AIリモートワーカー

一人の会社を、AIの社員で回す

一人で始めた事業の「集客 → リード → 商談準備 → 改善」をAIに任せて、人間は判断だけをする会社にしました。その全体図です。

佐々木優希|2026-08-29時点の実測値で作成

発表の録画(6分1秒・2026-08-30)。スライドだけでなく、実際に毎朝動いている画面——カレンダーの商談検出から、企業リサーチ、提案レポート、提案資料、フォローメールまで——をそのまま映しています。

発表で話した内容(書き起こし)

「一人の会社をAIの社員で回す」というテーマで共有させていただきます。私は前職でSFAのエンタープライズ営業マネージャーをやっていて、いまは上場企業で営業統括を経てAI責任者をしています。今回は「AIリモートワーカー」の話を中心にします。

AI化で何ができているかというと、ホームページの運営、記事執筆、SNS・note発信、リード対応、商談リサーチ、提案、資料作り、数字の振り返り——営業・マーケティングに関わるところは全てAI化できています。では人はどこに入るのかというと、結論、商談だけです。

集客からCSまでの流れがほぼ全てAI化できているのですが、全部話すと長いので一部だけ切り取って紹介します。結論から言うと、今朝起きたら今日の商談の提案書が届いている状態が作れています。この作業は手作業だと1時間半ほどかかりますが、AIによって13分でできる世界観になっています。

他にできた実績としては、19業務を全て削減(時間でいうと94%)。26本の自動ルーティンが毎日・毎週走っていて、40個近くのスキルがこの半年でできました。170本以上のブログ更新、週次でPDCAが回る仕組みも作っています。人間が手を動かすのは商談と、PDCAの内容がずれていないかの確認だけです。

この半年でいろいろミスもしましたが、いちばん学んだのは、AIが間違える前提で仕組みを作ること。エラーチェックをして自動修復する体制を作ることが一番だったなと思っています。

流れも見てもらったほうがいいので簡単に紹介します。うちの場合は日程調整でリードが入ってくるのですが、Googleカレンダーに企業名と、フォームに入っている課題・背景が表示されるので、その情報を自動でクローリングできるようになっています。その情報をもとに企業をリサーチした上で、提案レポートが出ます。

これも精度が高くて、公開情報やお客さんが書いた課題、「このブログ記事を見たということは、こういう課題がありそうです」といった推察まで含めて、自社サービスとはこういう意味でマッチするので、ここをヒアリングした上で提案してください、というところまで作られています。提案資料も、そのまま渡せるレベルのものが自動で出てきます。

商談当日にはリマインドで「今日の商談はこんな相手ですよ」と出てきて、資料もレコメンドされる。私は朝5分くらい見て商談に臨む体制ができています。商談はMTGの議事録を取っているので、その内容を自動で見に行って、フォローメールも自動でGmailに作られます。

あとは日次で「昨日はこのくらい流入がありました」「この施策は順調です」「順調でないなら、このネクストアクションがいいと思うので自動修復しておきました」「自動修復できるか判断がつかなかったので、ここは代表が判断してください」——そういうところまで作っています。

私自身が営業・マーケティングの専門というところがあるので、それを活かしたAI導入支援のサービスをやっています。Xの発信も1日3〜4投稿を自動で作っていますし、そこは一次情報を学習させた上で投稿させるので、独自性のあるしっかりした投稿ができています。同様にホームページも1日1本、オウンドメディアとしてブログが出ますし、noteも1日1本、Amebaもそうです。

こういったところをしっかりやっていくと、AIが自社の情報を学習してくれて、GeminiもChatGPTもClaudeも、こちらをきちんと評価してレコメンドしてくれる体制ができています。自動でリードが入ってくる流れができているので、商談に集中するだけでミッション・ビジョン・バリューが達成できる格好になっています。

私は秋田出身で、富山の田舎に住んでいます。AIを駆使したAIリモートワーカーを世の中に輩出することが、地方創生の鍵だと確信しています。場所に限られず働ける環境を用意することで日本は本当に変わると思っていますし、人が少ない状態でもそれが実現できるというのは、非常に面白いと思っています。

自己紹介

佐々木優希

佐々木 優希

AIリモートワーカー 代表

  • ・SFA・CRMのエンタープライズ営業マネージャー
  • ・スタートアップのトップセールス(営業数名から200名規模への現場)
  • ・上場企業で営業統括を経て、いまはAI導入の責任者

ずっと営業で、エンジニア経験はゼロ。それでもこの半年間で、ここまで作りました。

前提:一人で、ぜんぶ

中小企業の営業・マーケティングをAIで支援する事業「AIリモートワーカー」を 一人で運営しています。社員はいないので、HP運営・記事執筆・SNS・ リード対応・商談リサーチ・提案資料・振り返りまで、ぜんぶ自分の仕事です。

解決したかった面倒

一人でやれる時間はかぎられています。なのに、商談1件の準備(企業リサーチ・トークスクリプト・提案資料)だけで 1時間半かかっていました。「自分が寝ている間も動く会社」を作らない限り、この事業は続かない—— そこが、この半年の出発点でした。

作ったもの:会社の全体地図

顧客の流れ(左→右)に沿って、AIの担当と人間の担当を並べた図です。人間が出てくるのは6ステージ中1箇所だけ。 残りはClaude Code+自作スキル39個が毎日決まった時刻に動いています。

AIが担当

📣

1. 集客

  • 自社メディアのSEO記事を毎朝1本 執筆→公開(39本)
  • AI活用事例集を自動リサーチ→公開(17本)
  • noteのSEO記事を週7本生成→毎朝1本公開(114本)
  • Xの投稿・リプ営業・リプ返しを毎日自動運用
  • AI検索(ChatGPT等)の引用を毎週定点観測→負けたら記事を自動起票

AIが担当

📨

2. リード獲得

  • HPフォームの問い合わせを自動スキャン
  • 流入元・検索キーワードを自動計測(自前計測+Search Console突合)
  • 日次ダッシュボードで数字を毎朝レポート

AIが担当

🔍

3. 商談前

  • カレンダーの商談予定を自動検出
  • リードの相談内容と突合→企業リサーチ
  • 提案レポート・トークガイド・提案スライドを自動生成
  • 商談前に成果物一式が自分のメールに届く

人間が担当

🧑‍💼

4. 商談

  • ここだけ人間。判断と対話に集中する
  • 届いた資料をレビューして臨むだけ

AIが担当

✉️

5. 商談後

  • フォローアップメール文を自動生成
  • 事例を資料・動画に自動変換して次の営業へ再利用

AIが担当

🔁

6. 改善

  • 毎週火曜 深夜1時に全チャネルの週次PDCAを自動実行
  • 改善キューに起票→安全な打ち手(直す・減らす・書き換える)は自動実装
  • 「送る・払う・消す」だけ人間が承認

※青=このあと深掘りするステージ/オレンジ=人間が手を動かす唯一のステージ

深掘り:朝起きたら、提案資料が届いている

いちばん時間を食っていた「リード獲得後〜商談準備」の1本を深掘りします。 リードが入ってから商談に出るまで、人間の作業はレビューだけです。

1

リード発生

HPフォームから問い合わせが入り、カレンダーに商談が入る

2

自動検出

AIが毎朝カレンダーを読み、未処理の商談だけを拾う(二重処理防止の台帳つき)

3

リード突合

問い合わせメールの相談内容・課題と商談予定を突き合わせる

4

企業リサーチ

相手企業の事業・課題をWebで並列調査し、提案の切り口を決める

5

提案一式を生成

提案レポート+トークガイド+提案スライドを自動作成し、Googleスライド化してDriveへ保存

6

メールで着弾

商談前に成果物一式が自分のメールに届いている。人間はレビューして商談に出るだけ

商談1件の準備一式(実測)

1時間30分 13分

企業リサーチ+トークスクリプト+提案資料の合計。13分は人間のレビュー時間

どう変わったか(すべて自社実測)

14時間55分 → 54分

19業務の作業時間(1件ずつ実行した実測合計・短縮率94%)

1時間30分 → 13分

商談1件の準備一式(リサーチ+トークスクリプト+提案資料)

26本

毎日・毎週 自動で走る定時ルーティン

39個

自作したAIスキル(同じ作業を3回やったらスキル化)

170本以上

AIが書いて公開した記事(自社メディア59本+note114本)

2箇所だけ

人間が手を動かす場所(商談本番と最終レビュー)

成果物は、ぜんぶ本物が動いています

スクリーンショットの代わりに、実際に稼働しているものをそのまま置きます。 この図解ページ自体も、自分で作ったサイトの1ページです。

工夫したポイント

01同じ作業を3回やったらスキルにする

記事生成・商談準備・投稿・資料作成を全部「スキル」に固めた。2回目からは呼ぶだけで、品質が人の気分に左右されない。

02正解のファイルを1つに決める(SSoT)

料金・キーワード台帳・投稿ログは正本ファイルを1つに決め、全スキルがそこを参照する。変更があったとき1ファイル直せば全部に効く。

03AIは生成、プログラムは検証

二重投稿の防止や記録漏れの検知は、AIではなく機械のガード(プログラム)に任せた。AIは柔軟だがブレる。正確さが要る仕事は型にはめる。

04人間は判断だけ

自動でやるのは「直す・減らす・書き換える」まで。「送る・払う・消す」など取り返しのつかない操作だけ人間が承認する線を引いた。

苦戦したポイント

🧗 実世界のUIとの格闘

Xの投稿欄は最初の入力が消える、noteの画像はクリップボード経由でしか貼れない…。ブラウザ自動化は「動いた」と「毎日動く」の間に深い谷があった。

🧗 3日連続の二重投稿事故

朝の自動投稿が別経路と重複して3日連続で二重投稿に。「送信前に必ず当日分を実測確認する」ガードを足して以降ゼロ。事故のたびに仕組みが強くなった。

🧗 AIの3つの壁は本当にあった

長いセッションほど出力が劣化する。タスクを細かく分割し、状態は会話ではなくファイルに持たせる運用に変えてから安定した。

半年でいちばん大きかった学び

「AIに仕事をさせる」とは、AIを信じることではなく、AIが間違える前提で仕組みを作ることだった。

御社の場合は、どこから始めるか

ここに書いたのは、社員がいない会社での話です。人が増えるほど「AIに渡してよい業務」は変わります。 30分の無料AI業務診断で、御社の業務を棚卸ししてA4一枚にまとめます。

AIリモートワーカー|佐々木優希|2026-08-29 v3(2026-08-31に発表の録画を追加)