていた工程が10分になっています。その後の制作・納品までのリードタイムも約40%削減。制作そのものではなく前工程の分析にAIを当てたことで、後工程まで短くなった構造の事例です。すべて出典と発表日つきで整理します。
LPの分析から改善案の作成までにかかる時間(従来は数日・同社発表)自社発表住友商事|生成AIの効果『年12億円』、金額より先に決めていたのは算定式
住友商事はここまで進んでいます。2024年4月にMicrosoft 365 Copilotを海外グループ会社を含む約9,000人へ一斉導入し、2024年度のコスト削減効果を年間約12億円(2024年12月時点の見込み値)と公表。ポイントは金額の大きさではなく、「1アクションあたりの削減時間×アクション回数×人件費」という算定式を先に決めていたことです。月間アクティブユーザーは約90%、業務時間の削減は月約1万時間。同じ算定の型は9,000人規模でなくても使えます。すべて出典と発表日つきで整理します。
Microsoft 365 Copilotのコスト削減効果(2024年度の見込み値・約9,000人・同社算出)自社発表取引企業の8割にAI導入、総合的な生産性は約11倍|サイバーエージェントの事例
サイバーエージェントはここまで進んでいます。広告クリエイティブ制作AI「極予測AI」を取引企業の8割に導入し、総合的な生産性は約11倍。研究員約100名のAI研究開発組織「AI Lab」を土台に、AI成熟度を5段階で定義して全社70チームを評価しています。インターネット広告事業のFY2025営業利益は前期比14.0%減で、同社はその理由の1つに「AIを活用した新規事業への投資等」を挙げ、投資と利益の関係まで開示しています。すべて出典と発表日つきで整理します。
「極予測AI」を導入した広告事業の取引企業の割合(同社発表・2024年12月時点)決算・年次報告メルカリ|全社員の95%がAIを活用、それでも『まだAI-Nativeとは言えない』と言い切った理由
メルカリはここまで進んでいます。社員の95%がAIツールを活用しているにもかかわらず、同社は公表資料で「現在の状態をAI-Nativeだとは捉えていない」と明言しています。全社を33ドメインに分けた総勢約100名規模のAI Task Forceが業務プロセスのAI化を進め、コード生成の約70%をAIが担うまで来てなお「利用率は入口に過ぎない」と言い切る姿勢が、95%という数字の意味を変えています。すべて出典と発表日つきで整理します。
AIツールを活用している社員の割合(同社公表)自社発表全従業員11,000人に生成AI活用を義務化、議事録は全部AIへ|LINEヤフーの事例
LINEヤフーはここまで進んでいます。全従業員約11,000人に、業務での生成AI活用を「義務化」する前提で働き方を変更。着手したのは業務の3割を占める調査・資料作成・会議の3領域で、「まずはAIに聞く」「ゼロベースの資料作成は行わない」「議事録作成は全てAIで行う」という行動レベルのルールまで公表されています。規模に関係なく明日から真似できる形です。すべて出典と発表日つきで整理します。
生成AI活用を義務化した対象人数(2025年7月)自社発表「AIに聞く」から「AIに頼む」へ。年44.8万時間を削減、総労働時間の3.4%に到達|パナソニック コネクトの事例
パナソニック コネクトはここまで進んでいます。社内AIとのやり取りが、当初の「聞く」(質問して答えを得る)から「頼む」(作業そのものを代行させる)へと変わったことが、労働時間削減の伸びに直結しました。2023年2月に社内AIアシスタント「ConnectAI」を全社導入し、1年目に18.6万時間、2年目に44.8万時間の労働時間削減を公表。2026年には総労働時間の3.4%削減に到達し、2030年に10%削減を目標に掲げ、図面・設計仕様の照合には独自開発のAIエージェントを投入しています。すべて出典と発表日つきで整理します。
年間の労働時間削減(2024年実績)自社発表
この事例集の編集方針
AI活用の数字は、出どころによって信頼度がまったく違います。米セントルイス連銀の分析(2026年7月)では、決算説明会でAIの生産性に触れた文のうち約95%が「将来の見込み」で、実測値を出している企業は少数派でした。だからこそ、測って公表している会社を集める価値があると考えています。
- 数字には必ず出典URLと発表日を付ける。時点のない数字は載せない
- 出典を4種別(決算・年次報告/自社発表/報道/ベンダー資料)で明示する
- うまくいった点だけでなく、後退・撤退・見直しも同じ記事に書く
- 推測は「推測」と明記し、事実と分けて書く
御社の場合は、どこから始めるか
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