発注した記事がAI生成でも大丈夫か|納品後に確認する5点【2026年版】
目次
納品された原稿を読んでいて、ふと手が止まることがあります。文章は整っている。誤字もない。見出しの並びも綺麗。それなのに、読み終わって何も残らない。
「これ、AIで書いていませんか?」——そう聞きたくなったとき、多くの発注担当者が本当に知りたいのは「AIかどうか」ではありません。「このまま公開して大丈夫か」「順位が落ちたりペナルティを受けたりしないか」「お金を払う価値があるのか」の3つです。
結論から書きます。Googleは作り方を評価していません。公式ガイダンスに書いてあります。そして発注側がやるべきことは、AI利用の有無を問い詰めることではなく、納品物の中で「誰も検証していない箇所」を特定することです。
この記事は、当社が自社のメディア59本と支援先の記事を作りながら決めた確認手順を、発注側の立場に翻訳したものです。判定ツールの紹介ではありません。AI生成かどうかを機械で言い当てる方法を、当社は持っていないからです。
この記事の要点
- Googleの公式ガイダンスは、生成AIの利用そのものを違反としていない。違反になるのは「価値を足さずに大量のページを生成すること」(スパムポリシーの scaled content abuse)
- したがって発注側の確認は「AIを使ったか」ではなく、数字・一次情報・日本語・骨格・本数の5点に向ける
- 危ないのは文章の巧拙ではなく出典URLを開くと別の数字が書いてある類のずれ。当社は自社で書いた6本を公開直前に照合し、5本・計17か所のずれを見つけた
- 日本語そのものが壊れることもある。当社は廉価なモデルで対外文面を作らせ、「専門性」が「专门性」、「病院」が「疥院」になる事故を起こした
- 5点のうち3点は機械で測れる。人が読むのは最後で、先に機械を通すほど検収は速く、かつ見落としが減る
Googleは「AIで書いたか」を見ていない
まず前提を、推測ではなく原文で確認します。Google検索セントラルの「Google Search's guidance on using generative AI content on your website」(developers.google.com/search/docs/fundamentals/using-gen-ai-content・2025年12月10日更新)には、生成AIはテーマの調査やオリジナルの内容に構造を与えるときに特に役立つと書かれています。そのうえで、守るべき基準は Search Essentials とスパムポリシーだ、と続きます。
つまり公式の立場は「作り方は問わない。品質で判断する」です。記事作成代行に「AIを使っていますか」と聞いて「使っていません」という答えを得ても、それ自体はGoogleの評価とは関係がありません。
同じガイダンスには、発注側が持ち帰るべき指示も2つあります。
- 正確さ・品質・関連性に集中すること。とくに自動生成するときは、本文だけでなくタイトル・メタディスクリプション・構造化データ・画像のaltまで対象に含める、と明記されています
- 読者に文脈を与えること。どう作られたかを伝えることは読者の助けになる、と書かれています。ただしこれは「consider(検討してください)」の表現で、開示の義務ではありません
ここが実務上の分かれ目です。「AI利用を開示させるかどうか」は発注側の方針の問題であって、検索評価の問題ではない。開示させたいなら契約で決めればよく、その握り方は記事作成代行の契約で必ず決める7項目に整理しました。
危ないのはAIではなく「価値を足さない大量生成」
では何が違反になるのか。Googleのスパムポリシーには scaled content abuse という項目があり、こう定義されています。
Scaled content abuse is when many pages are generated for the primary purpose of manipulating search rankings and not helping users.
(検索順位の操作を主目的として多数のページが生成され、ユーザーの役に立っていない状態)
さらに、"no matter how it's created"(どう作られたかに関わらず)と付け加えられています。手段ではなく、独自性のない内容を大量に作ることが問題だ、という書き方です。列挙されている例の筆頭が「生成AIツール等を使って、ユーザーに価値を足さないまま多数のページを生成すること」でした(スパムポリシー)。
読み替えると、発注側が本当に警戒すべき納品物は次の形です。
| 見え方 | 実態 | 検収で気づけるか |
|---|---|---|
| 1本ずつは読める。でも全部似ている | 上位記事の骨格をなぞっただけ | 1本ずつ読む検収では気づけない |
| 数字は豊富。出典が「一般的に」「と言われている」 | 裏取りがされていない | 出典URLを開けば気づける |
| 納品ペースだけ異様に速い | 量の側に寄っている | 月次の本数で見れば気づける |
同じ方向の動きは業界側にも出ています。記事作成代行ウルトラは2026年9月、AIドラフトに人のSEOディレクターが監修を入れる「AI記事代行プラン」の提供開始を発表しました。同社のリリースは、その背景として2026年3月のGoogleスパムアップデートを挙げています(PR TIMES)。「AIを使わない」ではなく「AIの後ろに人の工程を置く」形が、発注先の標準的な答えになりつつあるということです。
だとすれば、発注側が見るべきは「AIを使ったか」ではなくその人の工程が本当に動いた痕跡が納品物に残っているかになります。以下の5点は、その痕跡を探す手順です。
確認1|数字と固有名詞は、出典URLを開いて突き合わせる
最優先はここです。順番を間違えないでください。文章の巧拙より先に、数字・社名・年月・製品名を確認します。
やることは単純で、記事に出てくる数字のうち出典が付いているものを3つ選び、そのURLを開いて同じ数字が書いてあるかを見るだけです。確認するのは数字そのものではなく、次の4点です。
- 主語:その数字は誰の実績か(調査会社か、1社の事例か、ベンダーの自社調査か)
- 分母:何に対する割合か(全社員か、対象部署か、回答者だけか)
- 時期:いつの数字か(発表日と調査実施日がずれていることが多い)
- 条件句:原文にあった「〜の企業では」「最大で」が落ちていないか
当社は自社記事で使う予定だった事例6本を公開直前に照合し、5本・計17か所のずれを見つけたことがあります。書いたのは自分たちで、出典URLも手元にあり、しかも正確に書こうと思って書いた原稿でこの結果でした。ずれの型と稟議前の問いはAI導入効果が自社で再現しない理由にまとめています。
出典が付いていない数字が多い原稿は、その場で差し戻して構いません。「出典のない数値は載せない」「他社が公表した数字を自社の実績として書かない」「引用元URLを納品時に添える」——この3つは、AI利用の可否を問わずに品質を握れる条件です。当社自身も、出典URLを確認できなかった海外の調査数字を1年近く手元に置いたまま、記事に使わずにいます。魅力的な数字ほど、出所を言えないと後で効きません。
確認2|その会社にしか書けない事実が、何か所入っているか

AIに任せたときにいちばん確実に薄くなる工程が、一次情報です。ここは能力の問題ではなく、素材が社外にないからです。
納品された原稿を1本開いて、次のどれかに当たる記述を数えてください。3か所未満なら、その記事は誰が書いても同じものになります。
- 自社の実測値(時間・件数・率・金額)
- 現場で使っている判断基準(何をもってOKとしているか)
- 失敗と、その後どう変えたか
- 顧客が実際に言った言葉
- 自社で取ったアンケート・集計
「うちには出せる数字がない」と言われることがありますが、多くの場合は取材の設計がされていないだけです。取材ゼロで社内から一次情報を作る入口は一次情報の作り方に5つ書きました。ここを埋めるのは発注側の仕事でもあります。制作側に素材を渡していないのに独自性を求めるのは、材料を渡さずに料理を頼んでいるのと同じです。
当社が記事を作るときも、この工程だけは人が動きます。実測値・判断基準・失敗談の3類型から必ず1つ以上を毎本入れる、という前提工程を置いていて、工程の全体像はSEO記事1本の制作プロセスを全公開で公開しています。
確認3|日本語そのものが壊れていないか

これは当社の失敗談です。
2026年、当社はフォーム営業の下書きを作る工程で、コストを抑えるために廉価な小型モデルを使いました。結果、長文の日本語で文字が壊れました。「専門性」が「专门性」、「飲食」が「饮食」と簡体字に化け、「病院」が「疥院」、「寄り添う」が「宮伐う」になり、住所の「平柳」が「平柱」になりました。文字コードの問題ではなく、モデルが日本語を生成するときのくせです。
始末が悪いのは、全体としては自然な日本語に見えることです。読み飛ばすと気づきません。取引先に送る文面でこれが出ると、内容の良し悪し以前に信用を落とします。当社はこの一件のあと、対外に出る日本語を生成する工程では廉価モデルを使わない、と決めました。節約は別の場所でやるしかない、という結論です。
発注側の確認としては、納品原稿で次の3つを見ます。検索機能で数十秒です。
| 見るもの | 探し方 | 意味 |
|---|---|---|
| 簡体字・繁体字の混入 | 「们」「专」「饮」「务」などで検索 | 生成時の取りこぼし |
| 固有名詞の表記ゆれ | 自社名・製品名で検索して全一致を確認 | 置換ミス・推測での補完 |
| 同じ意味の言い換えの連発 | 段落頭を拾い読み | 字数合わせのための水増し |
確認4|他社の記事と骨格が同じになっていないか
上位記事を参照して構成を作ると、見出しの並びまで似ます。人が書いてもAIが書いても同じことが起きますが、AIを使うと速く大量に起きます。
見分け方は、見出しだけを縦に読むことです。「〜とは」「メリット」「デメリット」「選び方」「まとめ」の順に並んでいたら、その記事は検索上位3本のどれかと骨格が一致している可能性が高い。読者は3本目でもう読むのをやめます。
ここはAI検索の観点でも効きます。AIの回答に引用されるかどうかは、ページの見出しが読者の問いにそのまま答えているかに寄ります。「デメリット」という見出しより「◯◯を導入して合わなかった3つのケース」のほうが、質問文との距離が近い。骨格が他社と同じということは、AIから見ても他社と区別がつかないということです。
検収では、見出しを抜き出して次の2点を見ます。
- 見出しだけを読んで、記事の結論が分かるか(「まとめ」を読まないと分からない構成は弱い)
- 競合の同一キーワード記事を1本開いて、見出しの並びが一致していないか
確認5|1本ではなく、月の本数で見る
Googleが問題視しているのは1本の記事ではなく、大量生成のほうでした。ということは、1本ずつ丁寧に検収していても、その観点は永遠に検出できません。
月次で見る数字は3つで足ります。
- 公開本数の推移:急に増えていないか。増えているなら、素材(一次情報)の供給も増えたか
- 新規記事の重複率:既存記事とキーワードが重なっていないか。同じテーマの薄い記事が並ぶのがいちばん危ない形
- 1本あたりの取材・確認時間:制作側に聞けば分かります。答えられないなら、その工程は無い
参考までに費用の目安を書いておくと、記事作成代行の相場は文字単価型で1文字1〜10円、記事単価型で1本1万〜10万円、月額の運用代行型で月10〜100万円程度です(いずれも税抜)。1本1万円を大きく下回る価格でSEO記事を継続納品できる体制は、どこかの工程を削っています。削る場所として最初に選ばれるのが、確認2の一次情報と、確認1の裏取りです。当社は月30本・月20万円(1本あたり約6,700円)で企画から入稿・レポートまで受けていますが、これは制作側にも一次情報の供給元(自社のメディア運用)があるから成立している形で、どの会社でも同じ単価にできるという話ではありません。
発注前に文字で決めておく3つ
ここまでが受け取ったあとの話です。検収を速くするには、発注前に3つだけ文字にしておきます。
- 裏取り責任の所在:AIの使用可否を問うのではなく、「記載した事実の裏取り責任は制作側にある」と書く。検証できない約束(AI禁止)より実効性があります
- 出典の納品形式:数値には引用元URLを添えて納品する、を条件にする。これがあると確認1が数分で終わります
- 一次情報の供給ルート:誰に・どの頻度で取材できるかを先に決める。ここが空欄のまま契約すると、確認2は永遠に埋まりません
3つとも、契約書の文言としての置き方は記事作成代行の契約で必ず決める7項目に書きました。発注先の選定段階から見るならBtoB記事作成代行の選び方のほうが手前の話です。
ここで必ず返ってくる反論
「AIを使っていない会社に頼めばいいのでは」
その約束は検証できません。納品物からAI利用の有無を確定させる手段が、発注側にも制作側にもないからです。当社も「100%人力です」とは言いません。下調べや下書きにはAIを使い、そのうえで人が編集し、一次情報を入れて仕上げる、と説明しています。守られているか確認できない条件を契約に入れるより、裏取り責任と出典納品を握るほうが効きます。
「確認する時間がないから外注している」
もっともです。だから5点のうち3点は機械側に寄せます。簡体字の混入・固有名詞の表記ゆれ・出典URLの有無・見出しの重複は、検索と一覧で測れます。人が読むのは、一次情報が入っているか(確認2)と、見出しが読者の問いに答えているか(確認4)の2点だけでいい。当社も自社メディアの全記事に対して、読者の反論を先に出しているか・自社の限界に触れているかを機械で一覧にして、0件の記事を洗い出す運用にしています。人の目より先に機械を通すのは、品質を保証するためではなく、人が読む対象を減らすためです。
「短時間で確認できる基準があるなら、それで順位は上がるのか」
上がりません。ここは正直に書きます。この5点は落ちる原因を減らすための確認であって、順位を上げる打ち手ではありません。当社も順位保証はしていません。支援先では初期21本の90%が10位以内に入り、難関キーワードで1位を複数取りましたが、それはテーマ選定と一次情報の供給が噛み合った結果であって、検収基準だけで再現できるものではありません。
そして、この記事で扱った5点は原稿の中の話に限られます。当社は原稿の外側で失敗しています。2026年9月2日の点検で、8月21日以降に公開した10本すべてのカード画像が規格を外れた幅で作られていたことが分かりました。本文は毎回確認し、数字も社内文書と突き合わせていたのに、画像の規格だけ誰の目にも入っていなかった。納品後に起きるこの種の失敗は記事外注の失敗事例5つにまとめています。
検収の順番|機械を先に、人は最後に

最後に手順として並べ直します。上から順にやると、1本あたり15分前後で終わります。
| 順番 | やること | 手段 | 落ちたときの扱い |
|---|---|---|---|
| 1 | 簡体字・表記ゆれの検索 | 機械(検索) | 差し戻し |
| 2 | 数字3つの出典URL突き合わせ | 人(数分) | 差し戻し |
| 3 | 見出しだけ縦読み | 人(1分) | 構成から作り直し |
| 4 | 一次情報の箇所を数える | 人(3分) | 素材を追加して再執筆 |
| 5 | 月次で本数と重複を見る | 機械(月1回) | 発注量の見直し |
順番に意味があります。1と2で落ちる原稿は、読み込むだけ時間の無駄だからです。逆に1〜4を通った原稿は、文章として多少硬くても公開して問題ありません。読者が離脱する理由は文体ではなく、知りたいことが書かれていないことのほうが圧倒的に多いためです。
よくある質問
Q. AI生成の記事を公開すると、Googleからペナルティを受けますか?
作り方だけを理由にペナルティを受けることはありません。Googleの公式ガイダンスは生成AIの利用を禁止しておらず、評価するのは内容の品質だとしています。問題になるのは、ユーザーに価値を足さないまま検索順位の操作を主目的に多数のページを生成する行為(スパムポリシーの scaled content abuse)で、これは作り方に関わらず対象になると明記されています。
Q. 納品された記事がAI生成かどうかを判定するツールはありますか?
判定を謳うツールはありますが、当社は検収に使っていません。誤判定があるうえ、仮に「AI生成」と出ても、それだけでは公開してよいかの判断材料にならないからです。判定に労力を割くより、出典URLの突き合わせと一次情報の箇所数を数えるほうが、結果に直結します。
Q. 記事作成代行に「AIを使っていますか」と聞くべきですか?
聞いてもかまいませんが、答えの真偽は確認できません。代わりに「どの工程を人がやっていますか」「数値の裏取りは誰の責任ですか」「取材は月に何回ありますか」と聞くほうが、実態が出ます。工程を説明できない会社は、工程を持っていないことが多いです。
Q. AI利用を読者に開示する必要はありますか?
義務ではありません。Googleの公式ガイダンスは、どう作られたかを伝えることは読者に文脈を与える助けになる、と「検討してください」の表現で書いています。開示するかどうかは発注側の方針で決める話で、決めたら契約に入れておくと後で揉めません。
Q. 自社に一次情報が無い場合、AI生成の記事でも成果は出ますか?
一般的な情報だけの記事は、同じ内容が無数にあるため上位にも入りにくく、AIの回答にも引用されにくくなります。ただし「一次情報が無い」と思っている会社のほとんどは、社内に材料があるのに取材の設計がないだけです。実測値・現場の判断基準・失敗談の3つは、ほぼどの会社にもあります。
Q. 検収にどれくらい時間をかけるべきですか?
1本15分前後が目安です。それ以上かけている場合は、機械で測れるものを人が読んでいる可能性があります。逆に5分未満で通しているなら、出典の突き合わせと一次情報の確認が抜けているはずです。この2つだけは省略できません。
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※本記事の外部データの出典は本文中にリンクしています(Google検索セントラルの生成AIコンテンツに関するガイダンス・スパムポリシー、記事作成代行ウルトラの新プラン発表)。当社の数値(自社メディア59本、照合6本中5本・17か所のずれ、2026年9月2日の画像規格の不備、支援先の初期21本・90%が10位以内、月30本20万円)は、2026年9月16日時点の自社運用記録と公開中のサービスページによるものです。
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執筆・監修:佐々木 優希(上場企業 営業統括 兼 AI責任者)
某有名SFA・CRM企業でエンタープライズ営業マネージャーとして大手企業への導入を推進。スタートアップではトップセールスとして営業数名から200名規模へのスケールを牽引し、現在は上場企業で営業統括とAI責任者を兼任。売る側・導入する側・AIを入れる側の3つの立場から、営業・マーケティングのAI実装を支援しています。