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記事作成代行の契約で必ず決める7項目|著作権・AI利用・検収【2026年版】

佐々木 優希

佐々木 優希

上場企業 営業統括 & AI責任者

13分で読めます

目次
  1. この記事の要点
  2. もめるのは料金ではなく、納品されたあと
  3. ①著作権:「移るかどうか」ではなく「いつ移るか」
  4. ②AIの利用:禁止で握るか、開示と責任で握るか
  5. ③検収基準:「読んで違和感がなければ合格」は、体裁のミスを通す
  6. ④二次利用:どこに出すかを決めないと、自社サイトが埋没する
  7. 残りの3項目:修正回数・公開後の責任・解約
  8. ここで必ず返ってくる反論
  9. よくある質問

記事作成代行の見積もりを3社から取って、料金と本数だけを比べて決める。ここまでは、たいていの会社がやります。

つまずくのはそのあとです。納品された記事を営業資料に転用しようとして「その用途は契約外です」と言われる。解約するときに「過去記事の権利は当社に残ります」と告げられる。AIで書いたのかどうかを聞いたら、明確な答えが返ってこない。どれも、料金表には書かれていない部分で起きます。

契約前に文字で決めておけば5分で終わる話が、納品後だと交渉になります。この記事では、記事作成代行を発注する側が契約書(または発注書)で押さえておく7項目を、当社自身がやらかした検収の失敗2件とあわせて整理します。

なお、この記事は発注実務の整理であり、条項の法的な有効性を保証するものではありません。金額の大きい契約や、権利関係が複雑な案件は、最終的に弁護士など専門家の確認を通してください。

この記事の要点

  • もめる場所は料金ではなく「納品後」に集中する。著作権・二次利用・解約後の扱いの3つが定番
  • 著作権は「移るかどうか」ではなく「いつ移るか」を書く。納品時・検収後・入金後で意味がまったく違う
  • AI利用は禁止・開示・責任の3通りの握り方がある。2026年に「AI一切不使用」を求めるのは現実的ではなく、開示と事実確認の責任で握るほうが機能する
  • 検収基準を「読んで違和感がないこと」にすると、体裁のミスが通る。当社は本文を毎回見ていたのに、カード画像の規格ずれを10本ぶん見逃していた
  • 二次利用の範囲を決めないと、自社サイトと外部メディアに同じ原稿が並び、自社ドメインのほうが埋没する

もめるのは料金ではなく、納品されたあと

契約後に起きやすいトラブル7つと、その原因になっている未定義項目(二次利用の範囲/著作権の帰属タイミング/AI利用の開示と事実確認の責任/検収の合格ラインと修正責任/掲載先の指定・独占性/執筆者・監修者の表示ルール/修正回数と1回の定義)
契約後に起きやすいトラブル7つと、その原因になっている未定義項目(二次利用の範囲/著作権の帰属タイミング/AI利用の開示と事実確認の責任/検収の合格ラインと修正責任/掲載先の指定・独占性/執筆者・監修者の表示ルール/修正回数と1回の定義)

記事作成代行の料金は、いま3つの形に分かれています。文字単価型で1文字1〜10円、記事単価型で1本1万〜10万円、月額の運用代行型で月10〜100万円程度(いずれも税抜)。当社の場合は月10本10万円(1本あたり1万円)、月30本20万円(1本あたり約6,700円)という月額定額です。

この幅は比較サイトを見ればすぐ分かります。ところが、実際に発注したあとで問題になるのは、ほぼ全部この表の外側です。

▼ 契約後に起きやすいトラブルと、その原因になる未定義項目

起きること原因になっている「決めていない項目」
納品記事を営業資料・ホワイトペーパーに使えない二次利用の範囲
解約したら過去記事を消すよう求められた著作権の帰属と、その発生タイミング
AIで書いたのか聞いても答えがはっきりしないAI利用の開示と、事実確認の責任
誤った数字が載ったまま公開された検収の合格ラインと、公開後の修正責任
同じ原稿が外部メディアにも出ていた掲載先の指定・独占性
監修者名を出せない執筆者・監修者の表示ルール
追加費用が発生した修正回数と、その1回の定義

料金交渉に使う時間の一部を、この7行に振り向けたほうが、後の損失は小さくなります。以下、実務上とくに効くものから順に見ていきます。

なお、月額サブスク型で契約する場合の地雷(最低契約期間・本数の繰越・キーワード選定の有無)は記事作成代行の月額サブスクで、発注先そのものの選び方はBtoB記事作成代行の選び方で別に整理しています。ここでは契約の中身に絞ります。

①著作権:「移るかどうか」ではなく「いつ移るか」

著作権の帰属タイミング3パターン(納品時に移転/検収完了時に移転/支払い完了時に移転)と、それぞれの発注側にとっての意味・起きやすいこと
著作権の帰属タイミング3パターン(納品時に移転/検収完了時に移転/支払い完了時に移転)と、それぞれの発注側にとっての意味・起きやすいこと

「著作権は御社に帰属します」という一文だけで安心しないでください。実務で差が出るのは、その権利がいつ移るかです。

▼ 帰属タイミングの3パターン

書き方発注側にとっての意味起きやすいこと
納品時に移転原稿を受け取った時点で自由に使える制作側がリスクを負うため、単価に反映されやすい
検収完了時に移転合格を出すまでは制作側の権利検収の定義が曖昧だと、いつまでも移らない
支払い完了時に移転入金するまで使えない経理の締めが遅いと公開できない期間が出る

いちばん多いのは「支払い完了時」です。それ自体は不当ではありませんが、月末締め翌月末払いの会社が、納品直後に公開したい場合、契約どおりに読むと最大2か月使えないことになります。実務では黙認されることが多い一方、関係が悪化した瞬間に持ち出される種類の条項でもあります。公開日を先に決めているなら「納品時に移転、ただし未払いの場合は◯◯」の形にしておくほうが揉めません。

もう1つ、譲渡できない権利があります。著作者人格権(氏名表示や、意に反する改変を受けない権利)は、契約で移転させることができません。そのため実務では「著作者人格権を行使しない」旨の合意を入れるのが一般的です。ここが抜けていると、こちらが記事を大幅にリライトしたときに、制作側から異議を出せる余地が残ります。当社の場合は、記事の著作権は納品後に発注企業へ帰属し、そのまま自社の資産として改変・転用していただける形にしています。

②AIの利用:禁止で握るか、開示と責任で握るか

2026年の記事制作で「AIを一切使っていません」と言い切る発注条件は、実質的に機能しません。検証する手段がなく、守られているかを確認できない約束は、契約書に書いても意味を持たないからです。当社も「100%人力」とは言いません。AIも使い、そのうえで人が編集し、一次情報を入れて仕上げる、と説明しています。

握り方は3通りあります。

  • 禁止型:AI生成物の納品を禁止する。検証できないため、実効性は低い
  • 開示型:どの工程でAIを使ったかを申告してもらう。運用は軽いが、品質は担保されない
  • 責任型:AIの使用可否は問わず、記載した事実の裏取り責任は制作側にあると定める

現実的なのは責任型です。AI生成記事で発注側が本当に困るのは「AIを使ったこと」ではなく、もっともらしい嘘の数字が混ざることだからです。「出典のない数値は載せない」「他社が公表した数字を自社の実績として書かない」「引用元URLを納品時に添える」——この3つを条件に書いておけば、AIを使うかどうかは制作側の裁量に任せて問題ありません。

あわせて、記事に執筆者・監修者を表示するかどうかもここで決めます。誰が書いて誰が確認したのかを出せる記事は、検索エンジンにもAI検索にも評価されやすい方向にあります。この設計は一次情報の作り方で詳しく書きました。

③検収基準:「読んで違和感がなければ合格」は、体裁のミスを通す

検収は「原稿」ではなく「公開される画面」で判定する5項目(見出し構成/数値と固有名詞の出典/内部リンクの本数と実在/画像の枚数・サイズ・ファイル名の規格/公開先CMSでの崩れ)
検収は「原稿」ではなく「公開される画面」で判定する5項目(見出し構成/数値と固有名詞の出典/内部リンクの本数と実在/画像の枚数・サイズ・ファイル名の規格/公開先CMSでの崩れ)

検収の条項は、たいてい「発注者の検査に合格したとき」で終わっています。何をもって合格かが書かれていないと、実務では担当者が本文をひととおり読んで、違和感がなければOKを出すことになります。

これで抜けるのは、本文の外側です。当社自身の話をします。

2026年9月2日、公開済み記事の点検で、8月21日以降に出した10本すべてのカード画像(SNSやチャットにURLを貼ったときに出るサムネイル)が、規格を外れた幅で作られていたことが分かりました。本文は毎回チェックしていました。数字の出典も、公開前に社内文書と突き合わせていました。それでも、画像の規格だけは誰の目にも入っていなかった。約2週間ぶん、スマホで見ると文字の端が切れる画像を配り続けていたことになります。

もう1件あります。2026年8月28日、同じ原稿を外部ブログへ転載する変換処理で、記事内の表が「全行が1段落に潰れて区切りが消える」「表そのものが欠落する」状態になりました。公開済み1本と下書き2本で実際に起きています。原稿は正しかったのに、出した先で壊れた。これも本文を読むだけの検収では絶対に見つかりません。

どちらも、外注先ではなく当社自身がやったミスです。だから断言できます。検収を人の目視だけに任せると、本文以外は素通りします。対策は難しくありません。合格ラインを、読んだ感想ではなく「通るか落ちるか」で判定できる項目に置き換えるだけです。

  • 見出し構成が事前に合意した構成案どおりか(h2の数と順序)
  • 数値と固有名詞に出典が添えられているか(出典なしの数字が0件か)
  • 内部リンクが指定本数入っていて、リンク先が実在するか
  • 画像の枚数・サイズ・ファイル名の規格が指定どおりか
  • 公開先のCMSに入れた状態で、表・箇条書き・見出しが崩れていないか

最後の1行が重要です。検収は「原稿」ではなく「公開される画面」で行う。当社の2件は、どちらもここを飛ばしたから起きました。

④二次利用:どこに出すかを決めないと、自社サイトが埋没する

納品された記事を、自社ブログ以外にも使いたい場面は必ず来ます。営業資料への転載、ホワイトペーパー化、外部メディアへの寄稿、SNSでの分割投稿。契約書に「二次利用可」の一言があるかどうかで、そのたびに確認が要るかが変わります。

ただし、注意点は権利側だけではありません。同じ原稿を自社ドメインと外部プラットフォームの両方に出すと、検索エンジンにはどちらを正規とするか伝える手段がない場合があり、多くのケースで力の強い外部側が選ばれます。結果として、自社サイトのほうが検索結果から消えます。当社はこれを実際にやって、自社ドメインを埋没させました(詳細は記事の検索順位が上がらない原因に書いています)。

だから二次利用の条項は、「使ってよいか」だけでなく「どこに出すか」まで書きます。

  • 自社サイト以外への同一原稿の掲載は、原則しない(する場合は構成から作り替える)
  • 営業資料・ホワイトペーパーへの転用は可(検索の競合にならないため)
  • 制作側が同じ原稿を他社に流用しないこと(独占性)
  • 解約後も、納品済み記事の掲載を継続できること

4つ目を忘れると、解約時に過去記事の取り下げを求められる可能性が残ります。積み上げたページが一夜で消えるのは、料金の数か月分より大きな損失です。

残りの3項目:修正回数・公開後の責任・解約

ここまでの4つに比べると軽いですが、決めておくと事故が減ります。

修正回数は、回数そのものより「1回の定義」を書きます。「1回=1度のフィードバックにまとめて回答すること」なのか「1箇所の直しで1回」なのかで、実際に使える回数が10倍変わります。当社は修正1回込みで、初回1本は無料サンプルとしてお出ししています。

公開後の事実誤認は、誰が直して誰が費用を持つかを決めます。「公開後◯日以内に発見された事実誤認は無償で修正」がよくある落としどころです。

解約は、通知期限(何日前までか)と、その時点で制作途中の記事をどう扱うかを書きます。月額プランなら、残りの本数を消化できるのかも確認します。当社は契約期間の縛りを設けておらず、本数の増減・休止・解約はいつでも可能にしています。

ここで必ず返ってくる反論

「そこまで契約書に書いたら、発注のハードルが上がって前に進まないのでは?」

そのとおりです。7項目すべてを条項に落とすと、法務レビューが入り、着手が2〜3週間遅れることがあります。だから金額の小さい試し発注では、契約書を作らずに発注書のメール本文に3行だけ足すので十分だと考えています。①著作権は納品後に当社へ帰属し、二次利用は自由 ②数値・固有名詞には出典を添える ③検収は公開画面で行い、合格条件は別紙の項目 ——この3行があれば、実務のトラブルの大半は防げます。フルの契約書は、月額の継続契約に移るときで間に合います。

「著作権なんて、実務で問題になったことがない」

問題にならないのは、多くの場合うまくいっているからです。関係が良好なうちは、条項がなくても運用でカバーされます。効いてくるのは解約のときと、担当者が代わったときです。契約書は、うまくいっている間は読まれない書類だと割り切って、そのときのためだけに作ります。

そして、これは当社にとって不利な話も含みます。上に書いたとおり、当社は自社メディアの検収で2件のミスを出しています。「検収基準を決めましょう」と言っている側が、自分のカード画像の規格ずれを2週間気づけなかった。だから当社は、順位保証も「絶対にミスをしない」も言いません。言えるのは、落ちたときに気づける形にしてあるかどうかだけです。当社は今回の2件のあと、公開前に機械で判定する項目を増やし、画像の規格と画面上の崩れをチェックの対象に加えました。

よくある質問

Q. 記事作成代行に出した記事の著作権は、発注側と制作側のどちらのものですか?

契約で決めた内容が優先されます。何も定めなかった場合、著作権は原則として実際に制作した側に残るため、発注側が自由に使えると思い込んでいると食い違いが起きます。契約書には「著作権は納品(または検収完了・支払い完了)をもって発注者に移転する」ことと、「著作者人格権を行使しない」ことの2つを書いておくのが実務上は無難です。当社の記事作成代行では、納品後に発注企業へ帰属します。

Q. AIで書かれた記事に著作権は発生しますか?

論点が2つに分かれます。1つは法律上の著作物性で、これは人の創作的な関与がどの程度あったかによって判断が変わるため、一律には答えられません。もう1つは実務上の扱いで、こちらは契約で決められます。発注側として重要なのは後者です。「納品物を発注者が自由に利用でき、第三者の権利を侵害していないことを制作側が表明する」形にしておけば、著作物性の議論とは切り離して運用できます。

Q. 検収の期間はどれくらいが妥当ですか?

納品から5〜10営業日が一般的です。ここで大事なのは長さより「期限を過ぎたらどうなるか」を書くことで、「期間内に通知がなければ合格とみなす」の一文がないと、検収が終わらないまま次の納品が積み上がります。あわせて、合格の条件を感想ではなくチェック項目で定義してください。

Q. 納品された記事を営業資料やホワイトペーパーに使ってもいいですか?

二次利用の範囲を契約で定めていれば可能です。営業資料・提案資料・ダウンロード資料への転用は、検索上の競合を起こさないため制限する理由が少なく、認められることが多い用途です。一方、外部のブログやメディアに同じ原稿を出すのは、権利上OKでも自社サイトの検索順位を落とす可能性があるため、構成から作り替えることをおすすめします。

Q. 制作会社に「AIを使わないでほしい」と伝えるのは有効ですか?

検証手段がないため、条件としてはほとんど機能しません。AI利用の可否ではなく、「出典のない数値を載せない」「他社の公表値を自社の実績として書かない」「引用元URLを納品時に添える」といった、検収で確認できる形の条件に置き換えるほうが実効性があります。当社も「AIは使わない」とは言わず、人の編集と一次情報で品質を担保する立て付けにしています。

Q. 契約書のひな形は制作会社が出すものを使って大丈夫ですか?

出発点としては問題ありませんが、この記事の7項目が入っているかだけは確認してください。制作側のひな形は、著作権の移転時期と解約時の扱いが制作側に有利に書かれていることがあります。1条ずつ読む時間がなければ、「著作権」「二次利用」「解約」の3語で検索して該当箇所だけ読むだけでも、大きな取りこぼしは防げます。

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契約で決めることが多いように見えて、実際に効くのは「いつ権利が移るか」「何をもって合格か」「どこに出してよいか」の3点です。この3つが文字になっていれば、あとは運用で吸収できます。

当社の記事作成代行の条件(著作権の帰属・縛りなし・初回無料サンプル・修正1回込み)はサービスページにまとめています。

執筆・監修:佐々木 優希(上場企業 営業統括 兼 AI責任者)

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