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電通デジタル|LPの改善案づくりを数日から10分に。AIを当てたのは制作ではなく「分析」だった

公開 2026-08-20 / 約6

LPの分析から改善案の作成までにかかる時間(従来は数日・同社発表)

10分

出典:自社発表2025-09-16時点)

地域
🇯🇵 日本
業種
広告・マーケティング支援
AI化した領域
ランディングページ改善/広告クリエイティブ/効果予測/デザイン・コード生成
出典の種別
自社発表

AIで制作を速くしようとすると、たいてい制作の工程にAIを入れます。この事例が示しているのは、その前に入れたほうが全体が速くなる、という順番の話です。

この事例の要点

  • ランディングページ(LP)の分析から改善案の作成までを10分に。従来は数日かかっていた工程(同社発表)
  • その後の制作・納品までのリードタイムも約40%削減
  • テキストの改善案だけでなく、デザインとコードも生成して完成イメージを共有できる
  • 金融・不動産・通信・保険などに導入し、CVRを108%〜163%改善した実績があると記載(※この表記の読み方は後述)
  • DLPOとの共同開発。2025年3月に開発し、同年9月にGPT-5搭載などのアップデート
  • リリースには「画像内の情報・数値などはイメージです」という注記がある

どんな会社か

電通グループのデジタルマーケティング支援会社です。広告の制作と運用が本業なので、社内に「LPを作って回す」工程がそのままあります。自社のサービスとして外部に提供しつつ、自社の制作工程にも当てている点がこの事例の性質を決めています。

何をAI化したのか

工程を分けて見ると、AIを当てた場所がはっきりします。

工程従来AI化後
自社と競合のLPの比較分析数日10分(改善案の作成まで)
改善案の検討・効果予測人が仮説を出すAIが複数案と予測を出す
デザイン・コーディング人が着手AIが生成し、人が品質を確認
制作・納品リードタイム約40%削減

順番が重要です。最初に手を入れたのは制作ではなく分析でした。分析と改善案づくりが数日から10分になれば、そのぶん検討の回数を増やせます。そして後工程(制作・納品)まで約40%短くなっています。

この事例の核心は「前工程を短くすると全体が短くなる」

電通デジタルの公表値。LPの分析から改善案作成は数日から10分へ、制作・納品のリードタイムは約40%削減。AIを当てたのは制作ではなく前工程の分析
電通デジタルの公表値。LPの分析から改善案作成は数日から10分へ、制作・納品のリードタイムは約40%削減。AIを当てたのは制作ではなく前工程の分析

制作を速くしたい会社は、たいてい制作にAIを入れます。ところが実務で時間を食っているのは、多くの場合「何を作るかが決まらない時間」です。

  • 競合のLPを見て、どこが違うのかを整理する
  • 改善案を出す。関係者に見せて、意見をもらう
  • どの案でいくかが決まらない

ここが数日かかると、制作の着手が数日遅れます。着手が遅れたぶんは、制作をどれだけ速くしても取り戻せません。

同社はこの前工程に当てました。しかも改善案をテキストだけで出すのではなく、デザインとコードまで生成して見せています。「文章で説明された改善案」より「動くもの」のほうが合意が速い、という当たり前の構造をAIで埋めた形です。結果として、後工程のリードタイムまで約40%短くなっています。

AIを入れる場所は、いちばん時間がかかっている工程ではなく、後ろを止めている工程です。

中小企業が真似できる3点

ツールがなくても、順番だけは真似できます。

① 「決まらない時間」を計る

制作にかかった時間ではなく、依頼から着手までの時間を1か月分だけ記録してください。ここが長い会社は、制作を速くしても納期が変わりません。

② 案を「見える形」で出す

改善案は文章で出すと止まります。ラフでも画面の形にして出す。AIで画面の案を作るのは、いま最も費用対効果が高い使い方の1つです。

③ 比較分析を型にする

競合と自社の比較は毎回同じ観点で見ます。観点をいったん書き出して指示文(プロンプト)にしてしまえば、次回から数分になります。同社が10分にしたのも、この部分の型化です。

こうした「どの工程にAIを当てるか」の判断と型化は、その業務を分かっている人が伴走しないと形になりません。当社もSEO・AIO記事の制作で同じ考え方を使っており、社内に担い手がいない場合の選択肢の1つとして検討する余地があります。

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注意して読むべき点

  • 数字は同社が自社サービスについて発表した値です。売り手が自社製品の効果を語っているため、最も慎重に読む必要があります
  • 「CVRを108%〜163%改善」は一意に読めません。「1.08〜1.63倍になった」とも「108%増えた(=2.08倍)」とも読める表記です。日本の広告業界では前者の意味で使われることが多いのですが、リリース本文では確定できません。当サイトはこの数字を代表数値に採用していません
  • CVR改善の対象期間・件数・比較方法は示されていません。「実績があります」という記載のみです
  • 「数日→10分」「約40%削減」も対象範囲が明示されていません。すべての案件がこの速度になったとは書かれていません
  • リリースには「画像内の情報・数値などはイメージです」という注記があります。掲載画面の数値は実データではありません
  • LPという成果を測りやすい制作物の話です。ブランド広告のような測りにくい領域が同じ効率になるとは限りません

よくある質問

Q. 制作のリードタイムを短くしたいとき、どこにAIを入れるべきですか?

依頼から着手までの「決まらない時間」を先に測ってください。電通デジタルは自社と競合のLPの比較分析から改善案づくり(=前工程)にAIを当てて数日を10分にし、その後の制作・納品までのリードタイムも約40%削減したと発表しています。制作工程だけを速くしても、着手が遅れたぶんは取り戻せません。

Q. 中小企業がこの事例から最初に真似すべきことは何ですか?

ツールを買うことではなく、比較分析の観点を書き出して指示文(プロンプト)に固定するところからです。同社が数日を10分にしたのも、自社と競合を見る観点を型にした部分です。あわせて、改善案を文章ではなく画面の形(ラフでも可)で出すようにすると、関係者の合意が早くなります。この2つはツールがなくても順番だけ真似できます。

Q. 「CVRを108%〜163%改善」はどう読めばいいですか?

このままでは確定できません。「1.08〜1.63倍になった」とも「108%増えた(=2.08倍)」とも読める表記で、リリース本文では判別できません。当サイトはこの数字を代表数値に採用していません。事例や提案書でこの形の数字を見たら、改善前の値・改善後の値・期間の3つを聞いてください。3つが揃わない改善率は比較に使えません。

Q. 公表された数字はどこまで信用できますか?

すべて同社が自社サービスについて発表した値で、第三者の検証を経ていません。売り手が自社製品の効果を語っている形なので、最も慎重に読む必要があります。CVR改善についても対象期間・件数・比較方法は示されておらず「実績があります」という記載のみです。リリースには「画像内の情報・数値などはイメージです」という注記もあり、掲載画面の数値は実データではありません。

出典

出典と、その読み方

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