AIに引用されるページの共通点|自社の7件を分解した【2026年版】
目次
「AI検索に引用されるコンテンツを作ってください」と言われて、いちばん困るのは、引用されたページを自分の目で見たことがないまま書き始めることだと思います。一般論としての「E-E-A-Tを高める」「一次情報を入れる」は読めるのに、自社のどのページが実際にAIに引かれたのかは分からない。だから次に何を書けばいいのかも決まらない。
当社は2026年8月末から、自社サイトがMicrosoft Copilotに引用された件数と引用されたページのURLを見られる状態にしました。そこで出てきた数字は7件です。少ないですが、少ないからこそ全件を開けて中身を突き合わせられました。
この記事は「AIに引用されるページの共通点」を、その7件と、同時期に取った3つのAIの実測から整理したものです。測り方そのものはAIO・LLMOの効果測定に、自社が推薦されない理由の診断はChatGPTが自社を推薦しない理由を実測したに分けてあります。ここでは「引かれたページには何が書いてあったか」だけを扱います。
この記事の要点
- 自社サイトのCopilot引用は、2026年8月末時点の直近6ヶ月で0件。2026年9月2日に見たときは直近30日で7件でした(Bing Webmaster Toolsの「AI Performance」)
- 引用された7件の内訳は、他社のAI活用を整理した事例ページが6件、トップページが1件。当社のサービスページと料金ページは0件です
- 引かれた6件に共通していたのは「①主語が自社ではない ②出典URLと発表日が本文にある ③見出しと本文に数字がある」の3点でした
- ただし引用と推薦は別物です。2026年9月18日に3つのAIへ同じ質問をしたところ、当社の比較記事を2回引用しながら当社を候補に挙げなかったAIがありました。同種の現象は100クエリ・323ケースの調査で69%という報告があります
- 引用が増えても売上が増えるとは限りません。当社の事例ページは28日間で16クリックある一方、サービスページは90日間でクリック0です。引用される面と受注につながる面は分けて設計する必要があります
まず事実:AIに引用された自社ページ7件の内訳

結論から言うと、引用されたのは「自社の話をしていないページ」だけでした。
Bing Webmaster Toolsには「AI Performance」というレポートがあり、Copilotやそのパートナー経由で自サイトが引用された件数と、引用されたページのURLが出ます。Google Search Consoleをインポートしてサイトを登録すれば、追加の実装なしで見られます。
当社が最初にこのレポートを開いたのは2026年8月29日でした。このときの直近6ヶ月の値は次のとおりです。
| 指標 | 値 | 期間 |
|---|---|---|
| Total Citations(引用件数) | 0 | 直近6ヶ月(2026-05-28〜) |
| Avg. Cited Pages(引用されたページ数) | 0 | 同上 |
そして2026年9月2日に同じレポートを開くと、直近30日で7件になっていました。発生日は8月27日が0件、28日が1件、29日が5件、30日が1件です。内訳は次の3ページでした。
| 引用されたページ | 件数 | ページの性格 |
|---|---|---|
| /cases/cyberagent | 5 | 他社(サイバーエージェント)のAI活用を出典つきで整理した事例ページ |
| / | 1 | トップページ |
| /cases/coca-cola | 1 | 他社(コカ・コーラ)のAI活用を出典つきで整理した事例ページ |
当社が受注のために読んでほしいのは、言うまでもなくサービスページと料金ページです。そこは0件でした。7件のうち6件は、自社の商品説明を1文字も含まない、他社の公表資料を整理しただけのページです。
数としては7件しかありません。ここから「事例ページさえ作れば引用される」と断定はできません。それでも、0件だった期間と7件になった期間で何が違ったかを見る材料にはなります。当社はこの時期に他社事例の解説ページを増やしており、増やした側だけが引かれました。
引用された6件に共通していた3つのこと
引かれた事例ページと、引かれなかったサービスページを並べて読み比べると、差は文章のうまさではありませんでした。引用しても差し支えのない形で事実が置かれているかでした。
① 主語が自社ではない
事例ページの本文は「サイバーエージェントは〜」「コカ・コーラは〜」で進みます。当社の意見が出てくるのは末尾の短い節だけです。AIが回答に貼りたいのは、ユーザーの質問に対する中立な事実なので、主語が売り手になっている文章は貼りにくい。サービスページが引かれないのは品質の問題ではなく、用途が違うということだと考えています。
② 出典URLと発表日が本文にある
当社の事例ページは、書く前に出典を先に決める形式にしています。ページ上部に出典の一覧(発表主体・資料名・URL・発表日)を置き、本文の数字にも「同社発表・2024年12月時点」のように時点を添えます。2026年9月19日時点で27本が同じ形式です。
これは思いつきではなく、外部の実証を踏まえたものです。Princeton大学らの研究(KDD 2024)では、生成エンジンの回答での可視性を上げた手法として統計の追加・出典の引用・引用句の挿入が挙げられ、最大30〜40%の向上が報告されています。AIに読ませるための特殊な記法ではなく、人が裏を取れる形にするというだけの話です。
③ 見出しと本文に数字がある
引かれたページは、見出しの時点で「8割」「約11倍」のように数字が入っています。要点の箇条書きも数字から始まります。逆に引かれなかったページは「伴走します」「定着まで支援します」のように、数字のない約束が並んでいました。
この3点は、裏を返すと明日から書き方を変えられる範囲でもあります。新しいツールも実装も要りません。
引用されても、推薦されるとは限らない
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。引用数を目標に置くと、目標を達成したのに売上が動かないという結果になり得ます。
2026年9月18日、当社の代表が3つのAIに同じ質問を投げました。質問文は「営業・マーケティングのAI化を導入支援・伴走支援してくれるおすすめの企業を教えて」です。
| AI | 当社の扱い | 出典に使われたもの |
|---|---|---|
| ChatGPT | 候補の1行目で推薦(料金と対象業務つき) | 当社サイトの料金ページ・運営者情報ページ |
| Claude | 当社の比較記事を2回引用したが、当社は候補に挙げなかった。「支援会社自身が運営する比較記事は割り引いて読む」と注記された | 当社の比較記事、大手コンサル各社、業界メディア |
| Gemini | 言及なし | note 4本、プレスリリース、他社メディア |
真ん中の行が、まさに「引用されたのに推薦されない」状態です。自社で書いた比較記事は引用源としては採用され、そこに載せた他社が推薦されました。
これは当社固有の事故ではありません。Ahrefs Brand Radarを使った100クエリの調査(2026年6月発表)では、自社発の「おすすめ○選」記事が引用された323ケースのうち224ケース(69%)で、記事を引用しながらその記事の運営ブランド自身は推薦から外し、記事内の競合を推薦していたと報告されています(出典:Search Engine Land)。
つまり自社の比較記事は、書けば書くほど競合の紹介状になり得るということです。当社は営業・マーケのAI化支援会社の比較記事をやめてはいませんが、位置づけは「推薦の獲得手段」から「読者の判断材料と検索流入」に下げました。
ここで想定される反論を先に書いておきます。「では自社の記事は無駄なのか」——無駄ではありません。ChatGPTの行を見ると、料金ページと運営者情報ページの可視テキストがそのまま使われて推薦に入っています。自社ドメインが効くAIと効かないAIがあり、効かない側を自社ドメインで殴り続けても埋まらない、というだけです。
AIごとに引用源が構造的に違う

もう一つ、7件を見て分かったことがあります。AIごとに引用するページの種類が違うので、「AI検索対策」と一括りにすると打ち手がぼやけます。
| AI | 引用源の傾向(当社の実測から) | 当社に効いたもの |
|---|---|---|
| Copilot(Bing基盤) | 自社ドメインでも事実整理型なら引く | 他社事例ページ(7件中6件) |
| ChatGPT | 料金・運営者情報などの可視テキストを直接使う | 料金の公開と運営者情報ページ |
| Gemini(Google基盤) | 第三者メディアとnoteを出典にする傾向 | 2026年9月18日時点では未到達 |
| Perplexity | 質問の型で大きく変わる。依頼先を聞く質問には弱い | 定点観測18問中8問で社名が挙がった(2026-09-17) |
Perplexityの内訳はもう少し具体的に書いておきます。2026年9月17日の観測では、18問中8問で回答本文に社名が挙がりました。一方で「LLMO対策を外注できる会社にはどんなところがありますか?費用の目安も教えて」「AIO対策・LLMO対策を支援してくれる会社はある?」のように依頼先を名指しで聞く質問では、当社は0回でした。事実の解説には呼ばれるが、発注先の候補には呼ばれない、という偏りがはっきり出ています。
外部の分析でも、ブランド推薦の重みの84〜93%は自社ドメイン外のシグナルだとされています(出典:AirOps)。自社ページの書き方は「引用されるための必要条件」であって、「推薦されるための十分条件」ではない、と整理するのが実態に近いと思います。
当社でまだ解けていないこと
正直に書きます。引用は0から7に増えましたが、そこから商談は生まれていません。
Google Search Consoleの実測(2026年9月17日取得)では、事例ページ一覧は28日間でクリック16・表示477。一方、受注に直結するページはこうなっています。
| ページ | 期間 | クリック | 表示 |
|---|---|---|---|
| 事例ページ(/cases 配下) | 28日 | 16 | 477 |
| AI導入支援のサービスページ | 90日 | 0 | 40 |
| 支援会社の比較記事 | 90日 | 0 | 63 |
| AIO・LLMO外注の記事 | 90日 | 0 | 40 |
読まれている面と、売上につながる面がずれています。これは「事例ページを作ったのが間違いだった」という話ではなく、引用を取りにいく面と、受注を取りにいく面を最初から別々に設計していなかったという設計の抜けです。
そこから得た運用の教訓を1つだけ書くなら、事実整理型のページには必ず「この事実を自社に当てはめるとどうなるか」の出口を1本だけ置くことです。当社は事例ページの末尾に、自社の状況に当てはめて考えるための導線を置く形に変えました。中立な事実で引かれたページに、いきなり売り込みを足すと引用されなくなるので、置けるのは1本までだと考えています。
なお、引用のされ方には気になる変化もあります。事例ページに届いた検索クエリの中に「法人向けに、AIネイティブなバンキングサービスを提供していて、料金が日本円(JPY)建ての銀行はどこですか?」のような、そのまま会話文の質問が実際に混じっていました。キーワードではなく文で聞かれる前提は、もう実データで見えています。
明日からできる5つの作業

ここまでを、自社サイトでそのまま実行できる形に落とします。ツールの追加購入は不要です。
- Bing Webmaster Toolsに登録して「AI Performance」を開く。Google Search Consoleからインポートできます。まず今の引用件数(たいていは0)を記録します。これが基準線になります
- 引用されているページがあれば、全件を開いて種類を分類する。自社紹介型か、事実整理型か。当社は7件中6件が事実整理型でした
- 既存の事実整理型ページに、出典URLと発表日を足す。新規作成より先にこれをやると、既存資産の底上げが早い。数字には必ず時点(「2024年12月時点」など)を添えます
- サービスページには、料金と運営者情報を可視テキストで書く。画像やPDFの中ではなく、HTMLの本文に書きます。当社の実測では、ChatGPTはここを読んで推薦文を組み立てていました
- 第三者メディアへの掲載を1件ずつ進める。自社ドメインだけでは届かないAIがあるためです。掲載できたら、そのページが検索インデックスに入っているかまで確認します(掲載されてもインデックスされていなければ引用経路に乗りません)
1〜4は自社で完結します。5だけは相手のある話なので時間がかかります。順番としては1〜4を先に終えてから5に手を付けたほうが、掲載時の評価が上がります。
数え方はAIO・LLMOの効果測定にまとめました。引用件数だけを追うと前述のズレに気づけないので、引用・推薦・流入・商談の4段に分けて置くことをおすすめします。
よくある質問
Q. 7件という数字は少なすぎて、参考になりますか?
一般化はできません。これは当社1サイトの実測で、期間も30日です。ただ「引用されたページの種類」は7件でもはっきり分かれました(事実整理型6・トップ1・サービスページ0)。件数の大小より、自分のサイトで同じ分類をやってみることに意味があると考えています。件数が0でも、0という基準線が取れます。
Q. 事例ページを量産すれば引用は増えますか?
増える保証はできません。当社の場合、引用された事例ページはいずれも出典URLと発表日を全数字に付けたもので、中身の作り込みが前提になっています。数だけ増やしたページが同じように引かれるかは検証していません。また前述のとおり、引用が増えても商談が増えるとは限りません。増やす前に「引用を何に使うのか」を決めておくほうが安全です。
Q. AI向けに書くと、人間向けのSEOと矛盾しませんか?
今回の3点(主語を事実に置く・出典と発表日を書く・数字を入れる)は、人が読むときにも裏が取れる記事になります。矛盾はしていません。矛盾が出るのは「AIに拾わせるために文章を機械向けに崩す」ときで、当社はそれはやっていません。
Q. 自社の比較記事は書かないほうがいいですか?
やめる必要はないと思います。ただし目的を書き分けてください。引用源として使われて競合が推薦される可能性は、69%という調査値が示すとおり高い。検索流入と読者の判断材料としては機能するので、当社は残したうえで、掲載基準(掲載料の有無・選定方法)を記事内に明記する運用に変えました。
Q. どれくらいで変化が見えますか?
当社の場合、0件だった状態から7件が計測されるまでに約1ヶ月かかりました。ただしこれは引用件数の話で、商談の増加はまだ観測できていません。期間を約束できる性質のものではないので、月1回の観測を続けて、増えなければ打ち手を変える、という進め方をしています。順位や引用の保証をする会社があれば、その根拠を聞いたほうがいいと思います。
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執筆・監修:佐々木 優希(AI責任者/上場企業で営業統括を経て、AIリモートワーカー代表)。本記事の数値は当社サイトのBing Webmaster Tools「AI Performance」(2026-08-29/2026-09-02確認)、Google Search Console(2026-09-17取得)、AI推薦の定点観測(2026-09-17/2026-09-18)の実測値です。外部調査は出典リンク先の発表内容に基づきます。