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買い手は営業に会う前に決めている|BtoBサイトに出すべき3つの情報

佐々木 優希

佐々木 優希

上場企業 営業統括 & AI責任者

15分で読めます

目次
  1. この記事の要点
  2. 買い手は、会う前にほとんど決めている
  3. AI検索の対策は、設定ファイルではなく言及
  4. 出すべき情報①:料金
  5. 出すべき情報②:自社で測った数字
  6. 出すべき情報③:向かない条件と、うまくいかなかった話
  7. 出す順番と、効いているかの測り方
  8. よくある質問
  9. 参考文献

「いい商材だと思うのに、問い合わせが来ない」

この相談を受けたとき、私はまず営業のやり方ではなく、その会社の名前で検索した結果を見せてもらいます。多くの場合、出てくるのはトップページと会社概要だけです。料金は「お問い合わせください」、実績は「多数」、失敗した話はどこにもない。

一方で買い手は、営業に会う前にほとんどの検討を終えています。Gartnerが2026年3月に公表した調査では、BtoBの買い手の67%が「営業担当と話さずに買いたい」と答えました。前年の61%からさらに上がっています。

つまり商談は、こちらが気づかないところで始まっていて、多くは会う前に落ちている。この記事は「では、会う前に読まれる場所に何を置くのか」を、外部の調査と当社自身の検索データで整理したものです。

この記事の要点

  • 買い手の67%は営業と話さずに買いたいと答え、45%は購買の調査に生成AIを使っている(Gartner 2026)。営業の腕の前に、調べられたときに何が出るかで勝負がついている
  • 買い手が信用する情報源は入れ替わった。アナリストのレポートを使う買い手は13%(2022年比−63%)、実際の使用者のレビューは74%、同業者への相談は53%。ベンダーへの要望1位は4年連続で「透明な価格提示」(TrustRadius 2026)
  • 出すべきは3つ。①料金 ②自社で測った数字 ③向かない条件。この3つは競合が最も出したがらないもので、だからこそ差がつく
  • AI検索対策として効くのは設定ファイルではなく第三者からの言及。AIでの見え方との相関はブランド言及0.664に対し被リンク0.218で、AI引用の82%は自社サイト外から来ている(Ahrefs)
  • 当社の自社サイトは、ブログを始めて2週間で検索の表示回数が76→422(4.3倍)・クリック11→28になった。ただし内訳は指名に近い細かい語が中心で、太いキーワードはまだ動いていない

買い手は、会う前にほとんど決めている

BtoBの買い手調査。67%が営業と話さずに買いたい、45%が購買の調査に生成AIを使う、74%が実際の使用者のレビューを使う、13%がアナリストのレポートを使う(2022年比−63%)
BtoBの買い手調査。67%が営業と話さずに買いたい、45%が購買の調査に生成AIを使う、74%が実際の使用者のレビューを使う、13%がアナリストのレポートを使う(2022年比−63%)

最初に、外部の調査で今の買い手の姿を押さえます。ここを共有しないまま「コンテンツを作りましょう」と言っても、社内では後回しの施策にしか見えないからです。

Gartnerが2026年3月に公表したBtoB買い手調査(n=646)では、67%が「営業担当と関わらずに購買したい」と回答しています。前年は61%でした。さらに45%が購買の調査に生成AIを使っていると答えています。

ここで大事なのは、これが「営業が要らなくなる」という話ではないことです。同じくGartnerが2026年5月に公表した調査(買い手n=645)では、69%の買い手がAIの出した内容を営業担当に検証してほしいと答えており、営業が介在した商談では「購買判断に確信が持てた」が32ポイント、「便益を定量化してくれた」が21ポイント高くなっています。

順番が変わっただけです。買い手は先に自分で調べ、AIにも聞き、そのうえで「答え合わせ」をしに営業へ来る。だから会う前に読まれるものが薄いと、そもそも答え合わせの相手に選ばれません。

信用される情報源が入れ替わった

もう1つ、発注先選びで何を見ているかのデータがあります。TrustRadiusとHG Insightsが2026年7月に公表した「2026 B2B Buying Disconnect」(買い手n=1,862・ベンダーn=444/調査は2026年1月)です。

買い手が使う情報源割合変化
実際の使用者によるレビュー74%引き続き最上位
同業者・知人への相談53%
アナリストのレポート13%2022年比 −63%

そして同じ調査で、ベンダーへの要望の1位は4年連続で「透明な価格提示」でした。

権威のある第三者が「良い」と言っていることの価値が落ち、実際に使った人の話と、隠されていない価格に信用が移っている。中小企業にとっては、これは有利な変化です。ブランドの厚みでは大手に勝てなくても、自社で測った数字と料金を先に出すことなら今日からできます。

AI検索の対策は、設定ファイルではなく言及

「AIに推薦される会社になるには何をすればいいのか」は、この1年でいちばん多く聞かれるようになった質問です。ここは投資判断を間違えやすいので、先に順番を書いておきます。

Ahrefsが約7.5万ブランドを対象に行った調査では、AIでの見え方との相関はブランド言及が0.664、被リンクが0.218でした。加えて、AIが引用している内容の82%は自社サイトの外(第三者の記事やレビューなど)から来ています。

一方で、AI向けの案内ファイルとして話題になった`llms.txt`は、Googleが採用しない旨を明言しており、約13.7万サイトを対象にした調査では97%がそこからのトラフィックを得ていません。当社もこれは設置していません。

まとめると、優先順位はこうなります。

  1. 他社・他者に言及される状態を作る(レビュー、事例、登壇、共同発信)
  2. 言及されたときに受け止める自社ページを持つ(料金・実測・条件が書いてある固定の場所)
  3. 技術的な設定ファイルの類は最後(費用対効果が確認できていない)

「AI検索対策」という名前で最初に売られるのは3番目であることが多いのですが、効き目が確認されているのは1番目です。そして1番目を回すには、言及したくなる中身(=2番目)が要ります。

なお、noteのような外部プラットフォームは、この文脈では有効です。Ahrefs Brand Radarの集計(2025年12月〜2026年3月・約38万件)で、日本語のAI引用元としてnote.comは5位に入っています。当社もnoteは残しています。ただし外部への正規URL指定ができない仕様のため、同じ内容を自社と両方に置くと自社側が埋もれます。当社はこれを一度やって、自社側が埋もれました。詳しくは記事の検索順位が上がらない5つの原因にまとめています。

出すべき情報①:料金

ここから、会う前に読まれる場所に何を置くかの各論です。1つ目は料金です。

前述のとおり、買い手がベンダーに求めることの1位は4年連続で「透明な価格提示」でした。それでも料金を出さない会社が多いのは、案件ごとに違うからという理由が大半だと思います。実際そのとおりで、当社も個別見積もりになる部分はあります。

それでも出す価値があるのは、料金が予算の桁を合わせる装置だからです。桁が合っていない相手と商談すると、双方の時間が消えます。逆に桁が合っていれば、初回の商談は「いくらか」ではなく「何がどう変わるか」から始められます。

当社は自社のサービスページに、SEO記事作成代行なら月10本10万円/月30本20万円(1本あたり6,700円)と書いています。安さを売りにしているわけではなく、この金額を見て違和感がない会社とだけ話したいからです。

完全な金額が出せない場合でも、次のどれかは書けます。

  • 最低ロット(何本から・何ヶ月から)
  • 課金の形(月額固定か、成果連動か、都度か)
  • 費用が跳ねる条件(範囲外になる作業は何か)

料金の考え方そのものは記事作成代行の月額サブスク相場で詳しく書いていますが、ここでの主張は金額の水準ではなく、書いてあること自体が選ばれる理由になるという点です。

出すべき情報②:自社で測った数字

2つ目は実測です。他社事例の引用ではなく、自分のところで測った数字を指します。

当社が公開しているのは、たとえば次のような数字です。

  • 支援先の初期21本のうち、90%が検索10位以内(1位は9本)
  • 記事経由の案件化率は平均40%
  • 自社の企業noteは約90本で、上位12記事の合計が週233PV、最高は1記事650PV

3つ目のnoteの数字は、正直に言えば小さい数字です。それでも出しているのは、規模ではなく測っているという事実のほうが判断材料になるからです。詳細は企業noteを90本公開した実測データにまとめています。

ブログを始めて2週間の実測

ブログを始めて2週間の推移。7/25〜7/31(開始前)は表示回数76・クリック11、8/1〜8/7は表示回数99・クリック16(前週比+30%)、8/8〜8/14は表示回数422・クリック28(前週比+326%)
ブログを始めて2週間の推移。7/25〜7/31(開始前)は表示回数76・クリック11、8/1〜8/7は表示回数99・クリック16(前週比+30%)、8/8〜8/14は表示回数422・クリック28(前週比+326%)

直近で取得できた自社の数字も出しておきます(2026年8月14日までの実測)。当社は2026年8月1日から、この自社メディアで記事の公開を始めました。それ以前はサービスページだけのサイトです。Search Consoleで見た推移が下の表です(サイト全体・サービスページを含む)。

期間クリック表示回数前週比(表示回数)
7/25〜7/31(ブログ開始前)1176
8/1〜8/71699+30%
8/8〜8/1428422+326%

平均CTRは6.6%、平均掲載順位は8.5です。

ここで留保を2つ付けます。1つ目は、この内訳が細かい語に偏っていることです。表示回数が伸びた中心は「claude code note 自動化」(クリック6・表示36・順位4.8)のような、当社が実際にやったことをそのまま書いた記事のキーワードでした。「AI導入支援」のような太い語はまだ動いていません。

2つ目は、この期間が短すぎることです。新しいドメインが評価を得るまでには、競合が弱い領域で3〜6ヶ月、強い領域で1年程度かかるというのが実務側の共通見解です。2週間の伸びを「効果が出た」と言うつもりはありません。年末に同じ表を出したときに何が起きているかが本番です。

こうした留保を付けたうえで数字を出すこと自体が、実は3つ目の情報につながります。

出すべき情報③:向かない条件と、うまくいかなかった話

3つ目は、自社が向かない条件です。これがいちばん出しづらく、いちばん効きます。

当社は自社の新規開拓としてフォーム営業を194社分運用し、送信まで完了したのが125社、2026年7月時点で獲得リードは0件でした。この結果はBtoB新規開拓の手法9つを比較にそのまま書いています。うまくいかなかった記録を消さずに置いているのは、次の3つの理由からです。

  1. 同じことを検討している人にとって、成功例より失敗例のほうが判断に使える
  2. 良い話しか書いていないサイトは、営業を受け慣れた人ほど割り引いて読む
  3. 「どういうときに向かないか」が書いてあると、向いている人だけが問い合わせてくる

3つ目は商談の質に直結します。当社のサービス紹介ページにも「向かない企業」の項目を置いていますが(SEO記事作成代行とは)、そこを読んで問い合わせをくださる方との商談は、条件のすり合わせがほぼ終わった状態から始まります。

営業の現場感覚で言えば、これは断り文句を先に潰しておく作業です。買い手が本当に知りたいのは「できます」ではなく「うちの場合はどうなるか」で、そこには当然「合わないかもしれない」も含まれます。会う前にそれが読めるかどうかで、初回商談の中身が変わります。

出す順番と、効いているかの測り方

出す順番(当社が実際に手を付けた順)。①サービスページに料金の桁を書く(半日)②自社で測った数字を1つだけ公開する(1週間)③向かない条件を書く(半日)④検索される言葉で記事を積む(3ヶ月〜)
出す順番(当社が実際に手を付けた順)。①サービスページに料金の桁を書く(半日)②自社で測った数字を1つだけ公開する(1週間)③向かない条件を書く(半日)④検索される言葉で記事を積む(3ヶ月〜)

3つを一度に整えるのは大変なので、順番を書いておきます。当社が実際に手を付けた順です。

順番やること目安
1サービスページに料金の桁を書く半日
2自社で測った数字を1つだけ公開する1週間
3向かない条件を書く半日
4検索される言葉で記事を積む3ヶ月〜

1から3は既存ページの書き換えなので、その気になれば1週間で終わります。効果が出るのに時間がかかるのは4だけです。逆に言えば、時間がかかる4から始めてしまうと、1〜3が空欄のまま集客だけが増えることになります。読まれても判断できないページに人を集めるのがいちばんもったいない。

測り方も決めておきます。順位から見ると判断を誤るので、表示回数 → クリック率 → 順位 → 問い合わせの順に見ます。表示回数が増えていなければ、それは記事の質ではなく、そもそも検索される言葉で書けていない問題です。この切り分けは記事の検索順位が上がらない5つの原因に手順としてまとめています。

そのうえで、月に一度だけ次の質問に答えてください。「今月、会う前に読まれた形跡のある商談は何件あったか」。商談の冒頭で「記事を読みました」「料金を見て連絡しました」と言われた件数を数えるだけで構いません。この数字が増えていれば、会う前の情報は仕事をしています。

よくある質問

Q. 料金を出すと、安い会社と比較されて負けませんか?

比較はどのみち起きます。料金を出さない場合に起きるのは「比較されない」ではなく「候補から外れる」です。買い手が求めることの1位が4年連続で価格の透明性であるのは、比較したいからではなく、検討の初期に予算の桁を合わせたいからです。金額そのものより、何が含まれていて何が別料金かを書くほうが効きます。安さで負けるのは、金額だけが書いてあって中身と条件が書かれていないときです。

Q. 実測データがありません。何から公開すればいいですか?

支援実績がなくても、自社でやっていることの数字は必ずあります。当社が最初に出したのは、企業noteの週間PVという小さい数字でした。問い合わせから返信までの平均時間、1社あたりの準備にかけている時間、直近3ヶ月で作った資料の本数など、測って書けるものから1つで構いません。大事なのは規模ではなく、測って出しているという事実です。他社事例の引用は自社の証拠にはなりません。

Q. AIに推薦される会社になるには、何から手を付けるべきですか?

第三者に言及される状態を作ることが先です。相関はブランド言及0.664に対して被リンク0.218で、AIが引用している内容の82%は自社サイトの外にあります。具体的には、実名で語れる事例、使用者のレビュー、登壇や共同発信です。技術的な設定ファイル(`llms.txt`など)は、Googleが採用しないと明言しており、13.7万サイト調査でも97%が流入を得ていないため、優先度は最後で構いません。

Q. 記事は何本くらいから効き始めますか?

本数より、キーワードの選び方と期間で決まります。当社の場合はブログ開始から2週間で表示回数が76から422になりましたが、伸びたのは「自分たちが実際にやったことをそのまま書いた記事」の細かい語で、太い語はまだ動いていません。新しいドメインが評価を得るまでは、競合が弱い領域で3〜6ヶ月、強い領域では1年程度かかります。3ヶ月で判断せず、3ヶ月時点では表示回数だけを見るのが現実的です。

Q. 外注する場合、どこを見て選べばいいですか?

その会社が自社サイトで料金・実測・向かない条件を出しているかを見てください。この3つを自分で実行していない会社は、あなたのサイトでも同じことをしません。加えて、記事を納品して終わりか、公開後の表示回数まで見るかは契約前に確認してください。当社の場合は制作の工程そのものをSEO記事1本の制作プロセスで公開しているので、依頼する前に判断材料としてお使いいただけます。

参考文献

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執筆・監修:佐々木 優希(AIリモートワーカー代表/上場企業 営業統括 兼 AI責任者)

SFA・CRMのエンタープライズ営業として大手企業への導入を推進し、上場企業では営業統括とAI責任者を歴任。営業・マーケティング領域に特化して、AIの実装と運用設計を行っています。

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