営業のプロンプト12本|商談前・商談後・提案・追客・数字まわりでそのままコピーして使える型
営業で使えるプロンプトを12本まとめました。すべて、当社と支援先で実際に使っている型です。
先に、この記事の使い方を書いておきます。プロンプトは集めても効きません。自分の業務に当てはめて1回使い、出力を見て条件を1行足す。これを3回やったものだけが残ります。だから12本を全部読む必要はありません。明日ある商談か、今日あった商談に当たるものを1本だけ選んでください。
この記事の要点
- 営業のプロンプトは5分類で足りる。①商談前 ②商談後 ③提案 ④追客・掘り起こし ⑤数字・報告
- どの型も骨格は同じ。役割/材料を貼る/条件を数字で/材料にないことは足さない。この4つが入っていないプロンプトは一般論を返す
- 1本ずつ「人が最後に確かめる場所」を決めておく。確かめられない出力(提案の筋・追う/追わないの判断)はAIに渡さない
- 集めたプロンプトは、3回使って条件を足したものだけが自分の型になる。写経して終わると翌週には使われていない
- 組織で効かせるなら、配るのはプロンプトではなく「自分のどの業務に使うと決めたか」を共有する場です
使う前に:4行の骨格
12本すべてに、この骨格が入っています。自分で新しく書くときも同じです。
- 役割:「あなたは法人営業の同僚です」
- 材料:メモ・原文・公開情報をそのまま貼る(自分で要約しない)
- 条件を数字で:「5行以内」「3つ」「200字前後」
- 埋めさせない一文:「材料に書いていないことは足さないでください。分からないところは【要確認】と残してください」
4つ目がないと、AIは空白を埋めます。埋まった空白は商談で崩れます。
① 商談前(3本)
1. 初回商談の準備メモ
あなたは商談準備のアシスタントです。
以下の会社情報と問い合わせ背景から、初回商談の準備メモを作ってください。
1. 事業の要約(3行)。事実は貼った情報の範囲で書き、推測は文末に(推測)と付ける。
2. 想定される課題を3つ。それぞれ「なぜそう思うか」を1行添える。
3. 商談の冒頭で聞くべき質問を5つ。答えによって提案が変わる質問を優先。
社名・部署名・数字は貼った情報のまま使い、分からないところは【要確認】と残してください。
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【会社名・所在地・従業員規模】
【会社HPの事業内容やニュースを貼る】
【問い合わせフォームの内容や紹介の背景を貼る】
人が確かめる場所:社名・事業内容・数字。「(推測)」の行は商談で口に出さず、本人に聞きます。
2. 商談で聞くことを7個に絞る
上で出した準備メモをもとに、初回商談で聞く質問を7個に絞ってください。
条件:
- 調べれば分かることは外す
- 答えによって提案の中身が変わる質問を優先する
- 聞く順番も決める(答えやすい質問から)
- 各質問に「この答えが◯◯だったら、提案はこう変わる」を1行添える
人が確かめる場所:順番。相手の役職によって、最初に聞くべきことは変わります。
3. 断られた相手への再アプローチ
前回このように断られた相手へ、3ヶ月後に送るメールの下書きを作ってください。
前回の断り: 【断られた理由をそのまま】
その後の変化: 【自社側で変わったこと】
条件:
- 200字以内
- お伺いを立てる形にしない
- 変化の事実から書き始める
- 前回の断りを蒸し返さない
人が確かめる場所:送るかどうか、送るタイミング。
② 商談後(3本)
4. 先方に送る議事録
以下は商談のメモ(またはオンライン会議の自動文字起こし)です。
先方に送れる議事録に整えてください。
条件:
- 5行以内
- 「決まったこと」「持ち帰り」「次回日程」の3つに分ける
- メモに書いていないことは足さない
- 聞き取れていない箇所は【要確認】と残す
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【メモを貼る】
人が確かめる場所:合意事項と期日。「言った気がする」を確定情報にしないこと。
5. ネクストアクションとお礼メール
同じメモから、商談後のフォロー一式を作ってください。
1. ネクストアクション:「誰が/何を/いつまでに」の表。当社側と相手側を分ける。
2. お礼メールの下書き:件名と本文。300字前後、丁寧め。
合意事項とネクストアクションを1〜2行で入れる。
社名・氏名・数字・日付はメモの表記のまま使ってください。
最後に、送る前に私が確認すべき点を箇条書きで添えてください。
人が確かめる場所:送信ボタン。ここは自動化しません。
6. 社内共有用の案件サマリー(SFA入力)
同じメモから、社内共有用のサマリーを作ってください。
- 相手の困りごと(先方の言葉のまま引用)
- いま任せている外部・社内の体制
- 予算の感触(言及がなければ「言及なし」と書く)
- 決裁の流れ(誰が決めるか)
- 導入時期の感触
推測を混ぜず、言及がない項目は「言及なし」と書いてください。
人が確かめる場所:「言及なし」が多い項目。それが次回の宿題になります。
③ 提案(2本)
7. 提案書の構成案
ヒアリング内容から、提案書の構成案を作ってください。
条件:
- 見出しは、先方が実際に使った言葉をそのまま使う
- 章は5つまで。各章に「その章で相手に何を思ってほしいか」を1行添える
- こちらの機能説明から始めない
- ヒアリングに出ていない課題を足さない
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【ヒアリングメモ】
人が確かめる場所:章の順番。決裁者が誰かで変わります。
8. 想定される反論と、その場で返す一言
この提案に対して、先方から出そうな反論を5つ挙げてください。
条件:
- ヒアリングで実際に出た懸念を優先する
- 各反論に「その場で返す一言(2行以内)」と「持ち帰って確認すること」を分けて書く
- 言い負かす言い方にしない。相手の懸念が正しい場合は、正しいと認める形で書く
人が確かめる場所:認めてよい懸念かどうか。ここは経験の領域です。
④ 追客・掘り起こし(2本)
9. 止まっている案件の優先順位づけ
以下は、提案後に止まっている案件のメモです。
次に連絡すべき順に並べ替えてください。
判断材料:
- 最後の接触からの日数
- 先方が最後に言ったこと(原文を引用する)
- 決裁の流れが分かっているか
条件:
- 並べた理由を1案件1行で書く
- 材料が足りず判断できない案件は「判断材料なし」として最後にまとめる
人が確かめる場所:最終的な追う/追わないの判断。これはAIに渡せません。
10. 失注案件の共通点
以下は、直近の失注案件のメモです。共通点を探してください。
1. 失注のタイミング(初回/提案後/見積後/稟議)で分類する
2. 各分類で、先方が実際に口にした言葉を引用する
3. 3件以上に共通して出ている言葉だけを「共通点」として挙げる
4. 2件以下のものは「共通点とは言えない」と明記する
推測で理由を作らないでください。
人が確かめる場所:出た共通点が本当の敗因か。案件の記憶を持つ人しか判定できません。
⑤ 数字・報告(2本)
11. 受注一覧の集計
このシート【受注一覧】の1行目はヘッダーで、
A列=受注日/B列=担当者/C列=会社名/D列=商材/E列=月額/F列=契約月数/G列=状態 です。
1. 状態が「受注」の行だけを対象に、【対象月】の合計を出す
2. 担当者別・商材別・前月比の3つの表にする
3. 前月比は増減額と増減率の両方を出す
4. 元データに無い月は、0ではなく「データなし」と書く
人が確かめる場所:対象月の絞り込み条件。ここを間違えると全部ずれます。
12. 上申用の1枚サマリー
以下の情報から、上長への報告を1枚にまとめてください。
- 結論を最初の3行に置く
- 数字は「いつ時点の・誰が測った・何の数字か」を必ず添える
- 判断してほしいことを1つだけ、最後に明記する
- 分からないことは「未確認」と書く
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【案件や施策の経緯を貼る】
人が確かめる場所:判断してほしいことが1つに絞れているか。2つあると決裁は止まります。
プロンプト集を配っても定着しない理由
ここまで12本出しておいて何ですが、プロンプト集を配るだけでは組織の数字は動きません。
総務省『令和8年版 情報通信白書』では、営業・販売で生成AIを活用している企業が59.6%、効果を実感しているのが37.5%でした。差は−22.1ポイント。使っている人はいるのに、効果が出ていない状態です。
理由は、プロンプトが「知識」として配られて、「自分のどの業務に当てる」が決まらないからです。12本読んだ人と、1本を自分の商談に当てて3回直した人では、翌月に残っているものが違います。
当社が運営する営業マーケAIスクールでは、1本5分の動画を見終わるたびに「自分のどの仕事に使うか」を1つ選ぶ投票を出しています。測っているのは視聴率ではなく、その件数です。職種別のプロンプトは16職種×30業務の480件を用意していて、個人なら登録なしで無料で全部読めます(会社として人数ぶん配り進捗を見る法人プランは有料で、御社専用の環境がつきます)。
よくある質問
Q. プロンプトは長いほうがいいですか?
長さではなく、条件が数字で書かれているかです。「簡潔に」ではなく「5行以内」。「いくつか」ではなく「3つ」。ただし、材料(メモや原文)は長くて構いません。むしろ要約せずにそのまま貼るほうが、出力は安定します。
Q. 毎回コピペするのが面倒です
3回使って形が固まったものだけ、メモアプリやスニペット機能に登録してください。最初から全部登録すると、使わないものが増えて探す時間のほうが長くなります。チームで共有するのは、さらにその後で十分です。
Q. 同じプロンプトなのに、出力の質が日によって違います
材料の量と形が変わっている可能性が高いです。特に、会議の自動文字起こしは長さのばらつきが大きいので、「5行以内」などの条件を必ず添えてください。それでもぶれる場合は、良かった出力をプロンプトに貼って「この形式で」と指定すると安定します。
Q. 顧客名や金額を貼っても大丈夫ですか?
会社の方針に従ってください。実務的な最小ラインは、顧客名・担当者名・未公開の数字が入る資料は、社外に出ない設定の環境でだけ扱うことです。判断に迷うなら、固有名詞を【A社】に置き換えれば、ほとんどの用途は足ります。
Q. どの業務から使い始めるべきですか?
件数が多い×出力をその場で確認できる×間違えても社外に責任が出ないの3つを満たす業務です。多くの営業組織では、商談準備(1番)か議事録(4番)になります。
Q. チームに広げるには何をすればいいですか?
週1回、「今週どの業務に使った?」と聞くだけで変わります。評価に結びつける必要はありません。加えて、誰がどの業務に使っているかが一覧で見える状態を作ると、真似が始まります。マニュアルを配るより速いです。
御社の営業工程のどこからAIに渡せるかは、商談件数と体制で変わります。30分の無料AI業務診断では、営業・マーケ業務を棚卸しして「どの工程をAIに渡せるか」「浮いた時間をどこに戻すか」をA4一枚にまとめてお渡ししています。
ai-remote-worker.com/shindan 無料AI業務診断(30分) 御社の業務を棚卸しし、AIに渡せる業務と削減インパクトをA4一枚の診断書にまとめてお渡しします。参考
- 総務省『令和8年版 情報通信白書』(生成AIの業務別の活用状況と効果実感):総務省
- 職種別のプロンプト(16職種×30業務=480件)は営業マーケAIスクールの棚で公開しています(個人は無料・法人は有料で専用環境つき)
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執筆・監修:佐々木 優希(上場企業 営業統括 兼 AI責任者)
某有名SFA・CRM企業でエンタープライズ営業マネージャーとして大手企業への導入を推進。スタートアップではトップセールスとして営業数名から200名規模へのスケールを牽引し、現在は上場企業で営業統括とAI責任者を兼任。売る側・導入する側・AIを入れる側の3つの立場から、営業・マーケティングのAI実装を支援しています。