法人向けAI eラーニングの料金|ID課金・人数レンジ・無料枠の読み方【2026年版】
目次
法人向けのAI eラーニングを3社から見積もると、どれも「1IDあたり月1,500円前後」に見えます。ところが1年分の支払額を出してみると、数十万円の差がつくことがあります。さらに、半年後に実際にログインしている人数で割り直すと、1人あたりの単価が見積もりの2倍を超えていることもあります。
原因は価格そのものより、価格の「単位」がそろっていないことです。税込と税抜、年額と月額、最低ID数と最低期間、人数レンジのかかり方。ここをそろえずに「月◯円」を横に並べても比較になりません。
この記事は、運営者(AIリモートワーカー)が自社で営業向けのAI eラーニング「営業マーケAIスクール」の料金を決めたときに、他社30社以上の料金表を読み込んだ記録をもとにしています。どの会社を選ぶかではなく、料金表の読み方に絞りました。発注先ごとの比較は営業向けAI研修の比較に、助成金の話はAI研修の助成金に分けています。
この記事の要点
- 法人向けeラーニングの1IDあたり月額は、月83〜500円/月1,000〜2,000円/月3,000〜10,000円の帯に分かれる。総合カタログ型は月1,500〜1,700円に集中している
- 比べる前にそろえるのは4点。税込か税抜か/年額・半年額の月割り/初期費用/最低ID数×最低期間=最低いくら払うか
- 人数レンジの単価は「全IDにかかる」方式と「超えた分だけ」の方式がある。全IDにかかる方式だと、境目の1人を足したほうが月額が下がることがある
- 本当の単価は、支払額を実際に使い始めた人数で割って出す。30IDで半分しか開かなければ、1,800円は3,600円になる
- 無料枠は日数ではなく、何が無料か(本編か、管理画面か)で読む。法人の意思決定に要るのは管理画面のほう
相場|1IDの月額は3つの帯に分かれている

結論から書くと、「AI eラーニング」と呼ばれている商品は、1IDあたりの月額でおおむね3つの帯に分かれます。
| 帯 | 1IDあたり月額 | 例(2026年9月時点・公開情報) | どんな商品か |
|---|---|---|---|
| 安値帯 | 月83〜500円 | AirCourse 月120〜500円(人数帯別・年契約)/Cloud Campus 月83円〜(同社コラムの記載) | 自社で教材を作る仕組み+既製の講座 |
| 中央帯 | 月1,000〜2,000円 | Udemy Business 年18,100円(月約1,508円)/Schoo 月1,650円(比較サイトの記載)/グロービス学び放題 6ヶ月11,550円(税込・月約1,925円) | 数千〜数万本の総合カタログ見放題 |
| 上位帯 | 月3,000〜10,000円 | Udemy Business チーム 年38,000円(月約3,167円)/生成AI講座に特化したマーケ系 月7,000〜10,000円(比較サイトの記載) | 少人数プランや、職種・テーマを絞った商品 |
総合カタログ型は月1,500〜1,700円に強く集中しています。ここが実質的な相場です。
もう1つ知っておくと話が早いのは、同じ「AI研修」でも、集合研修や講師派遣は1人あたり数万〜数十万円の都度課金で、eラーニングとは別の市場として値付けされていることです。営業特化の生成AI研修でも、1名2万円から、半日1人15万円まで幅があります。eラーニングの見積もりと集合研修の見積もりを同じ表に入れると、どちらかが極端に安く(高く)見えて判断を誤ります。
なお、料金を公式サイトで公開している事業者は3割程度という調査があります(dotpro 2026年6月)。当社が調べた範囲でも、生成AIに特化した研修事業者はほとんどが「要問い合わせ」でした。比較サイトの数字は二次情報なので、商談で違う数字が出てくる前提で使ってください。
「月◯円」を並べる前に、同じ物差しにそろえる4点
見積もりを比べるときは、次の4点を1行ずつ埋めてから並べます。
| そろえる項目 | よくある表記の違い | そろえ方 |
|---|---|---|
| ① 税込か税抜か | 税抜表記の会社と、税込表記の会社が混在している | どちらかに統一する。グロービスの11,550円は税込なので、税抜にすると10,500円 |
| ② 月額か年額か | 「年18,100円/ID」「6ヶ月11,550円/ID」「月1,650円/ID」 | すべて月割りにする。年額は÷12、半年額は÷6 |
| ③ 初期費用 | 0円の会社と、数万〜数十万円の会社がある | 1年分の総額に足してから月割りにする |
| ④ 最低ID数×最低期間 | 「最低20ID・1年」「10ID以上・6ヶ月」「1名から・単月可」 | 最低いくら払うかを出す(下の表) |
一番見落とされるのが④です。単価ではなく、契約した瞬間に確定する金額を出すと、会社ごとの違いがはっきりします。

| サービス | 最低条件 | 最低支払額(計算) |
|---|---|---|
| AirCourse(コンテンツプラス・月間契約) | 1名から・単月可 | 月600円×1名×1ヶ月=600円 |
| グロービス学び放題(標準) | 10ID以上・6ヶ月 | 11,550円×10ID=115,500円(税込) |
| 営業マーケAIスクール(当社・6ヶ月契約) | 10ID以上・6ヶ月 | 1,980円×10ID×6ヶ月=118,800円(税抜) |
| 営業マーケAIスクール(当社・12ヶ月契約) | 10ID以上・12ヶ月 | 1,800円×10ID×12ヶ月=216,000円(税抜) |
| Schoo for Business | 20ID以上・1年(比較サイトの記載) | 1,650円×20ID×12ヶ月=396,000円(税抜) |
月額はほぼ同じ帯なのに、最低支払額は600円から約40万円まで開きます。「まず5人で試したい」会社にとって、最低20IDの契約は5人分の3.5倍を払うことになります。単価の安さより、最低条件が自社の人数に合うかを先に見てください。
人数レンジの境目で起きること
多くの料金表は「◯〜◯名は1ID◯円」という人数レンジで単価が下がります。ここで確認したいのは、下がった単価が全IDにかかるのか、超えた分だけにかかるのかです。
当社の料金は、全IDに同じ区分の単価をかける方式です(例:40IDなら全IDが1,500円)。この方式だと、境目で逆転が起きます。
| 契約ID数 | 単価(12ヶ月契約) | 月額(税抜) |
|---|---|---|
| 30ID | 1,800円 | 54,000円 |
| 31ID | 1,500円 | 46,500円 |
30人で契約するより、31人で契約したほうが月7,500円安い。当社が自分の料金表で計算して気づいたことで、隠すつもりはないので書いておきます。境目の少し手前で見積もりを取ったら、1人足した場合の金額も出してもらってください。
逆に「超えた分だけ新しい単価」の方式なら、この逆転は起きません。そのかわり、人数を増やしても全体の単価はゆっくりしか下がりません。どちらが得かは人数次第なので、方式を聞かずに単価だけ比べるのが一番危ない、というのがここでの結論です。
もう1つ、人数の数え方も確認してください。当社の場合、退職や異動で受講者を入れ替えるのは契約ID数の範囲内でできますが、契約期間の途中でID数を減らすことはできません。1IDが「人」ではなく「席」として数えられているかどうかで、異動の多い営業組織では実際の費用が変わります。
本当の単価は「使い始めた人数」で割る

見積書の単価は、全員が使う前提の数字です。実際の単価は、支払額を「実際に使い始めた人数」で割ったものです。
30IDで月54,000円(1ID 1,800円)の場合で計算すると、こうなります。
| 使い始めた人の割合 | 使い始めた人数 | 1人あたりの実際の単価 |
|---|---|---|
| 80% | 24人 | 2,250円 |
| 50% | 15人 | 3,600円 |
| 30% | 9人 | 6,000円 |
半分しか開かなければ、中央帯の商品を買ったつもりで上位帯の単価を払っていることになります。
ここで出てくる反論は「それなら安値帯を選んで、使われなくても損を小さくすればいい」です。金額だけ見ればその通りです。ただ、実際に失うのは月数万円ではありません。配った担当者が「うちの営業はAIを使わない」という結論を持ってしまうことのほうが大きい。私自身、上場企業のAI責任者として現場に活用動画を配ったとき、「見る時間がない」と言われて慣れたやり方に戻られた経験があります。そのあと「もう一度やろう」と言い出すには、1回目の何倍も説明が要りました。
ですから、単価の比較と同じくらい、開いた人・使い始めた人の割合を契約前に測れるかを見てください。費用を「届く人数×届き続ける月数」で割り戻す考え方は、AI研修が「意味ない」と言われる理由で詳しく書いています。
無料枠は「日数」ではなく「何が無料か」で読む
無料枠は、よく見かける形がだいたい決まっています。
| 無料枠の形 | 例 | 無料で分かること | 無料では分からないこと |
|---|---|---|---|
| 2週間前後の無料トライアル | グロービス学び放題・Smart Boarding(14日間) | 画面の使い勝手、講座の質 | 2週間で終わるので、続くかどうか |
| 30日のフリープラン | AirCourse(標準18コース) | 一部コースの中身 | 全講座と、会社全体での使われ方 |
| 本編の常時無料 | Salesforce Trailhead | 教材のすべて | 部署で誰が何に使ったか |
| 資料・セミナー・診断のみ | 生成AI特化の研修事業者の多く | 考え方と価格帯 | 実際の教材 |
法人で決めるときに必要なのは、教材の中身よりも「配ったら何人が開き、何に使うと決めたか」が管理画面で見えるかです。ところが、この管理画面の部分は無料枠の外にあることが多い。無料で教材を全部見られても、会社として続けるかどうかの判断材料は手に入らない、ということが起きます。
当社のスクールは、個人なら登録なしで全章を無料で読めます。一方で法人の管理画面つきの試用は有料で、30日試験導入が50,000円(税抜・30名まで・自動更新なし)です。「2週間無料で全機能」の会社と比べると、ここは当社が不利な点です。有料にしている理由は、開始前に成功条件と撤退条件を書面で決めて、30日後に数字で判定するところまでを試用に含めているからですが、無料で試したい会社に向かないのは事実です。無料枠の使い分けは無料のAI研修はどこまで使えるかに書きました。
本体の外に出る費用|更新・止まったとき・オプション
1IDの単価の外に、あとから効いてくる条件が3つあります。
1. 自動更新と、更新時の単価
年契約の多くは、満了前に通知しなければ同じ条件で自動更新されます。当社の契約書も、満了日の14日前までに通知がなければ同じ期間・ID数で更新し、単価は更新時点の公開価格を使う定めです。解約通知の期限と、更新時に単価が変わるかどうかは、契約前に確認しておくべき項目です。
2. 止まったときの扱い
これは当社の失敗から書きます。2026年9月19日、スクールの動画の配信先が月間の転送量の上限を超えて止まり、全動画が再生できなくなりました。配信の仕組みを移して戻しましたが、利用者から見れば「開いたら動画が出ない」状態です。当社の契約書では、障害による中断で利用料を減額する約束はしていません。返金の条件は会社ごとに違いますが、返金があっても失った時間は戻りません。だからこそ、聞くべきは返金の有無より止まったときに何で知らせ、何日で戻すのかです。
3. オプション
自社の業務を題材にした教材や、ライブの質疑は、本体とは別料金になっていることがほとんどです。当社の場合、専用動画が1本30,000円、月例ライブQ&Aが1回100,000円(月1回まで)で、どちらも法人プラン契約者向けの都度課金です。本体の単価が安くても、欲しいものがオプション側にあれば総額は変わります。
見積もりをもらったら聞く6つの質問

どの会社を選ぶ場合でも使えるように、料金の構造だけに絞った質問です。
- その価格は税込ですか、税抜ですか。月額換算するといくらですか
- 最低ID数と最低期間で、最低いくら払いますか(初期費用も含めて)
- 人数レンジの単価は全IDにかかりますか、超えた分だけですか
- 契約期間の途中で、IDを減らしたり入れ替えたりできますか
- 自動更新ですか。解約の通知はいつまでですか。更新時に単価は変わりますか
- 配信が止まったとき、どう知らせて、どのくらいで戻しますか
3と4は、見積書に書いていないことが多い項目です。答えを見積書の余白に書き込んでから比べると、社内の稟議でも説明がしやすくなります。
当社の料金が合わない会社
最後に、料金の構造から見て当社が向かない会社を書いておきます。
- 10名未満で試したい会社:最低10IDなので、5名なら5名分多く払うことになります
- 30名以下で、単価の安さを最優先する会社:30IDまでは1ID 1,800円で、総合カタログ型の中央(月1,500〜1,700円)より高めです。単価が下がるのは31ID以上からです
- 月単位で契約したい会社:契約は12ヶ月か6ヶ月(単価+10%)で、期間途中の解約はできません
- 全社員向けに幅広い講座をそろえたい会社:当社は営業・マーケの業務だけに絞っています
逆に、営業・マーケの部署で「配ったあと、誰が何に使うと決めたか」まで数字で見たい会社には、単価以上の差が出るように作っています。料金表はすべて営業マーケAIスクールの法人向けページで公開しています。
よくある質問
Q. 法人向けAI eラーニングの料金相場はいくらですか?
1IDあたり月額で、安値帯が月83〜500円、中央帯が月1,000〜2,000円、上位帯が月3,000〜10,000円です。総合カタログ型の見放題は月1,500〜1,700円に集中しています。集合研修や講師派遣は1人数万〜数十万円の都度課金で、別の市場として値付けされているので、同じ表に入れないでください。
Q. ID課金と、会社単位の定額はどちらが得ですか?
人数で決まります。会社単位の定額は、人数が増えるほど1人あたりが安くなり、少人数だと割高です。ID課金は少人数でも無駄が出にくい一方、全社に広げると総額が膨らみます。どちらの場合も、最後は「実際に使い始めた人数」で割って比べてください。
Q. 年契約と6ヶ月契約、どちらを選ぶべきですか?
初めて入れるなら、まず短い期間か試用で「何割が使い始めるか」を測ってから決めるのが安全です。当社の場合、6ヶ月契約は単価が10%上がりますが、10IDで比べると最低支払額は12ヶ月契約の216,000円に対して118,800円です。使われるかどうか分からない段階で、単価の10%より最低支払額の差のほうが大きく効きます。
Q. 無料トライアルだけで導入を決めてもいいですか?
教材の質を見るには十分ですが、会社として続けるかどうかは決めにくいです。2週間の無料期間では、配ってから使い始める人が増える前に終わってしまうことがあります。試す前に「何割が使い始めたら続けるか」を決めておき、その数字が管理画面で見られる試し方を選んでください。
Q. 見積もりの単価を下げてもらう交渉はできますか?
会社によります。ただ、単価を下げてもらうより、最低ID数・最低期間・人数レンジの方式を自社に合わせてもらうほうが、総額への効き方は大きいことが多いです。当社は料金をすべて公開しており、個別の値引きはしていません。例外は、契約期間分の一括前払いと社名を出した導入事例の掲載に両方ご協力いただく場合の5%割引(各サービス先着3社)だけです。
Q. 助成金を使うと料金はどう変わりますか?
2026年8月の改正で、汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ研修は対象外になるなど、条件が細かく決まっています。対象になるかどうかで総額が変わるので、助成金を前提に単価を比べないでください。詳しくはAI研修の助成金にまとめています。
参考文献
- AirCourse 料金プラン https://aircourse.com/price/
- Udemy Business 料金(ベネッセコーポレーション) https://www.benesse.co.jp/udemy/business/price/
- グロービス学び放題 プラン https://gce.globis.co.jp/service/hodai/plan/
- Schoo for Business 料金(ITトレンド・比較サイトの記載) https://it-trend.jp/e_learning/11247/price
- Smart Boarding https://smartboarding.net/
- Cloud Campus コラム https://cc.cyber-u.ac.jp/column/10030/index.html
- Salesforce Trailhead https://trailhead.salesforce.com/ja/
- 生成AI研修の価格帯(比較記事の記載) https://business-ai.jp/common/generative-ai-training/
- AnataAI 営業向けAI活用研修 https://anataai.com/service/sales-ai-training/
- 課題解決プラットフォーム 営業部門の生成AI活用研修 https://0120.co.jp/blog/ai-training-157/
- dotpro「AI研修の費用相場」(2026年6月) https://dotpro.net/lab/articles/ai-training-cost/
※他社の価格は2026年9月時点の公開情報です。比較サイトの記載は二次情報のため、最終判断の前に各社へご確認ください。
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執筆・監修:佐々木 優希(上場企業 営業統括 兼 AI責任者)
某有名SFA・CRM企業でエンタープライズ営業マネージャーとして大手企業への導入を推進。スタートアップではトップセールスとして営業数名から200名規模へのスケールを牽引し、現在は上場企業で営業統括とAI責任者を兼任。売る側・導入する側・AIを入れる側の3つの立場から、営業・マーケティングのAI実装を支援しています。