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社員1人あたり週約3時間を削減、ChatGPTを12万人へ広げた|BBVAの事例

公開 2026-10-13 / 約8分

ChatGPT Enterpriseを使う社員1人あたりの業務時間の削減(社員の自己申告の平均。BBVAの発表・2025年12月12日)

週約3時間

出典:自社発表(2025-12-12時点)

地域
🌐 スペイン(海外)
業種
銀行(金融)
AI化した領域
社内ナレッジ検索/業務効率化/社内AI基盤/顧客対応/マーケティング
出典の種別
自社発表/ベンダー事例

スペインの大手銀行BBVAは、生成AIを「試す」段階から「全社の仕事の進め方」にする段階へ進めています。2024年5月に3,300アカウントで始めたChatGPT Enterprise(OpenAIの発表・2025年12月12日)を11,000人へ広げた結果、社員は1人あたり週約3時間を定型業務で節約したと報告し、利用者の80%が毎日使っています(BBVAの発表・2025年12月12日)。社員が自分でつくったカスタムGPTは2万件以上(うち日常的に使われているのは約4,000件)に達し(OpenAIの事例・2025年11月6日)、2025年12月には全社員12万人以上への展開が発表されました。出典と発表日つきで整理します。

この事例の要点

  • 2024年5月に3,300アカウントで開始し、11,000人へ拡大(OpenAIの発表・2025年12月12日)。その後、12万人以上の全社員へ展開すると発表(BBVAの発表・2025年12月12日。OpenAIの発表では25か国)
  • 11,000人の段階で、利用者の80%が毎日利用し、週平均3時間を定型業務で節約したと報告(BBVAの発表・2025年12月12日)
  • 週間アクティブ率83%、ワークフローの検証で効率が最大80%以上向上、カスタムGPTは2万件以上(うち約4,000件が頻繁に使われる)(OpenAIの事例・2025年11月6日)
  • ペルーでは、社内でつくった問い合わせ対応のアシスタントを3,000人超が利用。1件の処理時間が約7.5分から約1分に(約80%減・同事例)
  • 経営層250人(会長とCEOを含む)が実際に手を動かして学ぶ研修を受けた(同事例)

どんな会社か

BBVAは1857年創業で、欧州、メキシコ、南米、トルコ、米国で数千万人の顧客に銀行サービスを提供しています(OpenAIの事例・2025年11月6日)。社員は12万人以上で、金融の中でも規制の厳しい業種です。

規制が厳しい業種で全社にAIを広げられたかどうかは、法務、情報セキュリティ、現場の合意形成に時間がかかりがちな日本の中堅・中小企業にとっても参考になります。

何が課題だったのか

公表資料から読み取れる課題は、AIを一部の技術部門の取り組みで終わらせず、事業戦略に組み込むことです。OpenAIの事例によれば、グローバルデータ・AI責任者は「AIを脇に置いた技術の取り組みではなく、事業戦略の一部にする議論を重ねた」と話しています。

もう1つは、社員が許可のないAIを隠れて使う状態(シャドーAI)を避けることです。BBVAは、実験を地下に潜らせず、安全な環境と明確なルールを与える方針を取りました。

何をAI化したのか

領域内容公表時期
全社員向けの対話AIChatGPT Enterpriseを3,300アカウントで開始→11,000人→12万人以上へ。セキュリティとプライバシーの管理つき2024年5月開始、2025年12月12日に全社展開を発表
社員がつくるカスタムGPT業務に最も近い現場のチームが、自分の業務向けのGPTを作成し、銀行全体で共有。2万件以上(うち約4,000件が頻繁に利用)2025年11月6日(OpenAIの事例)
国別の問い合わせ対応アシスタントペルーの内製アシスタントを3,000人超が利用。処理時間が約7.5分→約1分2025年11月6日(OpenAIの事例)
今後の開発顧客向けの会話アシスタント、担当者の顧客対応支援、リスク分析、ソフトウェア開発、社員ごとに作業を覚えて代行する「分身」型の仕組み2025年12月12日の発表(計画)

なぜここまでできたのか|安全な場を先につくり、現場に作らせた

BBVAの公表値。展開人数 3,300人→11,000人→12万人以上(BBVAの発表・2025年12月12日)/週あたりの節約時間 約3時間(社員の報告の平均・同)/カスタムGPT 2万件以上(OpenAIの事例・2025年11月6日)
BBVAの公表値。展開人数 3,300人→11,000人→12万人以上(BBVAの発表・2025年12月12日)/週あたりの節約時間 約3時間(社員の報告の平均・同)/カスタムGPT 2万件以上(OpenAIの事例・2025年11月6日)

この事例で目立つのは、ルールと研修を先に整え、そのうえで現場に作らせた順番です。セキュリティ、法務、コンプライアンスの部門を最初から参画させ、経営層250人が自分で使って学びました(OpenAIの事例・2025年11月6日)。AIの使い方を現場に任せつつ、安全な範囲は決めておく設計です。

もう1つは、最初から意味のある規模で始めたことです。3,000人規模で始めたことで、効果と課題を早い段階で確かめられたと同事例は説明しています。少人数の試験では見えにくい「定着するかどうか」が見える規模で試した、と読めます(ここは推測)。

さらに、一度使った社員が手放さなくなる状況が生まれました。現場の社員が自分の業務向けGPTを作り、銀行全体で共有する流れができました。作られた2万件以上のうち約4,000件が頻繁に使われている点は、作って終わりではなく使われ続ける型が残っていることを示しています(解釈は推測)。

日本の中小企業が真似できる3点

① 安全に使える場を先に用意する。 禁止するだけでは、社員は個人のアカウントで隠れて使います。会社として使えるAIの環境と、入力してよい情報のルールを先に決めると、現場が安心して試せます。

② 経営層が先に手を動かす。 BBVAは会長とCEOを含む250人の幹部が実際に使って学びました。社長や部門長が自分で使うと、現場への説得の言葉が変わります。

③ 定型作業から「自分のGPT」を作らせる。 要約、翻訳、報告書の下書きなど、毎週繰り返す作業から、社員が自分の業務向けの型をつくる形にすると、全員が同じ使い方を覚える必要がなくなります。

社内に安全なAI環境を整え、現場が自分の仕事向けの型を作れる状態まで持っていく設計に迷ったときは、外部の知見を借りる選択肢もあり、私たちAIリモートワーカーのようなサービスもその1つです。

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注意して読むべき点

  • 「週約3時間」は社員の自己申告の平均です。測定した実績ではなく、利用者が「節約したと報告している」時間です。11,000人の段階の数字で、12万人に広げた後の結果ではありません
  • 出典の2本はAIの提供元であるOpenAIの発表です。BBVAの発表(2025年12月12日)は自社の発表ですが、同日の提携発表を兼ねており、成果の第三者検証は確認できませんでした
  • 利用率の数字は発表によって表現が異なります。BBVAの発表は「利用者の80%が毎日利用」、OpenAIの事例は「週間アクティブ率83%」、OpenAIの12月12日の発表は「80%超が日常的に利用」と書いています。測定の定義が異なるため、同じ数字として並べないでください
  • 「効率80%以上の改善」は検証用のワークフローでの結果です。実際の業務全体の削減率ではありません
  • 12万人への展開は発表時点の計画です。展開後の実績の数字は、確認できた範囲ではまだ公表されていません

よくある質問

Q. BBVAは生成AIを何に使っていますか?

全社員向けの対話AI(ChatGPT Enterprise)と、社員が自分の業務向けにつくるカスタムGPTが中心です。業務に最も近い現場のチームが2万件以上のGPTを作り、銀行全体で共有しています(OpenAIの事例・2025年11月6日)。ペルーでは問い合わせ対応のアシスタントで処理時間を約7.5分から約1分に短縮しました(同事例)。

Q. 週3時間の削減は信頼できますか?

BBVAの発表は「利用者が平均で週約3時間を節約したと報告している」としています。測定した時間ではなく自己申告であり、11,000人の段階の数字です。方向感を示す数字として読むのが安全です。

Q. 中小企業がこの事例から最初に真似すべきことは何ですか?

会社として使えるAI環境と、入力してよい情報のルールを先に決めることです。そのうえで、経営層が先に使い、要約や下書きなど毎週繰り返す作業から現場に自分用の型をつくらせると、定着しやすくなります。

出典

出典と、その読み方

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