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BtoBのLPをAIで自動生成する|任せられる工程と、壊れる4か所【2026年版】

佐々木 優希

佐々木 優希

上場企業 営業統括 & AI責任者

15分で読めます

目次
  1. この記事の要点
  2. 「LPをAIで自動生成する」は、4つの別作業が混ざっている
  3. 壊れる①:可視テキストから、検索されている語彙が消える
  4. 壊れる②:見た目を整えるCSSが、実機でだけ壊れる
  5. 壊れる③:OG・SNSカードは、作った側の画面では確認できない
  6. 壊れる④:計測と後段の配線は、ページの外にある
  7. ここで必ず返ってくる反論
  8. AIにLPを作らせるときに、人が握る5つの決定
  9. 検索とAI回答の両方から見られる前提で作る
  10. まとめ
  11. よくある質問

「LPをAIに作らせたら、30分でそれらしいページが出てきた」——ここまでは、いま誰がやってもほぼ同じ結果になります。問題はその2週間後です。スマホで開くと文字が左に寄っている。Xに貼るとカードに画像が出ない。検索には引っかからない。そして、問い合わせは1件も来ていない。

当社は自社ドメインで、コーポレート側だけで30ページ、それとは別に無料の診断ツールを12本、AIを使いながら作って運用しています。作る速度は確かに上がりました。ただ、公開後に壊れた箇所は毎回ほぼ同じ4つでした。この記事では、LP制作のどの工程がAIに任せられて、どの工程を人が握らないと壊れるのかを、当社が実際に踏んだ事故の記録から整理します。

この記事の要点

  • 「LPをAIで自動生成する」は、構成・原稿・実装・配線という4つの別作業が混ざった言葉。AIが速いのは前半2つで、事故が起きるのは後半2つ
  • 壊れる4か所は、①可視テキストから検索語彙が消える見た目を整えるCSSが実機だけで壊れるOG・SNSカードは作った側の画面では確認できない計測と後段の配線がページの外にある
  • 当社の実例:改行制御CSSを全ページに当てた結果、スマホで「文字が左に寄って右に謎の余白」が出て、2026-07-28に全削除した
  • OG画像は、中央の狭い安全域を外れると端が切れる。当社は2026-09-02に記事用OG画像11枚を作り直している
  • LPを1本直すと、フォームの選択肢・通知メールの件名・リード集計の分類まで連動する。ページだけ作り替えて終わりにすると、リードは来ても数えられない

「LPをAIで自動生成する」は、4つの別作業が混ざっている

LP自動生成の4工程(構成・原稿・実装・配線)とAIの得手不得手
LP自動生成の4工程(構成・原稿・実装・配線)とAIの得手不得手

まず言葉をほどきます。同じ「LPを自動生成する」でも、人によって指しているものが違い、そのせいで期待値がずれます。

工程中身AIの得手不得手人が握るもの
①構成誰に、何を、どの順で見せるか型は出せる。優先順位は決められない誰の、どの状況を捨てるか
②原稿見出し・本文・FAQ・CTA文言速い。品質も実用域事実かどうか、言い切ってよいか
③実装HTML/CSS・レスポンシブ・OG設定速い。が、実機で壊れる実機での確認と、禁止事項の明文化
④配線計測・通知・フォームの受け先・後段の集計指示すればできる。指示しないと存在しないどの数字で成否を判定するか

AIツールの紹介記事が「LPが数分で作れる」と言うとき、ほぼ①②③のことを指しています。④はページの外にあるので、生成物には現れません。そして、問い合わせが来るかどうかを決めているのは④です。

工程を分けて考える発想そのものは、営業のAI化でも同じ構図になります。詳しくは営業のどこまでAIに任せられるのかで、工程ごとに線の引き方を整理しています。

壊れる①:可視テキストから、検索されている語彙が消える

AIに「もっと洗練された表現に」と頼むと、ヒーロー(ファーストビュー)のコピーは確実に短く、抽象的になります。読み物としては良くなるのですが、このとき検索で使われている語彙が本文から消えることがあります。

当社は2026-09-03にサービス名を「SEO・LLMO記事作成代行」へ改めました。このとき、供給側(サービス提供会社)は「LLMO」と名乗るのに、検索する側は「AIO対策」で調べているというねじれが実測で出ています(Google トレンドの12ヶ月平均で「AIO対策」28に対し「LLMO対策」19、7月のピークで85対47)。そのためヒーロー・タグ・FAQの可視テキストに両方を必ず併記する、という決まりにしました。

ここが重要なところですが、`meta` タグやページの説明文にキーワードを残しても代わりにはなりません。検索エンジンも、生成AIの回答も、読み取るのはページに表示されている文章です。AIに文章を整えさせた結果として測定対象の語が本文から消えると、順位も引用も静かに落ちます。

さらにAI検索の側では、統計・出典・引用句を可視テキストに入れると引用率が最大30〜40%上がるという研究結果があります(Princeton らのGEO研究/KDD 2024)。削って綺麗にする方向とは逆です。この観点の詳細はChatGPTが自社を推薦しない理由を実測したにまとめています。

対策:消してはいけない語を先に固定する

AIに書き直しを頼む前に、「この語はページ本文から消さない」というリストを作って渡します。当社は、サービス名の主語(記事作成代行)・併記語(LLMO/AIO)・料金や本数のような具体数字を固定語にしています。生成後は、その語がページに残っているかを機械的に確認します。目視でレビューすると、読みやすくなった文章に納得して見逃します。

壊れる②:見た目を整えるCSSが、実機でだけ壊れる

これは当社が実際に踏んだ事故です。

見出しや本文の改行位置を綺麗にそろえようとして、`word-break: auto-phrase`(文節で改行する)と `text-wrap: balance`(行の長さをそろえる)を、h1〜h4 と段落・リストに全ページ適用していました。デザインの意図としては正しい指定です。

結果、行が幅いっぱいまで伸びずに途中で切り上がり、スマホで「文字が左に寄っていて、右に謎の余白がある」状態になりました。2026-07-28に全削除しています。当初は iOS Safari 非対応だから安全だと判断していたのですが、Safari 18.4 以降は対応しているため、実機で発症しました。`word-break: keep-all` も過去に同じくレイアウトを壊しています。

いまはリポジトリのスタイルシートに、この経緯を「触らないこと」というコメントとして残してあります。改行位置を整えたい場合はCSSではなく、コピーそのものを短くするか、スマホだけ効く改行タグを明示的に置く、という決まりにしました。

AIは、こういう「一見正しくて、特定の環境でだけ壊れる指定」を非常に自然に提案してきます。しかも生成した本人(AI)は実機を持っていません。実機で開く工程だけは、どうやっても人の側に残ります。

当社サイトの実測:コーポレート30ページ・診断ツール12本・OG画像11枚作り直し・問い合わせ3週連続0件
当社サイトの実測:コーポレート30ページ・診断ツール12本・OG画像11枚作り直し・問い合わせ3週連続0件

壊れる③:OG・SNSカードは、作った側の画面では確認できない

LPの成果がSNS経由に依存するBtoBでは、ここが軽視できません。

当社が踏んだ事故は3種類あります。

(a) ページごとにOGを書いたら、画像が消えた。 ページ側で `openGraph` を定義すると、サイト共通で設定していた `openGraph` が丸ごと置き換わります。画像の指定を書き忘れると `og:image` が消えます。実際に `/media` や `/seo/aio` で消えていました。AIは「このページのOGを設定して」と頼めば設定してくれますが、上書きされて消えるものまでは教えてくれません。

(b) OG画像の端が切れた。 SNSのスマホ表示では、カード画像の中央付近しか読めません。当社は2026-09-02に、記事用のOG画像11枚を安全域内に作り直しました。いまは公開のたびに全枚数を機械検証し、規格外が0枚であることを確認しています(直近の公開では全64枚でNG0件)。

(c) 画像も設定も正しいのに、カードが出なかった。 2026-08-14に事例ページのカードが画像なしで表示され、画像URLのバージョンを上げても直りませんでした。2026-08-19に測り直したところ、トップページを含め自社ドメイン全体でカードが小さくなっており、一方で同じ画面から note.com のURLは大きなカードで出ました。ページのメタ情報も画像も正常であることは機械検証で確認済みです。つまり自社側では直せない事象でした。対処は、リンクを貼るときに画像を実添付する運用へ切り替えることです。

(c)から学べることを一般化するとこうなります。「自分の側が正しいことを証明できる状態」を先に作っておくと、直せない事象に時間を溶かさずに済む。 原因が自分にあるのか相手にあるのか分からないまま、生成AIに「なぜカードが出ないのですか」と聞き続けるのがいちばん高くつきます。

壊れる④:計測と後段の配線は、ページの外にある

生成されたLPには、たいてい計測が付いてきません。付いていても「PVが取れる」レベルで、どの導線から問い合わせが来たかは分かりません。

当社がリードの流入元を記録する仕組みを作ったのは2026-08-24です。それまではサーバー側に残る参照元(=送信直前のページ)しかなく、「Xから来て料金ページを見て、事例を読んでから申し込んだ」という動線が一切分かりませんでした。設計上の判断としては、Cookieではなくブラウザ内の保存領域を使い、記録するのはサイト内のパスと流入元のホスト名だけ、氏名やメールなどの個人情報は保存しない、としています。なお、Googleは検索キーワードを渡してきません。取れるのは「検索から来た」という事実と着地ページまでで、キーワードは後段でSearch Consoleの実クエリと突き合わせて推定します。

もうひとつ、LPを1本直すと、ページの外まで連動します。

2026-09-04に、記事作成代行のLPのファーストビュー直下へ「無料サンプル1本」のCTAバンドを新設しました。このとき同時に必要になったのは、①問い合わせフォームの選択肢の先頭に該当項目を追加する ②その選択時だけ通知メールの件名を分岐させる ③リード集計側に新しいチャネルを追加して識別できるようにする、の3つです。ページの変更1に対して、外側の変更が3ありました。

同様に2026-09-01には、診断ツールの結果画面・完了画面・LP末尾など4か所に相談導線を置き、クリックを計測する配線を入れています。

計測が「0」なのか「取れていない」のかを区別する

ここは実際に28日間つまずいた箇所です。当社の日次レポートが、リード数を28日連続で「取得不可」と表示していました。原因は分析ツール側の描画仕様で、値が0のときセルを空欄のように描くため、集計スクリプトがそれを一律「取得不可」として扱っていたことでした(2026-08-30に修正)。実際には真の0件でした。

「0件」と「測れていない」は、打つ手が正反対です。前者はLPかオファーの問題、後者は配線の問題です。この区別がつかない状態では、AIに何を直させても当たりません。効果測定の型そのものについてはAI導入の効果が測れない理由で詳しく書いています。

ここで必ず返ってくる反論

「壊れるのはAIのせいではなく、実装レビューをしていないだけでは?」

半分そのとおりです。①〜④はどれも、人が手で書いても起こり得ます。ただ、AI生成で決定的に違うのは変更の粒度と速度です。手で書けば「ヒーローのコピーを3案」で終わる作業が、AIに頼むとページ全体が一度に書き換わります。改行CSSの件も、1ページの調整なら気づいたはずが、全ページ適用だったために「サイト全体が少し変」という気づきにくい形になりました。レビューの粒度を、生成の粒度に合わせて上げる必要があります。

「そこまで人が見るなら、AIで作る意味がないのでは?」

意味が残るのは、壊れる4か所が有限で、しかも毎回同じだからです。上の4つは、点検リストにしてしまえば公開のたびに機械で確認できます。逆に、構成と原稿を人が1から書く工程は毎回ゼロからで、短縮できません。固定費(点検)に変えられる作業をAIに渡し、変動費(判断)を人に残すというのが実務的な線引きです。

当社自身がうまくいっていないことも書いておきます。 上記の配線をすべて入れたうえで、直近の問い合わせは3週連続で0件です。検索側の数字は動いています(2026-08-25〜31のSearch Console実測で表示378・クリック25、アクセス解析では8/6〜9/2の28日間でセッション448・うち自然検索246)。つまり人は来ているのに、申し込みに至っていない。これはLPの実装ではなく、オファー(何を無料で渡すか)と、来ている人の検討段階が合っていない可能性が高い、と見ています。

ここから引ける教訓は1つです。実装の正しさは、成果の前提条件であって原因ではない。 4か所を直しても問い合わせが来ないなら、次に疑うのはページではなくオファーです。この「時間は浮いたのに数字が動かない」構図はAIで時間は浮いたのに数字が動かないにも書きました。

AIにLPを作らせるときに、人が握る5つの決定

AI生成LPで壊れる4か所と、それぞれの対策
AI生成LPで壊れる4か所と、それぞれの対策

順番に意味があります。上から順に決めてから生成させてください。

#決めること決めないとどうなるか
1誰を捨てるか(対象外を明記)全員に当たる無難なコピーになり、誰も動かない
2消してはいけない語(可視テキスト)推敲のたびに検索語彙が抜ける
3成否を判定する数字と期間「なんとなく反応が薄い」で終わり、次の手が決まらない
4公開前に機械で確認する項目改行・OG・リンク切れが本番で見つかる
5ページの外で連動する箇所リードは来ても、どこから来たか分からない

4については、当社は最低限この4点を確認しています——本番URLが200で返るか/構造化データが出力されているか/OG画像が安全域内か/サイトマップに載っているか。いずれも生成AIの画面ではなく、公開後の本番に対して確認します。

そのうえで、はじめから全部やろうとしないことです。ツール導入が失敗するときの共通点は、たいてい範囲を広げすぎることにあります(ツール導入が失敗する共通点)。1ページ目は、②可視テキストの固定語と⑤外側の連動だけを守れば十分に元が取れます。

検索とAI回答の両方から見られる前提で作る

最後に、2026年の前提を1つだけ。AI Overviews(検索結果の上部に出るAIの回答)が表示されるキーワードでは、自然検索のクリックが日本で38%減・グローバルで58%減という調査があります(Ahrefs、2025-12)。LPが読まれる経路は「検索結果からのクリック」だけではなくなっています。

これは、AIに読み取られる形で事実が書いてあるページのほうが有利になる、ということでもあります。前述のとおり、統計・出典・引用句を可視テキストに置く手法は引用率を最大30〜40%押し上げます。AIに「それらしい表現」を書かせて、事実と数字を削る方向に進むと、この2つの追い風を両方とも失います。

依頼先の選び方も含めた検索側の対策はAIO・LLMO対策を外部に依頼するときの費用、順位が上がらないときの切り分けはSEOで順位が上がらない原因にまとめています。

まとめ

LPのAI自動生成は、構成と原稿では確実に元が取れます。壊れるのは実装と配線で、しかも壊れ方は毎回ほぼ同じです。当社の実測でいえば、改行制御CSS、OGの上書きと安全域、可視テキストからの語彙落ち、そしてページの外にある計測と通知の配線——この4つです。

この4つを点検リストに落とし、生成の粒度と同じ粒度でレビューする。それだけで、「作るのは速いのに、公開後に毎回つまずく」状態からは抜けられます。そのうえで問い合わせが動かないなら、次に見るのはページではなくオファーです。

よくある質問

Q. AIだけでBtoBのLPを完成させることはできますか?

構成案・原稿・実装コードまでは出せます。ただし公開して成果を出すには、実機での表示確認、OGとSNSカードの検証、計測の配線、フォーム送信後の通知と集計の接続が必要で、これらは生成物の外側にあります。「ページができる」と「LPとして機能する」の間には、この4工程ぶんの差があります。

Q. LP自動生成ツールと、AIに直接書かせるのはどちらがよいですか?

計測とフォームの受け先が最初から付いてくる点で、専用ツールのほうが立ち上がりは速いです。一方、可視テキストの語彙を細かく制御したい場合や、既存サイトのデザインに揃えたい場合は、AIに直接書かせて自社のコードベースに載せるほうが自由度があります。判断の分かれ目は「④配線を自分で作れるか」で、作れないならツール、作れるなら直接生成です。

Q. AIが書いたコピーの、どこを人がチェックすればよいですか?

3点です。①事実かどうか(実績・数字・比較の断定)②消してはいけない語が残っているか(検索される語彙)③言い切りすぎていないか。特に③は、AIは自然に「必ず」「誰でも」「最短で」という語を足します。BtoBの検討層はここで一段引くので、条件つきの言い方に戻してください。

Q. スマホで表示が崩れます。原因の探し方は?

まず、改行やテキストの折り返しを制御するCSSを疑ってください。当社は文節改行と行長そろえのCSSを全ページに当てたことで、スマホで文字が左に寄る状態になり、2026-07-28に全削除しました。PCのブラウザを縮めるだけでは再現しないことがあるので、実機で開いて確認します。

Q. SNSに貼ってもカードに画像が出ません。何を確認すればよいですか?

順に、①ページ固有のOG設定で画像の指定が消えていないか(ページ側でOGを定義すると共通設定が上書きされます)②画像が実際に200で返るか③画像の主要な文字が中央の安全域に収まっているか、を確認します。すべて正常でも出ないことはあります。当社は2026-08-19に、自社ドメイン全体でカードが小さくなる事象に当たりました。自分の側の正しさを機械で証明できるようにしておくと、そこで切り上げて画像の実添付に切り替えられます。

Q. 効果はどのくらいで判断すればよいですか?

実装の正しさ(表示・カード・計測)は公開当日に確定します。検索からの流入は1〜2ヶ月、問い合わせ数は3ヶ月を見てください。ただし判定に使う数字と期間を、公開前に決めておくことが条件です。当社は「0件なのか、測れていないのか」を区別できない状態で28日を過ごしたことがあります。

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執筆・監修:佐々木 優希(AIリモートワーカー代表/上場企業 営業統括 兼 AI責任者)

スタートアップでのトップセールス、SFA・CRMのエンタープライズ営業マネージャーを経て、現在は上場企業で営業統括とAI責任者を兼任。自社サイトのLP・記事・診断ツールは、すべてこの環境で作って運用しています。

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