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顧客対応の8割をAIサービス担当が処理、年約17億回|中国平安保険(Ping An)の事例

公開 2026-10-23 / 約8分

平安グループの顧客対応量のうち、AIサービス担当が処理した割合(2025年・対応量は約17億200万回)。2025年決算発表・2026年3月26日

80%

出典:決算・年次報告(2026-03-26時点)

地域
🇨🇳 中国(海外)
業種
保険・金融
AI化した領域
顧客対応/コンタクトセンター/営業支援/社内AI基盤/業務効率化
出典の種別
決算・年次報告/報道

顧客からの問い合わせや手続きの大半を、AIが受け持つ会社があります。中国の保険・金融大手、平安保険グループ(Ping An)は、2025年にAIサービス担当の対応量が約17億200万回に達し、グループ全体の顧客対応量の80%を占めたと決算で発表しました(2025年決算発表・2026年3月26日)。同じ発表では、AIエージェントが関わった販売が約1,332億元、社内のAIエージェント基盤を使った従業員が23万人超とされています。2026年上半期には、AIサービス担当の比率が81%に上がりました(2026年中間決算のQ&A・2026年9月22日)。

この事例の要点

  • 2025年、AIサービス担当の対応量は約17億200万回で、グループ全体の顧客対応量の80%(2025年決算発表・2026年3月26日)
  • 2026年上半期は約9億3,900万回・81%。半年で前年の半分を超える水準(2026年中間決算のQ&A・2026年9月22日)
  • 販売面では、AIエージェントが関わった販売が2025年に約1,331億7,900万元、2026年上半期に約573億1,300万元(同)
  • 社内では23万人超の従業員がAIエージェント基盤を使い、7万本超のAIエージェントのアプリをつくり、AIモデルを年36億5,000万回呼び出した(2025年)
  • 生命保険の契約の94%が数秒で引受審査を完了、自動車ディーラー経由の自動車保険の93%が平均1分以内に発行(2025年)

どんな会社か

平安保険グループは、中国・深圳に本拠を置く保険・銀行・資産運用・ヘルスケアの総合金融グループです。2025年末時点で個人顧客は2億5,100万人、営業網は全国330都市・7,000超の拠点、営業担当(専属と非専属)は130万人超と発表しています(2025年決算発表)。

経営方針として「AI in ALL」を掲げ、技術に毎年100億元超を投じていると説明しています(2026年中間決算のQ&A)。

何が課題だったのか

公表資料から読み取れる課題は(推測を含みます)、2億人を超える個人顧客の問い合わせ・手続きを、人の数に比例させずにさばくことです。保険・銀行・ヘルスケアにまたがるため、顧客が触れる窓口やアプリも分かれがちです。

2026年中間決算のQ&Aでは、金融・ヘルスケアでの「複雑さ・時間の負担・コストの非効率」を顧客の不満として挙げ、2026年を「サービスの年」と位置づけています。

何をAI化したのか

領域内容時点
顧客対応AIサービス担当が約17億200万回対応し、顧客対応量の80%を占める2025年
顧客対応同、約9億3,900万回・81%2026年上半期
販売AIエージェントが関わった販売が約1,331億7,900万元2025年
販売(契約の復活)「AI+人」で復活手続きの担当を割り振る仕組みで、失効した保険の復活件数が30%増2025年
窓口の統合「Express Service」に300超のデジタル手続きをまとめ、業務場面の88%でAIが問い合わせ・相談・手続きに対応2026年上半期
引受・発行生命保険の94%が数秒で引受審査、自動車ディーラー経由の自動車保険の93%が平均1分以内に発行2025年
社内のAI基盤23万人超が利用、AIエージェントのアプリ7万本超、AIモデル呼び出し年36億5,000万回2025年

なぜここまでできたのか|「体験・リスク・コスト・販売」の4つで成果を毎年数える

平安保険グループの公表値。AIサービス担当が処理した顧客対応の割合 80%(2025年・約17億200万回)→81%(2026年上半期・約9億3,900万回)/AIエージェントが関わった販売 約1,332億元(2025年)/社内のAIエージェント基盤の利用者 23万人超(2025年)
平安保険グループの公表値。AIサービス担当が処理した顧客対応の割合 80%(2025年・約17億200万回)→81%(2026年上半期・約9億3,900万回)/AIエージェントが関わった販売 約1,332億元(2025年)/社内のAIエージェント基盤の利用者 23万人超(2025年)

この事例の特徴は、AIの成果を「体験の改善・リスク管理・コスト削減・販売の促進」の4つの枠で、決算のたびに同じ形で報告していることです。顧客対応のAI比率はコスト削減、AIエージェントが関わった販売は販売の促進、と置き場所が決まっているため、年ごとの変化を追えます。

もう1つは、顧客向けのAIと社内向けのAIを両方そろえていることです。顧客の窓口ではAIサービス担当が対応の8割を受け持ち、社内では23万人超がAIエージェント基盤を使ってアプリをつくっています。顧客対応だけ、社内効率化だけ、ではなく両輪で数字を出しています。

日本の中小企業が真似できる3点

① 問い合わせのうち、AIが受け持った割合を数える。 平安保険は「件数」と「全体に占める割合」を並べて出しています。電話・メール・チャットの問い合わせのうち、どれだけをAIや自動応答で返せたかを月ごとに数えるだけでも、改善の手がかりになります。

② AIの成果を、決まった枠で毎回報告する。 「時間が減った」「売上に効いた」「ミスが減った」など、置き場所を先に決めておくと、毎月の比較がしやすくなります。

③ 営業のAIは「人に割り振る」ところから。 平安保険は、失効した契約の復活を「AI+人」で担当に割り振る仕組みを紹介しています。AIに全部任せるのではなく、誰がどの顧客に連絡するかをAIで決める使い方は、小さな営業チームでも取り入れやすい形です。

問い合わせ対応や営業の割り振りなど、現場の仕事のどこからAIに任せるかを一緒に決める選択肢として、私たちAIリモートワーカーのようなサービスもあります。

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注意して読むべき点

  • 「AIサービス担当」「顧客対応量」の定義は示されていません。電話・チャット・アプリのどの接点を含むのか、1回をどう数えるのかは出典に書かれていません。80%は「AIが最後まで解決した割合」とは限りません
  • 対応量そのものは2024年より減っています。2024年は約18.4億回・80%と報じられており(Fintech News Hong Kong・2025年3月20日)、2025年は約17億200万回・80%でした。比率は横ばいで、件数の増減の理由は示されていません
  • 「AIエージェントが関わった販売」の範囲は示されていません。AIが単独で売った金額ではなく、AIが関与した販売の総額と読むのが妥当です。何をもって「関与」とするかは出典にありません
  • 出典は会社の決算発表と、そのQ&Aが中心です。第三者が検証した数字ではありません。2026年中間決算のQ&Aのページ日付は2026年9月22日で、中間決算の発表日そのものではありません
  • AIドクターなどヘルスケア分野の数字も発表されていますが、当記事では顧客対応・営業・社内展開の数字だけを扱っています

よくある質問

Q. 平安保険の顧客対応は、どのくらいAIが担っていますか?

2025年はAIサービス担当の対応量が約17億200万回で、グループ全体の顧客対応量の80%でした(2025年決算発表・2026年3月26日)。2026年上半期は約9億3,900万回・81%です(2026年中間決算のQ&A)。いずれも会社の発表で、「AIが最後まで解決した割合」かどうかは示されていません。

Q. AIは営業にも使われていますか?

使われています。AIエージェントが関わった販売は2025年に約1,331億7,900万元、2026年上半期に約573億1,300万元と発表されています。また、失効した保険の復活では「AI+人」で担当を割り振る仕組みにより、復活件数が30%増えたとしています。

Q. 中小企業でもこの事例を真似できますか?

規模は大きく違いますが、問い合わせのうちAIや自動応答で返せた割合を月ごとに数えることはすぐに始められます。成果を「時間」「売上」「ミス」など決まった枠で報告する習慣も、規模を問わず使えます。

Q. 公表された数字はどこまで信用できますか?

いずれも会社自身の決算発表とそのQ&Aに基づく数字で、第三者の検証は経ていません。「AIサービス担当」や「AIエージェントが関わった販売」の定義も示されていないため、割合や金額の大きさは目安として読むのが安全です。

出典

出典と、その読み方

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