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メルカリ|全社員の95%がAIを活用、それでも『まだAI-Nativeとは言えない』と言い切った理由

公開 2026-08-12 / 約8

AIツールを活用している社員の割合(同社公表)

95%

出典:自社発表2025-12-25時点)

地域
🇯🇵 日本
業種
フリマアプリ・決済
AI化した領域
全社のAI活用/生産性の計測/AI活用ポリシー/プロダクト機能
出典の種別
自社発表

日本の最先端では、AI活用はここまで進んでいます。社員の95%がAIツールを使い、コード生成の約70%をAIが担い、開発スピードは前年比64%向上。メルカリが2025年12月25日の技術ブログで公表した到達点です。しかもこれは思いつきではなく、計測の土台と約100名規模の推進体制の上に積み上がっています。

この事例の要点

  • 社員の95%がAIツールを活用していると公表(2025年12月25日の技術ブログ)
  • 同じ記事で、コード生成の約70%をAIが担い、開発スピードは前年比64%向上とも公表
  • 全社のAI化を進めるAI Task Forceが2025年7月に活動を開始。全社を33ドメインに分け、総勢約100名規模
  • メルペイの開発組織は「全てのエンジニアが100%何らかのAIコーディング支援ツールを活用する」を目標に設定(2025年6月時点でCursorとCopilot合計で約8割が利用)
  • Four Keys などの開発指標を、AI本格導入の前から社内で取得していた
  • グループ全体のAI活用基本ポリシーとAIガバナンスのページを公開している
  • プロダクト側でも「メルカリAIアシスト」「AI出品サポート」「生成AIの絞り込み検索」を順に提供
  • ここまで来てなお、同社は「現在の状態をAI-Nativeだとは捉えていない」と書き、次の到達点を見据えている

どんな会社か

フリマアプリ「メルカリ」と決済「メルペイ」を運営するインターネット企業です。エンジニアが多く、もともと技術で計測する文化がある組織という点は、自社と比べるときの前提になります。

何をAI化したのか

対象は社内業務とプロダクトの両方に広がっています。

  • 全社の業務プロセス — 2025年7月に発足したAI Task Forceが、全社を33のドメインに分けて各領域のワークフローをAI化。各ドメインにエンジニア1〜2名・PjM 1〜2名をアサインし、総勢約100名規模
  • 開発組織 — メルペイでは「全てのエンジニアが100%何らかのAIコーディング支援ツールを活用する」ことを目標に設定(2025年6月時点でCursorとCopilot合計で開発組織の約8割が利用)
  • プロダクト機能 — 「メルカリAIアシスト」(2023年10月)、「AI出品サポート」(2024年9月)、生成AIによる絞り込み検索(2026年3月提供開始)
  • 横断組織 — 2023年5月に生成AI/LLMの専門チームを設置
  • ルール整備 — グループ全体のAI活用基本ポリシーとAIガバナンスのページを公開

なぜここまで進められたのか|計測の土台と約100名の推進体制

メルカリの公表値(2025年12月25日・技術ブログ)。AIツールを活用している社員は95%、開発スピードは前年比64%向上(開発領域の数字)、Four Keysなど計測の土台はAI本格導入の前から取得していた
メルカリの公表値(2025年12月25日・技術ブログ)。AIツールを活用している社員は95%、開発スピードは前年比64%向上(開発領域の数字)、Four Keysなど計測の土台はAI本格導入の前から取得していた

ここまで進んだ理由は、計測の土台と推進体制を先に用意していたからです。

1つ目は計測です。メルペイの技術ブログには「これまで社内では独自で Four Keys などを取得していましたが、新たに DX を全社で導入しました」とあります。デプロイ頻度・変更のリードタイム・変更障害率・復旧時間といった指標をAIを本格導入する前から取っていた。だから「AIを入れて何が変わったのか」を、言葉ではなく数字で示せます。逆にここが無いと、翌年の投資判断を感覚で決めることになります。

2つ目は体制です。2025年7月に発足したAI Task Forceは、全社を33のドメインに分け、各ドメインにエンジニア1〜2名・PjM 1〜2名をアサインした総勢約100名規模。ツールを配って現場に任せるのではなく、業務ごとに担い手を置いて回している構造です。

3つ目は進め方の順番です。メルペイの開発組織はまず「全てのエンジニアが100%何らかのAIコーディング支援ツールを活用する」という利用の目標を置き、あわせてグループ全体のAI活用基本ポリシーとAIガバナンスを公開しました。使ってよい範囲を先に示してから、使われる状態をつくるという順序です。

そして95%・70%・64%という数字を並べたうえで、同社は「私たちは現在の状態を“AI-Native”だとは捉えていません」と書いています。測っているからこそ、どこまで来ていてどこが足りないかを言える。伸びしろを自分で言語化できている会社だという読み方ができます。

中小企業が真似できる3点

同じ方向に踏み出すための、最初の3歩です。エンジニア組織の話に見えますが、営業・マーケでも同じことができます。

① 導入前に「今の数字」を1つだけ取る

Four Keys のような本格的な仕組みは要りません。「商談準備に何分かかっているか」を1週間だけ記録する。これだけで後から効果を言えます。逆にこれが無いと、翌年の予算を感覚で決めることになります。

② 成果の前に「利用率」を目標にする

メルペイの開発組織は「全てのエンジニアが100%何らかのAIコーディング支援ツールを活用する」を目標に置きました。まず使われている状態をつくるのは、立ち上げ期には合理的です。使われていないツールは効果を検証すらできません。営業なら「今月は全員が1回は議事録をAIに要約させる」程度の粒度で十分です。

③ ルールを先に文書化する

AI活用ポリシーとガバナンスのページを公開しています。何を入力してよいか/いけないかを決めておくだけで、現場は安心して使えます。これは1人の会社でも今日できます。

こうした「測る・使わせる・実装する」を営業やマーケの業務で回すには、その業務を理解している人が手を動かす必要があります。社内に担い手がいない場合は外部に任せる選択肢もあり、私たちAIリモートワーカーのようなサービスもその1つとして検討する余地があります。

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注意して読むべき点

  • 数字は同社の技術ブログでの公表値です。決算資料で監査された数値ではありません
  • 95%はAIツールを活用している社員の割合です。深く使い込んでいる人の割合ではありません
  • 並べて公表されている70%(コード生成)と64%(開発スピード)は開発領域の数字です。全社の生産性が同じだけ上がったという意味ではありません
  • 技術者が多く、計測文化がある組織である点は割り引いて読む必要があります
  • 「AI-Native」は目指す方針であり、同社自身がまだ達成していないと明言しています

よくある質問

Q. 社員の95%がAIを使っているのは、どう実現したのですか?

同社は全社を33ドメインに分け、総勢約100名規模のAI Task Forceを2025年7月に立ち上げています。加えてグループ全体のAI活用基本ポリシーとAIガバナンスを公開しており、使ってよい範囲を先に示したうえで推進した構造です。ツールの配布だけで到達した数字ではありません。

Q. なぜ数字を出せるのですか?

AI本格導入の前から、Four Keysなどの開発指標を社内で取得していたためです。先に測る仕組みがあったので、コード生成の約70%をAIが担い開発スピードが前年比64%向上、といった比較が後から語れます。効果を語りたい会社ほど、導入前の計測を先に用意する必要があります。

Q. 95%が使っていれば、AI活用は完成と言えますか?

95%という利用率は、日本企業のなかでは突出した到達点です。そのうえで同社は同じ記事に「現在の状態をAI-Nativeだとは捉えていない」と書いています。利用率は入口の指標であって、業務プロセスそのものがAI前提に変わったかは別の問題だという整理です。自社の目標を利用率だけに置くと、この段差を見落とします。

Q. 中小企業が最初に真似できることは何ですか?

導入前に指標を1つ決めて測り始めることです。開発指標である必要はなく、見積作成にかかる時間でも、問い合わせの一次返信までの時間でも構いません。数字が1つでも残っていれば、半年後に効果を語れる会社になります。

出典

出典と、その読み方

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