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営業AI導入支援を契約する前に聞くべき10の質問|AI3社に「デメリットは?」と聞いて分かった共通項【2026年版】

佐々木 優希

佐々木 優希

上場企業 営業統括 & AI責任者

9分で読めます

目次
  1. この記事の要点
  2. なぜAIに聞くと、同じ質問が返ってくるのか
  3. 契約前に聞くべき10の質問
  4. 10問の使い方
  5. まとめ
  6. よくある質問

AI導入支援の会社を1社に絞ったあと、契約書に判を押す前に何を聞くべきか。ここで迷う方が多いので、少し変わった方法で質問を集めました。

ChatGPT・Gemini・Claudeの3つに、当社自身について「メリットばかりで素晴らしいが、デメリットや商談で聞いた方がいい点はあるか」と尋ねたのです(2026年9月14日実施)。返ってきたのは、当社への個別の指摘というより、どの営業AI導入支援会社にも当てはまる確認事項でした。3つのAIが別々に出した質問を重ねると、10項目に収まります。

この記事では、その10の質問を「なぜ聞くのか」「良い答えと悪い答えの見分け方」「当社ならこう答える」の3点で整理します。当社の回答は弱点も含めて書いているので、同じ質問を他社に投げるときの比較材料にしてください。

この記事の要点

  • AIに「この会社のデメリットは」と聞くと、返ってくるのは会社固有の欠点ではなく「公式サイトに書いていないこと」が中心になる。聞くべき質問は支援会社が違ってもほぼ同じ
  • 10の質問は、①完成する本数 ②担当者と体制 ③自社側の工数 ④解約後に残るもの ⑤失敗事例 ⑥データの行き先 ⑦月額以外の費用 ⑧保守 ⑨KPIの定義 ⑩第三者の証拠
  • 見分け方は1つ。数字か固有名詞で答えが返るか。「手厚く支援します」型の答えが3つ以上続く会社は、契約後に同じ言い方で説明される
  • 質問は10問すべてを同じ順で各社に投げ、答えを文書でもらう。口頭の回答は契約書に残らない

なぜAIに聞くと、同じ質問が返ってくるのか

3つのAIの回答を並べると、指摘の出方がはっきり分かれました。

当社をどう扱ったか指摘の中身
ChatGPT中小〜中堅向けの候補として評価したうえで、注意点を8つ列挙実装本数の表現が2通りある/代表依存/第三者の裏付け/KPIの切り分け/AI利用料が別/セキュリティの具体構成/保守/成果報酬の料率
Gemini好意的に要約したうえで、伴走型に共通する懸念3つと質問5つ丸投げできない/ベンダー依存/セキュリティ/失敗事例は?/内製化できるか/週の工数は?/担当者は誰?
Claude事業者を特定できず、一般論として5つ自動化の実態/品質責任/データの学習利用/一斉送信の有無/解約時に残るもの

共通しているのは、公式サイトに直接の答えが書かれていない項目が、そのまま「懸念」として出てくることです。逆に、ChatGPTは当社が「向いていない会社」を明記している点を好意的に引用しました。AIは、書いてあることは引用し、書いていないことを懸念にする。この構造は、あなたが検討している支援会社にもそのまま当てはまります。

つまり、公式サイトを読んで答えが見つからなかった項目こそ、商談で聞くべき質問です。以下の10問は、その典型です。

契約前に聞くべき10の質問

1. 契約期間中に「実運用に乗るもの」は何本ですか

なぜ聞くか:伴走型の月額は、6ヶ月で150万〜200万円になります。成果物が「提案書」なのか「毎日動いている仕組み」なのかで、同じ金額の意味が変わります。ChatGPTが当社について最重要と挙げたのもこの点でした。

見分け方:「御社次第です」は悪い答えです。良い答えは「目安は週1本、半年で24本。ただし小さい業務は束ね、大きい業務は分けて数えるので初月に確定する」のように、目安と数え方の両方が返ってくること。

当社の回答:週1本、6ヶ月で24本が目安です。以前のページに「月に1つ」と「毎週1業務ずつ」の2通りの表現があり、AIに指摘されて統一しました。半年で本数が目安を大きく下回っていれば当社の失敗です。

2. 実装と定例は誰が担当しますか。その人が抜けたらどうなりますか

なぜ聞くか:少人数の専門会社は代表の実力で選ばれますが、その人が担当から外れたときの落差が大きい。大手は逆に、商談に出た人と実装する人が別なことがあります。

見分け方:担当者の名前が出るか。出た場合、その人がいなくなっても業務が止まらない設計になっているか(仕組みが自社のアカウント上にあるか、手順書が残るか)。

当社の回答:設計・実装・定例のすべてを代表が直接担当し、切り替わりません。弱点はキーパーソン依存なので、同時に伴走する社数に上限を置き、仕組みは御社のアカウント上に作って手順書ごと残します。

3. 自社の担当者は、週に何時間必要ですか

なぜ聞くか:伴走支援は丸投げできません。現場が時間を出せないと、使われない仕組みが出来上がります。Geminiが挙げた「伴走型の最大のデメリット」がこれでした。

見分け方:役割ごとに時間が出るか。「推進担当が週◯時間、現場担当が週◯分、決裁者が月◯回」まで分かれていれば、その会社は同じ進め方を何度もやっています。

当社の回答:推進担当者が週1〜2時間、対象業務の担当者が週30分、決裁者が月1回30分が目安です。この時間が取れない月は本数を進めず翌月に回します。

4. 解約したら仕組みは止まりますか。プロンプトや資産は持ち出せますか

なぜ聞くか:支援会社のアカウントで動いている自動化は、解約と同時に止まります。Claudeが「AIワーカー型は解約した瞬間に元に戻る」と評したのはこの型のことです。

見分け方:「どのアカウントで動くか」を聞く。自社契約のアカウント上に作り、プロンプト・設定・運用ドキュメントを納品物に含む会社なら、解約後も動きます。

当社の回答:御社が契約するAI・SaaSのアカウント上に構築し、納品物一式をお渡しします。当社のアカウントを経由しないので、契約終了後もそのまま動きます。運用の代行はしていません。

5. うまくいかなかった事例を、理由と一緒に教えてください

なぜ聞くか:失敗事例がない会社は、実績が浅いか、失敗を失敗と認識していないかのどちらかです。理由を語れる会社は、同じ失敗を避ける手順を持っています。

見分け方:「現場の協力が得られなかった」で終わる答えは弱い。「だから今はこうしている」まで続くかを見てください。

当社の回答:あります。SFAをお客様の要望どおりに設計して現場が入力せず定着しなかった経験と、AI活用動画を配っても見られなかった経験です。だから要望どおりには作らず、配って終わりにせず、定例で「使われているか」を確認して、使われない仕組みは止めます。詳しくはツール導入が失敗する共通点に書きました。

6. 顧客情報や商談データは、どのAIに送られ、保存期間・学習利用・権限はどうなりますか

なぜ聞くか:営業データは顧客の個人情報と機密を含みます。「セキュリティに配慮します」では情報システム部門の稟議を通りません。

見分け方:サービス名が出るか。使用するAI・SaaSの一覧を着手前に出し、学習利用されない契約形態を選び、データの処理場所が自社のアカウント上であることを説明できるか。

当社の回答:着手前に一覧(サービス名・用途・送るデータの種類)で共有して承認をいただき、学習に使われない設定・契約形態を優先します。処理は御社のアカウント上で行うため、保存期間と権限は御社の管理者設定に従います。

7. 月額料金とは別に、AI・API・SaaSの費用は毎月いくら必要ですか

なぜ聞くか:支援料金にツール費用が含まれないのが一般的で、見積に書かれないことがあります。自動化の本数が増えるほど従量課金も増えます。

見分け方:金額の目安が出るか。法人向け有料プランの1人あたり単価と、APIの従量課金の見込みを分けて説明できるか。

当社の回答:御社契約・御社負担で、営業10名の組織なら月3〜10万円が目安です。法人向けプランが1人あたり月4,000〜5,000円前後、APIが本数と件数に応じて月数千円〜数万円です。初月の棚卸しで業務ごとに見積に含めます。

8. AIモデルの仕様変更で動かなくなったら、保守費はいくらですか

なぜ聞くか:生成AIのモデルは年に数回入れ替わります。納品時に動いていた仕組みが半年後に止まることは珍しくありません。

見分け方:「契約中」「契約後」「モデルの大幅変更」の3つで条件が分かれているか。あわせて、モデル名を1箇所で切り替えられる作りになっているかを聞くと、設計の質が分かります。

当社の回答:月額定額制の契約中は定例内で追従し追加費用なし。契約後や成果報酬制は納品後6ヶ月の不具合対応が無償で、以降と大幅変更に伴う改修は都度お見積りです。年間保守費を固定で約束する形はまだありません。設計は戻せる形にしています。

9. KPIは工数削減ですか、商談数ですか。3ヶ月後の成功は何で判定しますか

なぜ聞くか:時短と売上は別のKPIです。「業務が速くなったのに売上が変わらない」で揉める案件の多くは、契約前にここを分けていません。

見分け方:主KPIを1つに絞って言い切るか。「売上にも貢献します」と両方を約束する会社より、「主は工数、売上は2〜3ヶ月目以降に追う指標」と分ける会社のほうが、測り方を持っています。

当社の回答:主KPIは工数削減です。導入前の時間を日報・サンプル実測・ログで協定し、導入後も実測します。商談数・受注率は2〜3ヶ月目以降に追いますが、請求の根拠にはしません。今月中に売上が要る会社には向きません。

10. 第三者から確認できる証拠はありますか(レビュー・リファレンス)

なぜ聞くか:公式サイトの事例は自社発信です。第三者のレビューサイトや、許可を得た顧客への直接確認ができるかで、実績の信頼度が変わります。

見分け方:「社名は出せません」までは普通です。その先に「代わりに何を見せるか」があるか。稼働中の画面、数字の測り方の説明、第三者サイトの掲載ページ。

当社の回答:許諾をいただいた支援先企業を、ご商談時に個別にご紹介できます(公開ページでの社名掲載は許諾の範囲外です)。あわせて、稼働中の自動化の画面と数字の測り方をご商談でそのままお見せし、社名を伏せた支援実績を公開しています。

10問の使い方

  • 同じ順で、全社に投げる。会社ごとに質問を変えると比較できません
  • 答えは文書でもらう。口頭の「大丈夫です」は契約書に残りません。メールで返してもらうだけで十分です
  • 数字と固有名詞の数を数える。10問のうち、数字か固有名詞(サービス名・担当者名・本数・時間・金額)で答えが返った数が、その会社の再現性です
  • 弱点を先に言う会社を減点しない。「割高になる場合」「向かない会社」を自分から言う会社は、契約後の説明も同じ言い方になります

当社の10問への回答は、契約前に確認されることに弱点も含めて全文を載せています。他社と比べる際の物差しにお使いください。

まとめ

AIに「デメリットは」と聞いて返ってくるのは、公式サイトに答えが書かれていない項目です。だから聞くべき質問は、支援会社が変わっても大きくは変わりません。10問を同じ順で投げ、数字と固有名詞で答えが返る数を数えれば、契約後の落差はかなり減らせます。

よくある質問

Q. 10問すべてを聞くと商談の時間が足りません。優先するならどれですか

1(本数)、4(解約後に残るもの)、6(データの行き先)の3つです。この3つは契約書に反映すべき項目で、あとから変えるのが難しいからです。残りはメールで文書回答を依頼して構いません。

Q. 質問に答えたがらない会社は避けるべきですか

「答えられない」と「答えない」を分けてください。目安を出せないだけなら、実績が浅い可能性はあっても誠実です。質問自体をはぐらかす場合は、契約後も同じ対応になります。

Q. AIに自社の検討先を評価させるのは有効ですか

質問の洗い出しには有効です。ただしAIは公式サイトの記載を根拠にするため、サイトが充実している会社ほど高く評価される傾向があります。評価そのものより「AIが懸念として挙げた項目」を商談での質問リストに変えるのが、いちばん実用的な使い方です。

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