オウンドメディアから問い合わせが来ない|見る順番は4か所【2026年版】
目次
オウンドメディアを始めて数ヶ月。Search Consoleの表示回数は右肩上がりで、月次の報告にも「前月比+40%」と書いてある。なのに、問い合わせフォームは鳴らない。経営会議で「記事から何件来たの?」と聞かれ、「まだ0件です。もう少し本数を増やせば…」と答えてしまう——。
本数を増やす前に、確かめる場所があります。問い合わせが来ないとき、原因は記事の中身より手前か、記事の後ろにあることが多いからです。
この記事では、問い合わせが0件のときに見る4か所を、上から順に整理します。当社自身、自社メディアの表示回数が3週続けて伸びたのに、記事を入口にした問い合わせは0件のままでした。そのとき実際にどこを疑い、何が原因で、何を変えたかも数字つきで載せます。
この記事の要点
- 問い合わせ0件のときは、①計測 → ②流入の中身 → ③記事末の出口 → ④出口の先の着地の順に見る。記事を足すのは最後
- ①計測:0件が「本当の0」かを先に確かめる。当社は数字の取り出し側の不具合で「取得不可」と出ていたことがあり、記録漏れの期間もあった
- ②流入の中身:クリックが多い検索語が「買う人」の言葉とは限らない。当社の7日間(10/6〜10/12)は表示932・クリック59だったが、クリック上位は「自分で作りたい人」の検索語で、商用の質問文は表示16・クリック0
- ③出口:記事末に「問い合わせ」しか置かないと、営業と話したくない読者は帰る。BtoBの買い手の67%は営業と話さずに買いたいと答えている(Gartner 2026)
- ④着地:出口の先の最初の画面で止まっていないか。当社は出口の先で訪問19人に対して動画の再生1・登録0の週があった。故障ではなく、最初の画面の作りが原因だった
問い合わせが来ないときは、4か所を上から順に見る

結論:問い合わせが来ないときは、記事を書き足す前に、計測・流入の中身・出口・着地の4か所を上から順に確かめます。下の段を直しても、上の段が壊れていれば数字は動きません。
| 順番 | 見る場所 | 確かめること | 当社で起きたこと |
|---|---|---|---|
| ① | 計測 | 0件は本当の0か。フォーム送信が記録されているか | 数字の取り出し側の不具合で「取得不可」と表示/計測を入れる前の期間があった |
| ② | 流入の中身 | クリックしているのは買う人か | クリック上位は「自分で作りたい人」の検索語。商用の質問文はクリック0 |
| ③ | 記事末の出口 | 問い合わせ以外に、次の一歩があるか | フォームだけの出口は送信0が続き、学習サイトへの出口に変えた |
| ④ | 出口の先の着地 | 最初の画面で止まっていないか | 訪問19人に対し再生1・登録0。最初の画面が6問の質問だった |
この順番にしているのは、上ほど確かめるのが安く、上ほど全部の数字に影響するからです。計測が壊れていれば、流入も出口も正しく評価できません。流入の中身が「買わない人」なら、出口をいくら磨いても問い合わせにはなりません。
逆に、いきなり「記事が悪いのでは」と書き直しに入ると、時間をかけたわりに原因に当たらないことが多い。記事の中身を疑うのは、この4か所を確かめたあとで十分です。
①計測:0件が「本当の0」かを先に確かめる
結論:最初に確かめるのは、0件が「来ていない」のか「数えていない」のかです。ここを飛ばすと、来ているのに気づかない、あるいは来ていないのに「計測の問題だろう」と放置する、のどちらかになります。
当社では、この両方が起きました。
1つ目は、計測を入れる前の期間です。サイト内のチェックリスト(資料を受け取るフォーム)からの申込を問い合わせとして数える設定は、2026年8月19日に入れました。それより前の申込は、問い合わせの数に入っていません。この期間の「0件」は、0件ではなく「数えていない」でした。
2つ目は、数字の取り出し側の不具合です。GA4で問い合わせ(キーイベント)の数を毎日取り出していたところ、ダッシュボードに「取得不可」と出続けていました。8月30日に確かめると、キーイベントの登録自体は8月6〜7日に済んでいました。値が0のときの画面の書き方を、取り出す側が読めていなかっただけです。直したあとで見ると、28日間のキーイベントは本当に0でした。
| 確かめること | 見る場所 | よくある落とし穴 |
|---|---|---|
| フォーム送信が記録されているか | 自分でテスト送信して、計測ツールに出るか | サンクスページを経由しないフォームで記録が漏れる |
| いつから数えているか | 計測を設定した日付 | 設定前の期間を「0件」として比べてしまう |
| 0と「取得できない」を区別できているか | レポートやダッシュボードの表示 | 0件のときに空欄や「取得不可」と出る |
| 問い合わせの経路が1か所に集まっているか | フォーム・メール・電話・SNSのDM | メールで直接来た相談を数えていない |
ここで「本当の0」と確かめられれば、次に進めます。確かめられないまま次に進むと、あとで何を直しても効いたかどうか判断できません。
②流入の中身:クリックしているのは「買う人」か

結論:アクセスが増えたかではなく、クリックしているのが「買う人」の検索語かを見ます。表示やクリックが増えていても、その中身が問い合わせから遠い検索語なら、問い合わせが来ないのは当然です。
当社の自社メディアの7日間(2026年10月6日〜12日)は、表示932回・クリック59回でした。前の週の表示786回・クリック48回から伸びています。ところが、クリックの多い検索語を並べると、こうなりました。
| 検索語 | クリック | 表示 | 検索した人の状態 |
|---|---|---|---|
| claude code note 自動化 | 6 | 26 | 自分で作りたい |
| claude note 自動化 | 5 | 13 | 自分で作りたい |
| claude note自動投稿 | 5 | 9 | 自分で作りたい |
| 佐々木優希(代表の名前) | 2 | 23 | 名前で調べている |
| 「成果が出なければやめられるSEO・AIO支援会社はありますか…」 | 0 | 16 | 発注先を探している |
| aio 外注 依頼 注意点 | 0 | 15 | 発注先を探している |
クリックを集めていたのは、当社が自社で組んだ仕組みの作り方を書いた記事でした。読みに来ているのは「自分でやりたい人」です。一方、発注先を探している人の検索語は、表示はされてもクリックは0でした。
検索語は、だいたい次の3つに分けて追うと判断を誤りません。
| 分け方 | 例 | この流入に期待すること |
|---|---|---|
| 買う人の検索語 | 「〜 外注」「〜 費用」「〜 会社」「〜 比較」 | 問い合わせ・相談 |
| 自分でやる人の検索語 | 「〜 やり方」「〜 自動化」「〜 使い方」 | 学習・資料・メール登録(すぐ問い合わせにはならない) |
| 名前で調べる人 | 社名・代表名・サービス名 | 信用の確認(すでに検討中の人が多い) |
「自分でやる人」の流入は無駄ではありません。ただ、この人たちに「お問い合わせはこちら」だけを見せても動きません。次の③の出口で、この人たち向けの一歩を用意する必要があります。
もう1つ、ここでやってしまいがちな失敗があります。当社は、サービスページのタイトルを検索語に合わせて書き換えたところ、そのページの表示回数が14回から9回に減り、元に戻しました。流入の中身が分かる前に入口をいじると、かえって数字を崩します。商用の検索語が取れていないときに、どんな記事で答えるかはSaaSのオウンドメディア外注|CVから逆算して記事を選ぶで整理しています。
③出口:記事末に「問い合わせ」しか置いていないか
結論:記事の最後に置く次の一歩は、読者の状態ごとに分けます。問い合わせしか出口がないと、まだ営業と話す段階にない読者は、そのまま帰ります。
Gartnerが2026年3月に公表したBtoBの買い手調査では、67%が「営業担当と関わらずに購買したい」と答えています。前年の61%から上がりました。記事を読んでいる人の多くは、問い合わせフォームを送った瞬間に営業から連絡が来ることを避けたいと考えている、ということです。
| 読者の状態 | 記事末に置く次の一歩 | 置いてはいけないもの |
|---|---|---|
| 発注先を比べている | 料金表・事例・相談の日程予約 | 「まずは資料請求」だけ |
| 社内で説明したい | 稟議に使える資料・費用の目安 | 営業からの電話が前提のフォーム |
| 自分でやってみたい | 手順の続き・練習・テンプレート | 「お問い合わせはこちら」だけ |
| 調べ始めたばかり | 関連記事・用語の整理 | 長い入力フォーム |
当社も、記事末の出口を一度変えています。最初は無料の業務診断(フォームに業務の内容を書いて送る形)を出口にしていましたが、送信0が続きました。9月24日に、記事末の出口を、営業・マーケのAI活用を無料で学べる自社の学習サイトに切り替えました。②で見たとおり、読みに来ているのは「自分でやりたい人」が多かったからです。
出口を変えるときに必ず入れておきたいのが、どの記事から来たかが分かる印です。出口のリンクに記事ごとの印(URLの末尾に付ける識別子)を付けておけば、どの記事の読者が次の一歩を踏んだかが分かります。これがないと、出口を変えた効果を記事単位で確かめられません。
④着地:出口の先の、最初の画面で止まっていないか

結論:出口をクリックしてもらえても、その先の最初の画面で止まれば問い合わせにも登録にもなりません。出口の先で何人が最初の一歩を踏んだかを、出口とは別に数えます。
当社の学習サイトは、出口を切り替えたあと、ある週(10月8日〜14日)の訪問者が19人でした。そのうち動画を再生したのは1人、メール登録は0人です。
最初は故障を疑いました。動画の配信と、再生を記録する仕組みを実際に動かして確かめたところ、どちらも正常に動いていました。故障ではなく、最初の画面の作りが原因でした。開いた人の最初の画面が「はじめに」の6問の質問で、答え終わるまで本題に入れない作りになっていたのです。
| 変更前 | 変更後(10月15日〜) | |
|---|---|---|
| 最初の画面 | 「はじめに」6問の質問 | 「今日の1本」と練習問題 |
| 登録 | 質問のあと | 不要(進捗を残したい人だけメールで保存) |
| 読者がやること | 6問に答える | 1本見て、1問答える |
この変更は10月15日に入れたばかりで、変えてから4日間の訪問は6人、再生と登録はまだ0です。判断するのは2週間後と決めています。効いたかどうか分からないうちに次の変更を重ねると、何が効いたのか分からなくなるからです。
フォームや資料請求の先でも、同じことが起きます。送信ボタンを押したあとの画面で何を求めているか、日程予約の画面で何問答えさせているか。出口の先の最初の画面は、読者が一番「やめる」理由を探している場所です。
「記事を増やせば、いつか来るのでは」への答え
ここで必ず出る反論があります。「まだ本数が足りないだけでは。記事を増やし続ければ、いずれ問い合わせは来るはずだ」。
半分は正しいです。新しいサイトは評価されるまでに時間がかかり、本数が少ないうちは表示そのものが足りません。表示が伸びていないなら、記事を足す判断は合っています。
ただ、表示が伸びているのに問い合わせが0件なら、本数は原因ではありません。当社の自社メディアは記事が83本まで増え、表示回数は3週続けて伸びました。それでも記事を入口にした問い合わせは0件のままでした。記事を足して増えるのは①〜④の一番上に入ってくる人数であって、②〜④のどこかで止まっているなら、止まっている割合は変わりません。
順番としては、下から直すほうが早く効きます。④の最初の画面は1日で変えられます。③の出口も数日です。②の商用の検索語を取る記事は数週間、新しい記事が評価されるには数ヶ月かかります。下が詰まったまま上を増やすと、詰まった場所に人が溜まるだけです。
4週間で確かめる手順と、判断の目安
結論:4か所を1週ずつ確かめ、変えたら2週間は次の変更を重ねずに待ちます。
| 週 | やること | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 1週目 | ①計測:テスト送信、計測の開始日、0と「取得不可」の区別、問い合わせ経路の一本化 | 自分のテスト送信が数に出れば合格 |
| 2週目 | ②流入の中身:クリック上位の検索語を「買う人/自分でやる人/名前」に分ける | 買う人の検索語にクリックがあるか |
| 3週目 | ③出口:読者の状態ごとに次の一歩を置き、記事ごとの印を付ける | 出口のクリックが記事単位で数えられるか |
| 4週目 | ④着地:出口の先の最初の画面で、何人が最初の一歩を踏んだかを数える | 訪問に対して最初の一歩が0なら、最初の画面を変える |
月次の報告も、この4か所に合わせて分けておくと、毎月の会話が変わります。「表示回数が何%伸びた」ではなく、「買う人の検索語のクリックが何件、出口のクリックが何件、その先で最初の一歩を踏んだ人が何人」と並べれば、どこで止まっているかが報告書の上で見えます。
当社のSEO・LLMO記事作成代行でも、月次の報告では商用の検索語と記事からの問い合わせを、サイト全体の表示とは分けて出しています。順位が上がらない段階の切り分けは記事の検索順位が上がらない5つの原因と切り分け手順に、買い手が営業に会う前に何を見ているかは買い手は営業に会う前に決めている|BtoBサイトに出すべき3つの情報にまとめています。
よくある質問
Q. オウンドメディアから問い合わせが来るまで、どれくらいかかりますか?
新しいドメインでは、検索で評価されて表示が安定するまでに数ヶ月かかるのが一般的です。ただし、問い合わせが来ない原因が「時間」かどうかは、表示が伸びているかで判断できます。表示が伸びているのに問い合わせが0件なら、時間ではなく、計測・流入の中身・出口・着地のどこかで止まっている可能性が高いです。
Q. 問い合わせ0件でも、記事の更新は止めたほうがいいですか?
止める必要はありません。ただ、本数を増やすことより、4か所の確認を先にしてください。記事を足して増えるのは入ってくる人数で、途中で止まっている割合は変わりません。確認に1〜4週間かけても、その間に公開済みの記事が評価を失うことはありません。
Q. 記事末のCTAは、問い合わせと資料請求のどちらがいいですか?
読者の状態で分けます。発注先を比べている読者が多い記事なら相談の日程予約や料金表、社内で説明したい読者が多い記事なら資料、自分でやってみたい読者が多い記事なら手順の続きや練習を置きます。1つの記事に全部を並べると選べなくなるので、記事ごとに主な読者を1つ決めてください。
Q. アクセスは多いのに、来るのは営業や採用の問い合わせばかりです。
流入の中身が「買う人」の検索語になっていない可能性があります。クリックの多い検索語を「買う人/自分でやる人/名前」に分けてみてください。買う人の検索語にクリックがないなら、料金・比較・外注先の選び方など、発注を考えている人の質問に見出しで答える記事を先に増やします。
Q. 問い合わせ0件の原因を、外注先に調べてもらうことはできますか?
できます。ただし、外注先が見られるのは多くの場合①計測と②流入の中身までで、③出口や④着地の先(フォームの後ろ、営業の折り返し)は社内にしか分かりません。調べてもらうときは、フォームの送信後に何が起きているかを社内から先に共有すると、切り分けが早く終わります。
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執筆・監修:佐々木 優希(上場企業 営業統括 兼 AI責任者)
スタートアップでトップセールスとして営業組織の立ち上げに携わり、SFA・CRMのエンタープライズ営業マネージャーを経て、上場企業で営業統括とAI責任者を兼任。営業・マーケティング組織へのAI実装を現場側から手がけ、現在は中小企業向けにAI導入支援を提供しています。