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AIO・LLMOの効果測定|引用を数える4つの指標と測り方【2026年版】

佐々木 優希

佐々木 優希

上場企業 営業統括 & AI責任者

12分で読めます

目次
  1. この記事の要点
  2. 「効果が分からない」の正体は、順位がないことではない
  3. 測定条件:自分のアカウントで聞いた順位は、市場の順位ではない
  4. 数える単位:「推薦」と「引用のみ」を混ぜない
  5. 4つの指標と、3週間の実測値
  6. ②の公式引用数:0→7に動いたが、引用されたのは営業ページではなかった
  7. ③「掲載しました」を成果にしない
  8. 反論:「毎回変わるものを測る意味があるのか」
  9. 当社が出せていない数字(正直に書きます)
  10. 自社で回すなら、週1・30分から
  11. よくある質問
  12. 参考

「AIO対策を始めたのですが、効果が出ているのか分かりません」

AI検索対策の相談で、いちばん多い詰まり方がこれです。検索順位のように見える数字がなく、AIの回答は聞くたびに変わります。施策はできても、報告ができない。

当社は2026年8月24日から、自社を対象にAI推薦の定点観測を続けています。3週間のあいだに一度、測り方そのものが間違っていたことも見つかりました。この記事では、その実測をもとに「何を数えるか」「どう数えるか」「何を数えてはいけないか」を整理します。

なお、そもそも自社がなぜAIに推薦されないのかという診断側の話はChatGPTが自社を推薦しない理由を実測したに、支援会社への依頼範囲と費用はAIO・LLMO対策の依頼先の見抜き方に分けて書いています。この記事は測り方だけを扱います。

この記事の要点

  • 測定条件を決めないと数字が化ける。自分のアカウントで聞いたAIの回答は、市場の回答ではない(当社は同じ質問で「1位・★5」と「圏外」を同日に観測した)
  • 数える単位は2つに割る。回答本文に社名が出た「推薦」と、出典にドメインが出ただけの「引用のみ」は、意味も対策も別物
  • 指標は4つで足りる。AI推薦率/Bingの公式引用数/第三者掲載のインデックス済み件数/未参戦クエリの数
  • 自社の実測では、3週間でPerplexityの推薦が2/5→8/12に、Bingの公式引用が0→7件に動いた。ただし伸びたと言えるのは1エンジンだけ
  • 1回の結果で判断しない。同じ質問が3週間で✅→❌→✅と動いた記録がある

「効果が分からない」の正体は、順位がないことではない

AI検索対策が測りにくい理由は、順位表示がないことだと思われがちですが、実務で詰まるのはもっと手前です。測る条件を決めていないので、同じ質問なのに数字が毎回変わってしまうことのほうが深刻です。

対策そのものが空振りしやすい構造もあります。AI推薦での言及の重みは、84〜93%が自社ドメインの外にあるシグナルで決まるという分析があります(AirOps, The Influence of Offsite Signals in AI Search)。つまり自社サイトをいくら直しても、動くのは1割前後です。動きが小さいものを、ぶれの大きい方法で測っている——これが「効果が分からない」の中身です。

だから順番は、施策より測定条件が先になります。

測定条件:自分のアカウントで聞いた順位は、市場の順位ではない

当社が最初につまずいたのがここです。2026年8月26日、代表が自分のChatGPTアカウントの通常チャットで「営業・マーケのAI化を支援するおすすめ企業は」と聞くと、当社が1位・評価★5で返ってきました。同じ質問を一時チャット(メモリ無効)で聞くと、圏外でした。

過去のやり取りを覚えているAIは、こちらの望む答えを返します。自社に甘い数字が出たときほど、条件を疑う必要があります。

条件決めたこと理由
アカウントChatGPT・Geminiは一時チャット必須メモリが過去の会話を参照して順位が化ける
質問文番号付きで固定して使い回す文言を変えると前回と比較できない
測定日4つのAIを同じ日に回す日をまたぐとAI側の更新と区別がつかない
記録点数ではなく回答本文を残す落ちた理由は本文にしか書かれていない

回答本文を残すのは手間ですが、当社が減点理由(会社概要が確認できない・社名の似た別法人と混同されている)を特定できたのは、点数ではなく本文を読んだからでした。ここは自動化しないほうが早い工程です。

数える単位:「推薦」と「引用のみ」を混ぜない

次に決めるのが、何をもって1件と数えるかです。当社は2段階に割っています。

  • ✅推薦=回答の本文に社名が挙がった(これが本命の指標)
  • △引用のみ=出典としてドメインが出ただけで、推薦はされていない
AI推薦の判定を推薦・引用のみ・未出現の3区分に分けた表(✅推薦は回答本文に社名/△引用のみは出典にドメインが出ただけ/❌は未参戦のクエリ面)
AI推薦の判定を推薦・引用のみ・未出現の3区分に分けた表(✅推薦は回答本文に社名/△引用のみは出典にドメインが出ただけ/❌は未参戦のクエリ面)

この区別は理屈ではなく、実測から必要になりました。自社発の記事は「引用はされるが推薦はされない」ことが起きます。Ahrefs Brand Radarを使った調査でも、自社発の「おすすめ○選」記事が引用された323ケースのうち224ケース(69%)で、AIは記事を引用しながら、その記事の運営ブランド自身は推薦から外し、記事内の競合を推薦していましたSearch Engine Land)。

引用数だけを追いかけると、競合を推薦させながら「成果が出ています」と報告することになります。分けて数えてください。

4つの指標と、3週間の実測値

当社が置いている指標は4つです。実測値も一緒に出します。

指標何を数えるか当社の実測
①AI推薦率固定した質問のうち、回答本文に社名が出た割合Perplexity 2/5(8/25)→ 8/12(9/09)
②公式引用数Bing Webmaster Toolsの「AI Performance」のTotal Citations0(8/29・6ヶ月)→ 7(9/02・30日)
③第三者掲載掲載できた数ではなく、検索インデックスに入った数5件中1件(9/02時点)
④未参戦クエリ4つのAIすべてで社名が出ない質問の数12問中3問が全敗のまま
AIO・LLMOで数える4つの指標と当社の実測値(AI推薦率8/12・Bingの公式引用7件・第三者掲載のインデックス済み1/5・4つのAIすべてで社名が出ない未参戦クエリ3問)
AIO・LLMOで数える4つの指標と当社の実測値(AI推薦率8/12・Bingの公式引用7件・第三者掲載のインデックス済み1/5・4つのAIすべてで社名が出ない未参戦クエリ3問)

①は自社で数える記録、②は第三者(Microsoft)が数えている証拠、③は経路が通ったかの確認、④は次に何をするかの入口です。役割が違うので、1つに合算しないでください。

①の推移は次のとおりです。同じ12問を同じ条件で投げています。

測定日Perplexityで推薦された質問数
2026-08-252/5
2026-08-265/12
2026-08-315/12
2026-09-098/12

ここで注意すべきは、質問1本ずつを見ると一直線には動いていないことです。「営業・マーケのAI化を支援してくれるおすすめ企業は」という質問は、8月26日は✅、8月31日は❌、9月9日は✅でした。1回の結果で判断すれば、施策の評価は真逆になります。割合で見て、日をまたいで見る。これが最低条件です。

②の公式引用数:0→7に動いたが、引用されたのは営業ページではなかった

Bing Webmaster Toolsの「AI Performance」は、Copilotなどが自社ページを引用した回数をMicrosoft側が数えているレポートです。自社の主観が入らない唯一の数字なので、社内報告にはこれを使っています。

  • ベースライン(2026-08-29確認):直近6ヶ月で0件
  • 1ヶ月後(2026-09-02確認):直近30日で7件
  • 引用されたページ:他社のAI活用事例を解説したページが6件、トップページが1件

注目すべきは引用されたページの中身です。サービスページでも料金ページでもなく、公開情報を出典つきで整理した他社事例の解説ページでした。売り込む文章ではなく、事実を整理した文章が引かれています。この傾向が続くなら、次に増やすべきページの種類も自動的に決まります。指標が次の打ち手を指すのが、良い測り方の条件です。

一方で、このレポートには弱点があります。Grounding Queries(どんな質問で引用されたか)は「No data available」のままで、当社はまだ一度も見られていません。引用されたことは分かっても、理由は分からない。ここは①の手動観測で埋めるしかありません。

③「掲載しました」を成果にしない

外部メディアへの掲載は、AIO対策の中心的な施策です。ただし掲載=成果ではありません。検索インデックスに入っていなければ、AIの引用経路には乗らないからです。

当社が掲載した5ページを2026年9月2日に確認した結果は、Googleに収録されていたのが1ページ、Bingに収録されていたのは0ページでした。掲載から1週間が経っていても、この状態です。

「5媒体に掲載しました」と報告できてしまうところを、「インデックス済み1件」と報告する。この1行の差が、翌月の打ち手を変えます。

反論:「毎回変わるものを測る意味があるのか」

もっともな疑問です。実際、同じ質問が3週間で✅→❌→✅と動いています。これを1件ずつ追いかけるのは無意味です。

意味があるのは、固定した質問セット全体の割合と、自社以外が数えている数字の2つだけだと考えています。前者は施策の方向が合っているかを見るため、後者は社内・社外に出せる証拠にするため。個別の質問の結果は、順位ではなく回答本文を読むための入口として扱います。

当社が出せていない数字(正直に書きます)

この記事は測り方の話なので、当社の測定の穴も書いておきます。

  • 記事作成代行の分野では、4つのAIすべてで社名が出ません。「SEO記事作成代行でおすすめの会社は?」は、8月26日も9月2日も9月9日も全敗のままです。この記事はその記事作成代行を提供している側が書いています
  • 推薦率が伸びたと言えるのはPerplexityだけです。ChatGPT・Geminiで社名が出たのは「料金が公開されている会社は」「ブランド名の評判」の2問だけで、そこから増えていません
  • 費用相場・成果報酬という2つの質問も全敗のままです。当社は成果報酬型の支援を実際に提供していますが、その質問では一度も出ていません

この3つを隠して「推薦率が2/5から8/12に伸びました」とだけ報告することはできます。ですが、エンジンを絞れば数字は作れるという事実は、依頼する側が知っておくべきものです。効果報告を受け取る立場になったら、測定に使ったAI・アカウント条件・質問文の3点を必ず確認してください。

自社で回すなら、週1・30分から

最後に、外注せずに始める場合の最小の手順です。

  1. 質問を10〜12本、文言ごと固定する(自社を名指しする質問は1本だけ。残りは買い手が実際に打つ言い方にする)
  2. 一時チャットで、同じ日に4つのAIへ投げる(ChatGPT・Gemini・Claude・Perplexity)
  3. ✅推薦/△引用のみ/❌で記録し、回答本文をそのまま保存する
  4. 月1回、Bing Webmaster ToolsのAI Performanceを開く(GSCからインポートできるので登録は数分です)
  5. 外部掲載は、掲載日ではなくインデックス確認日を台帳に書く
AIO・LLMOの効果測定を自社で回す週1・30分の5ステップ(質問を固定→一時チャットで同日に4AIへ→3区分で記録し本文を保存→月1回Bingを確認→外部掲載はインデックス確認日を記録)
AIO・LLMOの効果測定を自社で回す週1・30分の5ステップ(質問を固定→一時チャットで同日に4AIへ→3区分で記録し本文を保存→月1回Bingを確認→外部掲載はインデックス確認日を記録)

1〜3で30分ほどです。慣れてきたら1〜2は自動化できますが、回答本文を読む工程だけは人に残してください。当社が対策を特定できたのは、毎回そこからでした。順位が上がらない原因の切り分けと同じで、数字より先に読むものがあります(記事の検索順位が上がらない5つの原因)。

よくある質問

Q. AIO・LLMOの効果測定に使えるツールはありますか?

有料の順位計測ツールも出てきていますが、無料で始めるならBing Webmaster Toolsの「AI Performance」が第一選択です。Microsoft側が引用回数を数えているため自社の主観が入らず、Google Search Consoleからプロパティをインポートできます。当社もここをベースラインに使いました。

Q. どれくらいの期間で数字は動きますか?

当社の場合、Bingの公式引用は0→7に動くまでに、最初の対策から約1ヶ月かかりました。手動観測での推薦率は3週間で2/5→8/12に動いていますが、1エンジンだけの数字です。1〜2週間で全エンジンが動くことは期待しないほうが安全です。

Q. Google Analyticsでは測れないのですか?

AIの回答内にリンクが出てクリックされた場合は参照元として記録されますが、回答の中で用が済めば訪問は発生しません。引用されたこと自体はアクセス解析に現れないので、引用数はBing側のレポート、手動観測、外部掲載のインデックス状況で押さえる必要があります。

Q. 測定は自動化できますか?

できます。ただし手作業で3回ほど回してからにしてください。質問文の言い回しを1語変えるだけで結果が変わるため、固定すべき文言が手で回す前には決まりません。当社も最初の2週間は手で記録していました。

Q. 支援会社に効果報告をもらっていますが、何を確認すればいいですか?

測定に使ったAI・アカウント条件(一時チャットかどうか)・質問文の3点です。この3つが揃っていない報告は、比較のしようがありません。特にアカウント条件は盲点で、当社自身が「1位・★5」と「圏外」を同じ日に観測しています。

参考

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執筆・監修:佐々木 優希(上場企業 営業統括 兼 AI責任者)

某有名SFA・CRM企業でエンタープライズ営業マネージャーとして大手企業への導入を推進。スタートアップではトップセールスとして営業数名から200名規模へのスケールを牽引し、現在は上場企業で営業統括とAI責任者を兼任。売る側・導入する側・AIを入れる側の3つの立場から、営業・マーケティングのAI実装を支援しています。

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